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令和 4年 7月定例会議(第3号〜第9号)−08月01日-03号

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  1. 滋賀県議会 2022-08-01
    令和 4年 7月定例会議(第3号〜第9号)−08月01日-03号


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    令和 4年 7月定例会議(第3号〜第9号)−08月01日-03号令和 4年 7月定例会議(第3号〜第9号)                 令和4年7月定例会議会議録(第5号)                                        令和4年8月1日(月曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号                                         令和4年8月1日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第83号から議第102号まで(令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか19件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)    1番   菅  沼  利  紀       2番   桐  田  真  人    3番   井  狩  辰  也       4番   本  田  秀  樹    5番   柴  田  清  行       6番   重  田     剛    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   白  井  幸  則       22番   村  上  元  庸    23番   桑  野     仁       24番   周  防  清  二    26番   加  藤  誠  一       27番   竹  村     健    28番   目  片  信  悟       29番   有  村  國  俊    30番   岩  佐  弘  明       31番   富  田  博  明    32番   細  江  正  人       33番   川  島  隆  二    34番   奥  村  芳  正       35番   木  沢  成  人    36番   清  水  鉄  次       37番   大  野  和 三 郎    38番   冨  波  義  明       39番   江  畑  弥 八 郎    40番   成  田  政  隆       41番   九  里     学    43番   今  江  政  彦       44番   中  沢  啓  子           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(2名)    25番   海  東  英  和       45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               選挙管理委員会委員長      世  古     正               公安委員会委員長代理      北  村  嘉  英               副知事             江  島  宏  治               知事公室長           中  嶋     毅               総合企画部長          東        勝               総務部長            河  瀬  隆  雄               文化スポーツ部長        谷  口  義  博               健康医療福祉部長        市  川  忠  稔               商工観光労働部長        浅  見  裕 見 子               農政水産部長          宇  野  良  彦               土木交通部長          門  間  俊  幸               警察本部長           鶴  代  隆  造           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            箕  浦  宏  昌               議事課長            吉  田     亮               議事課課長補佐         内  田  吉  行           ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(岩佐弘明) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(岩佐弘明) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  公安委員会高橋啓子委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として北村嘉英委員が出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(岩佐弘明) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第83号から議第102号まで(令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか19件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(岩佐弘明) 日程第1、議第83号から議第102号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  発言通告書が提出されておりますので順次これを許します。  まず、27番竹村健議員の発言を許します。 ◆27番(竹村健議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。7月定例会議、一般質問トップバッターを務めさせていただきます自由民主党滋賀県議会議員団の竹村でございます。  今回は受動喫煙対策というところを取り上げさせていただきました。我が会派におきましても、岩佐議長をはじめ7名ほどの愛煙家の方々がおられまして、その方々については少しばかり耳の痛いお話になるかも分かりませんが、しばしお付き合いをいただきたいというふうに思います。  たばこの害あるいはその影響については今さら申し上げるまでもないかと思います。そのような中、2018年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立し、2020年4月1日より全面施行されました。この法律により、事業者だけではなく、国民全てが望まない受動喫煙を防止するための取組に対して、マナーからルールへと変わることになりましたが、この改正健康増進法のポイントについて健康医療福祉部長に伺います。 ○議長(岩佐弘明) 27番竹村健議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  改正健康増進法の趣旨は、望まない受動喫煙をなくすことでございます。中でも受動喫煙による健康への影響が大きい子供や病気の方などには特に配慮し、こうした方が主に利用されます施設などで受動喫煙対策を一層徹底することが求められております。また、施設ごとに喫煙できる場所なのかできない場所なのかを明らかに、標識の掲示を義務づけることが盛り込まれているところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)今、加熱式たばこと言われるようなものもあるようでございますが、これもこの法の下に包含されるのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  加熱式たばこは改正健康増進法におきまして指定たばこと定義されまして、規制の対象とされているところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)確認ですが、喫煙の対象と言いはったんですが、禁煙の対象ですか。もう一回、ちょっと確認で。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) 失礼いたしました。  加熱式たばこは改正健康増進法において指定たばこと定義されておりまして、規制の対象とされているところでございます。大変失礼いたしました。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)この健康増進法が改正されて2年4か月が経過をしようとしているわけでありますが、県民、事業者がしっかりと法律を遵守されているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  県では、望まない受動喫煙をなくすため、関係団体等への研修会、それから説明会、出前講座等の開催をはじめ新聞、FMラジオなど各種媒体を通じまして、改正健康増進法の趣旨について周知啓発に努めているところでございます。現在も施設における対策が不十分である旨の情報提供が寄せられることがございますが、その件数は減少傾向にあり、一定の理解は広がりつつあるものと認識しているところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)受動喫煙はいけないんだよというのが広く広がっていると。ただ一方で、全てがそのような状況にはなっていないというようなことかというふうに思います。  受動喫煙のタイミングとしては飲食店舗が多いというふうに考えられますが、ルールが守られていない場合、県から指導等が行われているのか、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  県が法律を遵守されていない状況を把握した場合には、施設の管理者に対しまして改正健康増進法の趣旨についての理解を求め、法に基づく適切な対応をいただけるよう指導助言を行い、早期に是正できるよう促しているところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)ちなみに去年は、例えばどれぐらいの指導をしたとか、そういうデータとかはありますか。再度、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  令和3年度におきましては14件、大津市は大津市でということになりますので、大津市以外で14件でございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)全国では、受動喫煙防止の観点から、法律とは別で条例化をしている地方自治体があると仄聞しておりますが、最も厳しい条例をしいているのはどこの自治体か、健康医療福祉部長に伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  一部の自治体におきましては、条例によりまして改正健康増進法よりも厳しい規制を定めているところがございます。規制の内容は様々でございまして、何をもって厳しいとするのか、一概に比較することは難しゅうございますが、例えば、法律では、法の施行前から営業されていて営業面積が小さい飲食店では経過措置として喫煙を可能としているところでございますが、東京都では、そうした施設であっても従業員を1人でも雇用している場合は喫煙を認めないという、より厳しい規制を条例において定めているところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)健康しがを標榜している本県として、滋賀県独自で今のような一歩踏み込んださらなる対策を講じる条例化制定の取組について、ここは知事に所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  本県では、平成14年──2002年より健康しがたばこ対策指針を策定し、滋賀県たばこ対策推進会議構成団体等と連携しながら喫煙対策を進めているところでございまして、これらの取組により、全国的にも喫煙率の低い県となっております。  県といたしましては、条例を制定するのではなく、まずはこうした対策を県民運動として取り組み、改正健康増進法の遵守を図ってまいりたいと考えております。  国では、法施行後5年を目途に取組状況を踏まえた見直し検討がなされると伺っており、その動きも注視しながら、本県における効果的な対策等について検討してまいりたいと存じます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)ありがとうございます。  2019年5月31日から、この県の庁舎、そして公館、大津合同庁舎および各地方合同庁舎の敷地内を全面禁煙に移行されております。この経緯について知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  来庁される方などの受動喫煙を防止するとともに、改正健康増進法における地方公共団体の責務等を踏まえまして、健康いきいき21─健康しが推進プラン─に基づきまして県民の健康づくりを進め、健康寿命の延伸に向けた取組を展開する本県といたしまして、受動喫煙を生じさせない環境づくりの推進に向け、県庁が率先して取り組む趣旨から敷地内全面禁煙とさせていただいているところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)県職員さんの喫煙率、想定される人数、どれぐらいの方が喫煙されているのか、総務部長に数字のほうを教えていただきたいと思います。 ◎総務部長(河瀬隆雄) (登壇)お答えいたします。  令和3年度定期健康診断時における滋賀県職員の喫煙率は男性が13.3%、女性が2.2%、全体で9.5%であり、喫煙者数は男性347人、女性30人、全体で377人となっております。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)一定数、喫煙されている方がいらっしゃるということですが、ちなみに県庁職員の皆さんが職務中に喫煙されるルールはあるのか、総務部長に伺います。 ◎総務部長(河瀬隆雄) お答えいたします。  勤務時間中は職務に専念しなければならないことから、勤務時間中の喫煙は自粛するよう強く要請をしているところでございます。この旨、令和元年5月に敷地内全面禁煙とした際に職員に対して周知徹底を図ったところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)うーんという感じなんですよね。実際に私が県庁の周りをうろうろしているときでも、議員も結構、吸いに行っているんですけど、県庁の職員さんも何名かは吸っていらっしゃるのを私も見ておりますので、この辺は1つ、既に形骸化しているところもあるのかなという気がしております。  ちなみに全国都道府県の一般庁舎における禁煙の実施状況について総務部長に伺います。 ◎総務部長(河瀬隆雄) お答えいたします。  産業医科大学が令和4年3月10日に作成をしたリーフレットによりますと、令和4年3月1日現在、敷地内全面禁煙を実施または実施を決定している都道府県は、本県を含めまして13都道府県であり、屋外喫煙場所を設置しているところは34府県でございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)今の答弁を聞いていますと、滋賀県の場合はどちらかというと厳しいほうの都道府県に入っているのかなというふうに思います。  先ほど伺いました、全面禁煙となっている県庁や公館、合同庁舎等以外で県管理施設があると思うんですけども、ここでの喫煙についてはどうなっているのか、総務部長に伺います。
    ◎総務部長(河瀬隆雄) お答えいたします。  原則として敷地内全面禁煙でありますが、体育施設、文化施設等の公の施設、公営競技事業のための施設につきましては、施設やその利用者の状況等により施設利用者に対して敷地外での喫煙を案内することが困難である場合などの特別の事情がある場合は喫煙場所の設置が可能としているところでございます。例えば希望が丘文化公園や県立彦根総合運動場では屋外喫煙場所を設置しているところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)ちなみに私が知っている範囲でいきますと、例えば今の彦根の総合運動場などは、たしかそういうプレハブみたいなのはなくて、灰皿がぽんと置いてあるだけで、たしか屋外で吸えるような状況であったというふうに思います。このような施設で喫煙場があるような場合、敷地内喫煙について県民などからクレームがあったようなケースはあるのか、総務部長に伺います。 ◎総務部長(河瀬隆雄) お答えいたします。  喫煙場所を設置している全ての施設から聞き取ったわけではございませんが、改正法施行後は、敷地内喫煙について特に御意見等は伺っていないものと承知をいたしております。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)特にクレーム等はないということですね。  次に、警察本部庁舎における喫煙の状況についてはどのようになっているのか、警察本部長に伺います。 ◎警察本部長(鶴代隆造) (登壇)お答えします。  警察本部におきましては、令和元年7月から、健康増進法改正を契機に、庁舎内だけでなく敷地内を全面禁煙としておりましたが、その後、職員の意見も踏まえ、令和2年3月から敷地内の一部に同法に規定する特定屋外喫煙場所1か所を設置しているところであります。  県警察といたしましても、同法の趣旨である受動喫煙対策の徹底を図っております。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)本部長から警察本部敷地内に特別な喫煙場所を設けているということでありましたが、これを設けていることに対する県民からのクレーム等は過去にあったのか、警察本部長に伺います。 ◎警察本部長(鶴代隆造) お答えします。  警察本部での喫煙場所に関しましては、県民の方から、令和元年以降、数件意見が寄せられておりまして、特定屋外喫煙場所の設置以前は職員が敷地外で喫煙しないよう庁舎敷地内に喫煙場所を設けるべきなどの意見が、同喫煙場所設置以降は職員以外の来庁者にも同喫煙場所を利用させてほしいなどの意見が寄せられております。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)警察の方については適切な場所で喫煙をされていて、それについては特に県民の方からのいろんなクレームといいますか、そういうことはないということでした。  先ほど少し私が自分の主観で県庁の職員さんの喫煙についてしゃべってしまったんですけれども、現在、敷地内禁煙となっている愛煙家の県庁職員の方はどこで喫煙をしていると思われるのか、総務部長に伺います。 ◎総務部長(河瀬隆雄) お答えいたします。  総務部内の何名かの職員に確認したところ、勤務時間の前後や休憩時間中に近隣のコンビニエンスストアに設置をされている屋外喫煙場所等で喫煙をしていると聞いているところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)ちなみに近隣からのクレーム等はないのでしょうか、総務部長に伺います。 ◎総務部長(河瀬隆雄) お答えいたします。  県庁周辺施設での喫煙所の利用方法など、職員の喫煙マナーに関する御意見は複数いただいているところであり、健康増進法や路上喫煙防止条例等の遵守に加えて、近隣の方へ御迷惑をかけることのないよう注意喚起を実施してきたところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)結構、クレームが入っているというようなことやというふうに思います。  このように、現実の状況として、県職員の方々が庁舎近隣で結果的に喫煙をしている状況というのが明らかになっていると思いますが、これについてどのように受け止めているのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) これまで受動喫煙防止の観点などから敷地内全面禁煙を行いまして、望まない受動喫煙を生じさせることのない職場環境づくりに取り組みながら健康しがを掲げ、健康寿命延伸に向けて率先して取組を進めてきたんですが、そのような中で、職員の喫煙マナーに関する県民の方からの御意見等が引き続き寄せられているということは大変残念であります。  敷地外での喫煙に関して、勤務時間外でありましても疑問の声や御意見等が寄せられることのないように、喫煙マナーの徹底に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)たばこを吸われる方の権利というのもあるとは思いますし、私自身も、以前、吸っていた経験もあって、たばこを吸われる方の気持ちというのは本当によく分かります。ちなみに知事は、喫煙は今されていないと思うんですが、過去、されたりはしていたんでしょうか、伺います。 ◎知事(三日月大造) 知事になるまでは愛煙家でありました。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)知事になられてやめられたというようなことです。  ちなみに、本県に税収としてたばこ税というのが入っていると思いますが、これは幾らほど入っているのか、総務部長に伺います。 ◎総務部長(河瀬隆雄) お答えいたします。  県たばこ税につきましては、令和2年度決算で13億8,280万3,000円の収入があったところでございます。また、市町村たばこ税につきましては、令和2年度決算におきまして、19市町で計84億6,434万6,000円の収入額となっているところでございます。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)ありがとうございます。  愛煙家の皆様からすると、これだけしっかりと税金を払うとるやないかというような御意見も聞こえてきそうですけれども、先ほど少し、庁舎以外で、例えばスポーツ施設なんかでたばこを吸っている現状がある、あるいは警察本部でもそういうような施設を設けてたばこを吸っておられるようなことに関しては、今のところ、クレーム等も入っていないようであります。  そんな状況で、一方、県庁周辺では喫煙をされている実態があるということでございますので、これは近隣に住まいされている方々の迷惑になっているのではないかなと思うんですね。私、この際、提案なんですが、中庭とか屋上に喫煙場所を設けて、適切に吸っていただけるような場所を1つ設けるというのはいかがかなと思うんですが、知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) まず、敷地内全面禁煙にするという、こういう状況の中、職員の喫煙によって近隣の方に御迷惑をおかけしたり不快な思いをさせることはあってはならないというふうに私も思うんですが、同様にお考えの竹村議員のほうから、そういった観点から今回の御提案をいただいたものと受け止めさせていただいているんですが、やはり健康しがを掲げる本県としては、県庁自らが率先して受動喫煙対策を講じていくことは以前にも増してその必要性が高まっていると考えておりますので、敷地内全面禁煙の取扱いは継続していきたいと考えております。そして、職員に対しましては、喫煙場所の設置ではなくて、喫煙マナーの徹底と職員自身の健康のために禁煙に向けた支援を引き続き行っていきたいと考えております。  ただ、受動喫煙の防止という観点から、職員もそうですけど、近隣の喫煙場所について、社会的にどのような対策を講じていく必要があるのかということについては、先般もたばこの商業組合の方やJTの方からも御提案や御要望を私自身も承りまして、担当部局にどういうことが対応として考えられるのか検討せよということを、今、示達しているところであります。 ◆27番(竹村健議員) (登壇)今のが最後の質問やったんですけれども、いろんな対策を講じて、今おっしゃっていただいたような健康しがの趣旨をしっかりと全うしていくというのは大変大事なことやと思うんですが、ただ、いたずらにお金をかけて対策を外にするよりも、私は、中に1か所、中庭とか屋上に何かそういうようなところを設けるほうが合理的やと思いますし、それが結果として近隣の迷惑にもならんと。まして、近いところにあることで、我々議員も会議に遅れることなく、すっと、たばこを吸ってすぐに帰ってこれるというのもメリットがあるなというふうに思いました。  なかなか、吸っておられる方がこういう提案ってちょっとしにくいのかなと思いましたので、今回、今は吸っておりませんが、あえて私のほうから提案をさせていただきました。すぐにこんなのをやりますということは、多分、なかなか答弁としてもらえないだろうなと思っていたんですが、先ほども少しありましたように、34都道府県では敷地内にそのような施設を設けておられるというようなこともありますし、僕は、健康しがということであるんであれば、外で喫煙をされる実態がやっぱりどうしても出てくるんで、それであれば、しっかりと庁舎内に設けて、適切に喫煙をしていただくというようなことがいいんじゃないかなというふうに思いますので、また今後、一考いただければなと思います。  終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、27番竹村健議員の質問を終了いたします。  次に、14番田中松太郎議員の発言を許します。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従いまして、大きく2項目について質問をさせていただきます。  まず1項目め、ネット販売──ECの活用とノウハウの蓄積について、一問一答で全て知事に質問をいたします。  ECとはEコマースの略で、電子商取引のことを指します。いわゆるネット販売のことですが、このネット販売のサイト、ECサイトには幾つかの種類があります。  まず、モール型ECサイトやECモールは、その名のとおり、オンライン上のショッピングモールです。1つの大きなサイト、モールの中に複数の企業やショップが出店あるいは商品の出品をするタイプのECサイトで、楽天市場やアマゾン、ヤフーショッピングなどが有名です。  中でも楽天市場は、日本にECサイトがやってきたばかりの1990年代後半からスタートしている老舗ECモールです。連携している楽天カードのポイントの還元率の高さが人気で、ほかにも多数の連携サービスがあり、多くの会員IDを獲得しています。抜群の知名度で、集客力は非常に強固です。また、出店には厳しい審査基準が設けられておりますので、ブランド力もしっかりとしております。定期的に開催されるお買い物マラソンなどのキャンペーンもユーザーからの人気が高く、ショップにとっては売上げアップのチャンスが多いプラットフォームと言えます。  本県におきましても、昨年度、WEB物産展をこの楽天市場で開催しております。  次に、アマゾンはマーケットプレイス型の代表格とも言える存在のECモールです。アマゾン最大の特徴と言われるサービスがフルフィルメントと呼ばれるもので、これは、EC販売で発生する業務、保管、梱包、出荷、発送、返品を一貫して行うシステムです。商品は1つからでも出品がオーケーで、ショップとしての体制が整っていなくても簡単にオンライン販売を始められます。  次に、ヤフーショッピングはソフトバンクグループのZホールディングス株式会社の子会社、ヤフー株式会社が運営するテナント型のECモールです。毎年、出店店舗数が増加傾向にあり、楽天、アマゾンに続く存在として今なお成長を続けるマンモスECモールです。大規模なモールでありながら、初期費用、月額固定費、売上手数料がゼロ円という魅力的な特徴があります。短期間だけの出店も可能ですので、ポップアップ的にネットショップを開きたい事業者にもお勧めできます。なお、本県において、昨年度、滋賀県ご当地モールをこのヤフーショッピングで開催しております。  これらのモールは全て、既に完成されたECシステムを利用するため、サイトの構築の必要がなく、比較的手軽にオンライン上で商品を販売できるのが特徴です。加えて、モールサイト自体の知名度が高く、マーケティングのノウハウも持っているため、単独ではあまり強い集客力を持たない中小規模の企業やショップにお勧めのプラットフォームと言えます。  一方、モール型とは異なり、独自でECサイトを立ち上げ運用される形については自社ECなどと呼ばれ、滋賀県では、リニューアルした「ここ滋賀」のオンラインショップなどがそれに当たります。  さて、昨年度、滋賀県の補助により、びわこビジターズビューローにおいて、インターネットの大手ショッピングモールである楽天市場で滋賀WEB物産展を、また、ヤフーショッピングで滋賀県ご当地モールを開催されました。  そこで、まず、楽天市場とヤフーショッピング、2つのECモールで実施されたこの事業の概要について伺います。 ○議長(岩佐弘明) 14番田中松太郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  コロナ禍の影響を受けていらっしゃる県内事業者に対する販売機会の創出や販路拡大の支援を行うため、最大30%割引となるクーポンを提供するWEB物産展を開催したところでございます。  まず、楽天市場の滋賀WEB物産展は令和3年8月から令和4年2月にかけて合計4回開催し、延べ448事業者、延べ9,340商品の出品があったということでございます。また、ヤフーショッピングの滋賀県ご当地モールは令和3年10月から令和4年2月にかけて合計3回開催し、延べ292事業者、延べ1万298商品の出品があったとの報告を受けております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)それでは、楽天市場における滋賀WEB物産展と、ヤフーショッピングにおける滋賀県ご当地モールの昨年度の実績について伺います。 ◎知事(三日月大造) 昨年度の実績ということで、まず、滋賀WEB物産展のほうは合計4回の開催で約1億4,600万円の割引クーポンを提供し、その売上総件数が約7万6,000件、売上総額が約5億400万円となっております。もう1つの滋賀県ご当地モールは合計3回の開催で約7,200万円の割引クーポンを提供し、その売上総件数が約7万1,000件、売上総額が約2億6,800万円となっているところでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)それぞれ開催の回数が異なりますので単純に比較はできないんですが、楽天のほうが5億円という多くの売上げを上げていただいております。  それでは、このそれぞれの売れ筋品目や購入者層など、販売状況の内訳について伺います。 ◎知事(三日月大造) 滋賀WEB物産展のほうは売上げ全体の約93%が食品ということでございまして、その中でも米が約41%、肉が約22%ということだそうです。また、滋賀県ご当地モールのほうは売上げ全体の約90%が食品でありまして、その中でも米が約30%、肉が約26%となっております。  購入者の性別につきましては、2つの物産展とも女性が約7割、男性が約3割となっているそうでございまして、年齢別では、滋賀WEB物産展では30代が最も多い、次いで40代、滋賀県ご当地モールのほうは40代が最も多く、次いで50代となっているということでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  いずれのサイトも米が一番売れているということで、私、これを初めて聞いたときちょっと驚きまして、何か感覚的には肉のほうがたくさん売れているのかなというふうに思っていたんですけれども、それぞれ、一番がお米、その次に肉ということで、購入者層も女性が7割、特に楽天のほうが比較的、年齢層が30代、そして40代と若く、ヤフーのほうが少し、40代、50代と高めに出ているということなんですけど、今これ、さらっとお答えいただきましたけれど、こういうデータって基本的に、各社、あまり公表されてない。そういうデータが、今回、滋賀県独自で得られたので非常に重要なデータだなというふうに考えているんですけれども。  今、この中でも特に売れている店舗ですとか、そうでない店舗ですとか、様々あろうかと思うんですけれども、売れている店舗の特徴など、どのように分析をされているのか伺います。 ◎知事(三日月大造) 売上げの高かった店舗については、例えばそれぞれのECモールの客層に合わせて効果的に写真を使われるなど、商品ページの作成を工夫されていたとのことでございます。このほか、期間限定の増量キャンペーンなど顧客の購買意欲を高める取組を実施している店舗もあったとのことでございます。  こうしたことから、訴求力の高い商品紹介や顧客の興味を引きつける販売企画といった創意工夫が売上げの増加につながったものと考えているところでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。出店すれば簡単に売れるということでもなく、やはりその中でもいろいろと工夫をしながら努力をされている店舗がこのように売上げを上げておられるということかと思います。ぜひ、こういうノウハウをそれぞれ検証しながら、また新規参入される、今後のショップ運営をされる方々にも生かしていけたらなという、そんな思いで、今回、質問をさせていただいております。  さて、ヤフーショッピングは、出店料無料のため参入障壁は低く、ヤフーショッピングでの売上高が約8,500億円と言われているのに対して87万店舗の出店数があると言われており、その分、競争が激しいという、そういう側面もあります。一方、楽天市場は、売上高約3.9兆円に対して出店数は僅か5万店ほどしかありません。検索上位に入るためのハードルは楽天市場のほうが低いというふうに言えます。また、信頼感の必要な商材、例えば食品とか高額商品が売れるのは出店審査の厳しい楽天市場と、こういうふうにも言われております。  今回、2つのECモールで展開した中で得られたそれぞれの売上げや売れ筋、客層などの違いについて伺います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど申し上げたとおり、2つの物産展においては主となる購入者の年齢層に違いが見られているということでございます。また、両物産展の売上単価を比較いたしますと、滋賀WEB物産展は約6,600円、滋賀県ご当地モールは約3,800円となっておりまして、これは両サイトの出店料、売上手数料といった出店条件の違いが影響しているものと推測しているとのことでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  楽天のほうが客単6,600円、ヤフーモールのほうが客単3,800円ということで、これ、非常に大きな開きが出ておりまして、先ほどの年齢の違いもそうですし、客単がこれだけ大きく違ってくると、ヤフーのほうは出店料無料ですけれど、その一方、楽天のほうは出店料は一定かかるものの、客単価がこれだけ高い商材が売れるというのは非常に興味深いデータが出ているなというふうに思っております。  この事業はびわこビジターズビューローの補助事業となっておりますが、事業を通じて得られたこうしたノウハウなどを県として今後にどのようにフィードバックしていかれるのか伺います。 ◎知事(三日月大造) 大きな時代の趨勢もそうなんですけど、特にコロナ禍においてネット販売を活用する機会が増えていくという中にありまして、その市場規模も大きく拡大しております。今後、ネット販売の需要はますます高まっていくものと推測されます。  今回実施いたしましたWEB物産展で得られた効果的な商品ページの作成や広告の打ち出し時期といったノウハウ、購買層の分析結果などについては、びわこビジターズビューローが実施するセミナーや勉強会等を通じて県内事業者に広く共有してまいりたいと考えております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)それでは、次に、昨年度、農政水産部のみらいの農業振興課では、エシカル消費がテーマのヤフーウェブサイト、エールマーケット内において滋賀の幸特集ページを開設し、対象商品を30%オフで購入できるクーポンを期間限定で付与されました。  滋賀県産の農畜水産物にスポットを当てた初の取組として、滋賀の幸購入で生産者を応援しようというものですが、改めて、滋賀の幸事業の概要について伺います。 ◎知事(三日月大造) この事業では、サイトに県産農水産物の特集ページを立ち上げ、3割引クーポンを活用した販売促進を行うとともに、生産者等の新規出店を支援したということでございます。  世界農業遺産を目指す本県の農業、水産業の取組を意識の高い消費者層に訴求し、今後の継続的な購入と消費拡大につなげることを目的に実施いたしました。  実施期間は第1弾が8月から9月中旬、第2弾が10月から11月中旬の延べ3か月ということでございました。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)こちら、滋賀の幸については延べ3か月ということで少し期間は短かったんですが、それでは、この滋賀の幸の昨年度の実績について伺います。 ◎知事(三日月大造) 参加事業者が、第1弾は44社、第2弾が54社、その合計の売上点数は約2万7,600点、売上金額は約1億4,700万円に達したとのことでございます。また、ホームページの立ち上げおよび商品のアドバイス等の支援により、10社が新たにホームページを立ち上げられたとのことでございます。  参加事業者へのアンケートでは、回答者の3分の2が新規顧客を獲得できたと回答されておられます。コロナで影響を受けた農家の販売支援につながった、リピーターを獲得できたなどのお声もいただいているとのことでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)3か月間で売上げが約1億4,000万円ということで、ヤフーのモールの中でもエールマーケットという非常に限られたモールではあるんですけれども、思っている以上に多く売れているなという、そんな印象を受けております。  それでは、この売れ筋商品や店舗別の売上げ、購入者層など、販売状況の内訳について伺います。 ◎知事(三日月大造) 売れ筋商品は、米、肉が全体の9割を占めていると。続いて、水産加工品、野菜、果物、花、茶の順ということです。3か月の売上げトップは肉の小売店が2,600万円、次いで、米の小売店が2,400万円。購入者の年代は40から50代が6割、20から30代も2割弱。若い世代の利用が多かったと。居住地は東京、大阪、滋賀の順番で、県内の購入者が多いのが本県の特徴であったということでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)やはりこちらのサイトも米、そして肉が大半であるということで、店舗別で見ますと、肉で、3か月で2,600万、米の事業者では2,400万ということで、かなり頑張っておられる店舗が多く売上げを上げられているのかなと。  あと、購入者層の年齢も比較的若いということに加えて地域別、これは大体、大都市圏が、普通、ランキングされるんですけど、今おっしゃった中では、東京、大阪に加えて滋賀もしっかりと入っているというのが少しほかとは違う特徴が出ているのかなというふうに感じておりますが、こうした売れ筋商品や売れている店舗の特徴などについてどのように分析をされているのか伺います。 ◎知事(三日月大造) 売れ筋商品の特徴は、商品の写真が優れている、また、説明が一目で分かりやすいことなどが挙げられるということでございます。また、売れている店舗は、用途や数量でアイテムを多数設定するなど、消費者の選択肢を増やす工夫をされているということでございます。また、米では、自宅に届くまで品種名が分からない福袋など、遊び心がある商品も人気があったということでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)こちらも、やはり売れている店舗というのは、写真であるとかその説明であるとか、いろいろ工夫されているのと、今御説明いただいた福袋ですとか、あと、お米に関しては、30キロとか10キロとか大きいタイプ以外に、一人暮らしの方に向けた小さい、1キロとか5キロとか、そういったものもたくさん売れているといったこともお聞きをしておりますけれども、いずれにしましても、こういった工夫をすることがやっぱりネット販売では重要なのかなと感じているところでございます。  また、農政水産部に関しましては、今年度、新たにオンラインショップを開設する、あるいは改善する農畜水産事業者を対象に、アドバイスを受けられる専門家を派遣し、また、開設等の取組に必要な経費の一部を補助金により支援する取組を行っておられます。専門家派遣に際しては県職員が同行しておられるとお聞きしましたが、ヤフーエールマーケットの滋賀の幸の特集で得られたノウハウなどをこのアドバイスにどのように生かしておられるのか伺います。 ◎知事(三日月大造) 今年度から新たにECサイトに出店される農業者に専門家を派遣し、1つは、商品の特徴やこだわりなど商品情報の伝え方でありますとか、2つ目として、商品の写真など、その魅力の見せ方など、昨年度の事業で得られたノウハウを生かし、支援をしているところです。また、各農業農村振興事務所の普及指導員が専門家に同行し、出店支援に関わることでノウハウを習得し、農業者がネット販売を開始する際にアドバイスができるよう、体制づくりに努めているところでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)先ほどの滋賀WEB物産展あるいは滋賀県ご当地モールにつきましては、びわこビジターズビューローさんがされている事業ですので、どちらかというとそちらのほうでノウハウを蓄積されておられるんですけれども、滋賀の幸あるいは、この今の新たなアドバイスの事業につきましては、一定、県の職員さんが直接関わっていただいておりますので、そういう意味では県の職員さんが、直接、そういったノウハウを学んでいただけるという、そういう貴重な機会でもあるのかなということで、そこで得られたノウハウを、ぜひ、県としてもしっかりと蓄積をしていける仕組みを検討していくことが必要なのかなということを感じております。  それでは、次に、「ここ滋賀」のショッピングサイトについて伺います。  「ここ滋賀」のショッピングサイトについては、オープン時から、もともと販売不振であった滋賀県中小企業団体中央会のいわゆる自社ECサイトである滋賀の名品サイトに加え、令和2年度には、ヤフーショッピングのECモールに「ここ滋賀」ショッピングサイトヤフー店として出店したことで売上げ拡大につながったとお聞きしております。  現在はECモールのヤフーショッピング、「ここ滋賀」ショッピングサイトヤフー店を滋賀県中小企業団体中央会に引き継ぎ、中央会が運営される自社ECの滋賀の名品サイトとECモールのヤフーショッピング、滋賀の名品ショッピングサイトヤフー店として「ここ滋賀」からも発信をされています。加えて、「ここ滋賀」運営事業者のアインズが運営される自社ECの「ここ滋賀」オンラインショップがあります。「ここ滋賀」に関連するECサイトは現在3つ存在しますが、それぞれの概要について伺います。 ◎知事(三日月大造) 私も、3つあるって、この御質問をいただいて初めて知ったんですけど、滋賀の名品ショッピングサイトは、県産品の消費拡大と情報発信を目的に、滋賀県中小企業団体中央会が自社ECサイトとして運営されておられます。また、滋賀の名品ショッピングサイトヤフー店は、大手ECモールであるヤフーショッピング内に中央会が注文窓口を設置していらっしゃるものであります。この両サイトについては、中央会が県内で事業者から集荷を行い、商品を滋賀から発送する仕組みとなっているということでございます。一方、「ここ滋賀」オンラインショップは、第2期運営事業者であるアインズ株式会社が独自に開設されたもので、「ここ滋賀」の店頭にある商品を東京から発送する仕組みとなっておりまして、会員制度やポイントサービスを店舗と共有するなど、「ここ滋賀」店舗と連動したサイトとなっているということでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)それでは、この3つのECサイトの現在までの実績について伺います。 ◎知事(三日月大造) 滋賀の名品ショッピングサイトにおきましては、平成28年度の開設時から現在までに約2,220万円の売上げ、令和2年度から開設された滋賀の名品ショッピングサイトヤフー店では約1,260万円の売上げがあったとのことでございます。
     また、この両サイト、2つのサイトにおきましては、現在、121の事業者の皆様から511の商品を出品いただいているとのことでございます。  なお、5月20日に開設した「ここ滋賀」オンラインショップは、現在、サイトの周知や店頭商品の追加掲載を、順次、行っているということでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)先ほどの楽天あるいはヤフーでの、ECサイトでの売上げが大きかったものですから、少し「ここ滋賀」のボリュームが小さく見えてしまうんですけれども、それぞれちょっと延べで売上金額、おっしゃっていただきましたけども、少し改善の余地といいますか、工夫が必要なのかなというところを今の数字からも少し感じ取っております。  先ほど知事もおっしゃいましたけれども、このコロナ禍で、新たな販路としてネット販売に活路を見いだしている中小事業者は確実に増えてきておりますが、現在、県として、ネット販売を活用する事業者を後押しできる施策やノウハウがあるのかどうか伺います。 ◎知事(三日月大造) 県としても、コロナ禍における販路開拓などの面において、ネット販売も含めた事業者のDXの推進というのが大変重要であると考えております。このため、商工会、商工会議所の職員に対する人材育成支援や、補助金等による事業者支援に取り組んでいるところでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)先ほどお聞きいたしましたびわこビジターズビューローが運営する楽天市場における滋賀WEB物産展とヤフーショップにおける滋賀ご当地モール、これら2つのノウハウと、それから、農政水産部みらいの農業振興課が取り組むヤフーのエールマーケットの滋賀の幸特集で得られたノウハウ、そして、滋賀県中小企業団体中央会が運営される自社ECの滋賀の名品サイトと、それから、ECモールのヤフーショッピング滋賀の名品ショッピングサイトヤフー店のノウハウ、そして、アインズさんが運営される自社ECの「ここ滋賀」のオンラインショップ、これ、それぞれのECサイトの特徴を捉えて、部局を越えて情報共有をしながら連携し、ノウハウを蓄積していく仕組みをつくり、企業の販路拡大につなげていくことが重要と考えますが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 重要だと思います。したがって、もちろんモールやサイトごとのいろんな条件や特徴があるのかもしれません、また、時期や売るものによって違いがあるのかもしれませんが、この間に得られた情報などを共有しながら、先ほどの答弁はおよそノウハウと言えるものではなかったのかもしれませんが、ただ、やってみて分かったことを共有して、これから対応される方にしっかりとシェアをしていくというのは大変重要なことだと思いますので、こういった市場はこれからますます広がることも想定されますので、しっかりと共有し、今後の改善等に役立ててまいりたいと存じます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  それぞれ売上げ、あるいはその数値、データに対してどのように分析しているのかという質問をさせていただきましたけれども、今回、質問をした際にその分析をしていただいたというような側面も、実際のところ、あるようでございますし、また、今回、答弁協議をさせていただく中で、それぞれ部局を越えて、いろいろ話合いの中で得られた部分なんかもございます。データを見ていますと、お米が一番たくさん売れてますけれども、これを売っておられるのは生産者の方ではなくて、米問屋というか、商店の方が販売されていると。いろんな農家さんからお米を集めてきて、その方が販売をされて多くの売上げを上げておられるという、そういう実態もあるようでございます。なぜそうなっているのかというのを聞きますと、なかなか個人の農家さんが出店から受注から出荷から全てを1人で賄うというのは大変であると。どこか、中間的にそういった事業者があれば、そういったところと組んでやりたいというようなニーズも一定あるようなことも徐々に分かってきておりますので、であるならば、例えば今の「ここ滋賀」のサイトにしても、県がもう少し、その中間的な役割を担いながら、より多くの県内の生産者から様々な商材を集めて販売するということも可能かと思いますし、それ以外にも新たなプラットフォームは、県として、つくっていくことも可能なのかなということも、いろいろと話合いの中で見えてきた部分もございますので、どういったやり方ができるのか分かりませんけれども、いずれにしましても、せっかく昨年度、多くの補助金を使いながらこうした取組をされましたので、ぜひ、そこで得られたノウハウを部局横断的に、何か次につながる一歩を踏み出していただければということを思うんですけど、再度、その点について知事に見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) Eコマースというのはそういうことができるチャンスやチャンネルが広がるということだと思います。したがって、民間にできることは民間にお任せしたいと思いますが、その民間のツールを使って販路を広げたり売上げを伸ばそうとされる方々にそういった得られたノウハウ等をしっかりと共有して、こういう写真の撮り方をしたらいいですよ、こうやって訴求すればもっと売れますよというようなことを、例えば農水部局だけではなくて「ここ滋賀」の担当、そして観光の担当などとも連携しながら情報共有していく、提供していくということは滋賀の産物を広く売っていくために大変重要だと思いますし、このチャンネルが広がることは、今も、いみじくもおっしゃいましたけど、生産者が直で市場とつながることができるチャンスを広げるということにもなると思いますので、当然、そういったスタッフがいるかいないか、ノウハウや経験があるのかないのかというような課題はあるのかもしれませんが、そういう意味でも、1次産品を所得とともに向上させていく、私はチャンスでもあると思いますので、そういう観点から、それぞれの部局横断で取組を広げていけるように努力していきたいと思います。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。  今回、それぞれの事業を検証し、分析していく中で分かった部分というのは今回の中ではほんの一部でありますので、ぜひ今後、しっかりと連携をしながら、さらに分析をしながら、今後さらなるネットショップへの新規参入も含めて、いろんな事業者の支援につながるようお取組をお願いしておきたいと思います。  それでは、次の項の質問に移ります。  次に、ここクーポンの情報漏えい事案と電子割引券発行による中小・小規模事業者応援事業について、こちらも一問一答で全て知事に質問をいたします。  ここクーポンの情報漏えい事案については、2月定例会議の一般質問で取り上げ、また、同じく2月定例会議の補正予算の質疑においても取り上げましたが、その後の動きも踏まえて、改めて質問をいたします。  湖国の応援、ここクーポンは新型コロナウイルス感染症の拡大により大きく影響を受けた小売、サービス業の事業者を応援するために、プレミアム率50%のデジタル券を昨年の12月24日から販売されたものですが、その後、ここクーポン購入時に使用しているクレジットカード決済サービスへの不正アクセスによる情報漏えいが判明しました。これは、ここクーポンが利用していたクレジットカード決済サービス会社である株式会社メタップスペイメントの決済サーバーが不正アクセスを受け、ここクーポンを購入される際にクレジットカードを利用された方のカード番号、有効期限、セキュリティーコードの情報が約6万3,000件流出し、クレジットカード決済サービス会社である株式会社メタップスペイメントからは約46万件の情報が漏えいしたというものです。  これを受け、経済産業省では報告徴収命令を出し、同社より報告を受けたところ、脆弱性に起因する情報流出に加えて、システムにおけるセキュリティー対策の不備や内部統制における問題などが判明、クレジットカードの国際的なセキュリティー基準、PCIDSS──これはペイメント・カード・インダストリー・データ・セキュリティー・スタンダードの頭文字──PCIDSSにも準拠しておらず、割賦販売法における違反が見られたとして、6月30日に改善命令の行政処分を行いました。  具体的に明らかになった問題としては、委託先、委託事業者よりコンビニ決済の加盟店向けサービスのシステムを同社内に移設した際に、内部のシステムで関係部署で情報共有をしておらず、PCIDSS監査機関に伝えなかったことから監査対象となっていなかったと。さらに、脆弱性の診断によって複数の脆弱性を検出していたものの、PCIDSSの監査において内容を改ざんした報告書を示していたことが判明したということで、当初、私もこの国際的なセキュリティー基準、PCIDSSに準拠した高度なセキュリティー環境下での不正アクセスによる情報漏えいということで強い衝撃を覚えましたが、結果的にはPCIDSSに準拠していないだけでなく、報告書の改ざんや内部統制の不備など、非常にずさんな実態に強い憤りを覚えたところです。  また、7月13日付で個人情報保護委員会より同社に対し個人情報の保護に関する法律に基づく指導もあったところですが、経済産業省による改善命令の行政処分が出されたことについて知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) メタップスペイメントへの主な処分理由は、クレジットカードのデータセキュリティーに係る脆弱性診断の結果、脆弱性が検出されていたにもかかわらず、その報告書を改ざんし、監査機関に提出していたことなどによるものであり、私も驚きとともに憤りを感じております。このため、先般、今回処分を受けたてんまつや今後の対応等について、委託先であるJTBおよびメタップスペイメントに説明を求めるとともに、改めて利用者に対する丁寧な対応を要請したところでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)今回のクレジットカードの不正利用の被害に遭われた方などへの見舞金などの補償については2月補正の質疑において触れさせていただきました。当初、事業者も見舞金などへの補償については難色を示していたようにもお聞きしておりましたが、結果的に、事業者の負担においてカードの再発行をより一層進めていただくとともに、既に再発行いただいた御利用者の御負担を鑑み、QUOカードPay500円分を配付いただくことになりました。  そこで、QUOカードPayの配付状況について伺います。 ◎知事(三日月大造) カードの再発行を促すことを目的として、6月30日から7月8日にかけて、全てのカード利用者に対し、電子商品券QUOカードPayが受け取れるメールを送付したところでございます。メールアドレスの変更等により受信できなかった方についてはショートメッセージの送信や複数回の電話連絡により確実にお届けできるよう努めているところであり、ほぼ配付は完了していると聞いております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)ありがとうございます。いろいろ御努力をいただきながら全ての方に配付をしていただいているということですが、配付いただいたのは、メールというか、その案内でありまして、実際に手元に届いているのかというところが少し疑問なんですが、これまで、ここクーポン事務局からはたくさんのメールを送っていただいているかと思います。仮にメールが送られてきたとしても、開封すらしていない方も多いのではないかというふうにも思います。これ、送るだけでなく、実際にQUOカードPayを使っていただくことが重要かと思います。  QUOカードPayを使うにはシリアルコードの入力など受け取るための手続が必要かと思いますが、その受け取り状況について伺います。 ◎知事(三日月大造) QUOカードPayの受け取り状況ということでございますが、7月22日現在で、6万3,337枚中2万5,900枚分で約4割となっているとのことでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)全ての方に連絡をしていただいて、現在で約4割ということで、これが多いのか少ないのか、客観的指標がないんですけれども、ただ、恐らく御存じない方もたくさんいらっしゃるのではないかなというふうに思います。  たかが500円とはいえ、先般、KDDIの通信障害については200円という補償も出ておりますけれども、その中で、今回、この事案で500円というのは、事業者としては、一定、思い切った判断をいただいたのかなというふうに思いますが、せっかく配付いただいて受け取っていただける分でもありますので、より多くの方々に受け取ってもらえるための工夫が必要かと思うんですけども、これ、残り約6割の方、まだ受け取っておられませんので、こういった方々にどのようにアプローチしていくのか、再度、伺います。 ◎知事(三日月大造) これ、やる前からいろいろと担当部局とも話をしていて、なかなか悩ましい面があるなと思っていたのは、このQUOカードPayの配付に当たって、やはり詐欺や迷惑メールと誤解されて、事前に告知メールを送りながら、県のホームページでも併せて内容を確認できるようにするなど慎重に進めてきたという、こういう経緯があります。こうやってやったんですけど、コールセンターには、こんなメール来てるけど詐欺じゃないかとか怪しいものじゃないかという問合せも、事実、いただいているということでございます。  こうしたことから、安心して受け取っていただけるよう、さらに、メールや県のホームページに加えまして他の媒体等も活用しながら周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)情報漏えいの事案が発生してから半年以上が経過をしております。そろそろ事態の収束に向け、鎮静化してほしいと願うところでありますけれども、現在のコールセンターへの問合せ状況について伺います。 ◎知事(三日月大造) 担当に聞きますと、6月には1日当たり3件程度で推移していたと。QUOカードPayの配付について案内を終えた7月8日には120件余りに増えたと。しかしながら、直近では20件程度に減少しているということでございます。  最近のお問合せ内容の大半はQUOカードPayの利用方法等でございますが、少数ではありますものの、不正利用に係るものもあるということでございます。そのため、引き続き、身に覚えのない請求がないか、利用明細の確認を行っていただくとともに、カードの再発行を進めるようお願いしてまいりたいと存じます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)今もなお、不正利用に関する問合せがあるということでしたけれども、先般もある方から聞かれたんですけれども、QUOカードPayも頂いて、番号を変えてなかったけど、今のところ被害に遭ってないと、もう変えなくても大丈夫ですよねと、そんな相談を受けましたけれども、これ、やはり番号を変えない限りは、今もなおこうして、数は少ないですけれども、やはりコールセンターに問合せがあるということは、被害に遭う可能性があるということを、いま一度、皆さん方に認識を持っていただく必要性があるのかなというふうに思うんですが、現在もこうしてコールセンターへの問合せが続いている状況からすると、全ての方がカード番号の変更を終えない限りは、今後も被害は続くものというふうに考えます。  現在のクレジットカードの再発行手続の進捗状況について伺います。 ◎知事(三日月大造) 現在、クレジットカード会社5社分、約3万2,000枚の情報が把握できているということでございますが、この把握できている中での6月末時点での再発行率は約6割となっているということでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)約6割ということで、まだ4割の方はカード番号の変更がなされていないということで、なかなか呼びかけをしても、もう変えられない方、どうしても変えていただけない方も一定おられるのかなというふうには思いますが、こうした情報漏えいに関する問合せ業務などコールセンター機能をはじめ、当面は半年ぐらいをめどに委託期間の延長をしているところですが、現在の状況を踏まえて、今後、事業者との契約延長期間をどのようにされるのか伺います。 ◎知事(三日月大造) 委託先である株式会社JTB滋賀支店とは、1つはコールセンターによる問合せ対応、2つはカード再発行を勧奨するための経費の負担、3つ目はカードの再発行件数の調査および報告を主な業務内容といたしまして、9月30日までを契約期間とする変更契約を締結し、連携して事態の収拾に取り組んできております。  変更契約におきまして、契約終了後も被害者から問合せ等があった場合は対応することと規定していること、また、現在のところ、契約に基づく業務については履行されておりますことから、契約のとおり9月30日をもって終了してまいりたいと考えております。  なお、最終的にはコールセンターへの問合せやカードの再発行の状況等を総合的に見極め、判断をしてまいりたいと考えております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)9月30日までということで、ぜひ、それまでの間に、改めて、まだカード番号を変更されていない方々への啓発を再度しっかりとお願いをしておきたいというふうに思います。  今回の定例会議の補正予算において、県内の小売・サービス事業者の店舗で利用できる電子割引券の発行により県内消費を喚起し、地域経済の活性化を図る目的で、電子割引券発行による中小・小規模事業者応援事業というのが上げられています。この電子割引券発行による中小・小規模事業者応援事業について概要を伺います。 ◎知事(三日月大造) この事業は、長引くコロナ禍に加え、原油価格や物価高騰等により影響を受ける中小・小規模事業者を支援するため、県内の小売、サービス業の店舗で利用できる電子割引券を発行するものです。事前にデジタル商品券を購入して利用するここクーポンとは違いまして、この事業は電子割引券を配信する方式を採用いたしまして、割引券の利用により、物やサービスを安く購入できることで消費を喚起していきたいと考えております。  利用方法といたしましては、専用のSNSに登録された利用者に対して最大30%割引、例えば1万円の購入で3,000円の割引が可能な電子割引券を定期的に配信し、利用者は割引券を店頭で提示することで購入金額に応じた割引を受けられる形というものを想定しているところでございます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)今、御説明いただきました中で、ここクーポンと異なるといったことで御説明いただきましたが、電子割引券ということで、ここクーポンと同様、スマートフォンなどを利用しての運用になると思いますが、今回のシステムの安全性について伺います。 ◎知事(三日月大造) 先ほどもお答えしたとおり、この事業は事前に利用者がデジタル商品券を購入する方式ではないため、利用者はクレジットカード情報の登録が不要でございまして、加えて、その他の個人情報につきましても必要最小限の範囲で登録を予定しているところです。  一方、中小・小規模事業者につきましては振込口座等の情報が必要となりますが、割引券を配信するSNSとは異なるシステムで情報を個別に保有、管理することで、不正アクセスに対してもセキュリティーを高め、情報漏えいのリスクを最大限低減していきたいと考えております。  システムの構築、運用に当たりましては委託事業者にセキュリティー対策の徹底を求めるとともに、県としても対策の状況等、定期的に把握、確認をしてまいりたいと存じます。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)利用者の皆さんが御利用いただくシステムというのは、日頃、使っておられるSNSを中心に運用するということで、一定、システムの安全性は担保されていると。また、事業者さんに関しては、振込のための口座情報等、登録は必要ですけれど、これはまた別のシステムで運用されるということで、今回の電子割引券については、一定、安全性は担保されているということで確認をさせていただきましたが、やはり県民の皆さんにとっては、ここクーポンの情報漏えい事案が記憶に新しく、電子割引券に難色を示す方も多いのではないかというふうに思います。県民の皆さんに安心して御利用いただくための啓発等について伺います。 ◎知事(三日月大造) 県民の皆様に安心して御参加、御利用いただくためには、クレジットカード情報の登録が不要であることなど、この事業の仕組みを御理解いただき、その安全性を認知いただくことが必要と認識しております。県公式SNSやホームページなど様々な広報媒体を活用し、この事業の仕組みを丁寧に説明してまいりますほか、利用者向けコールセンターを設けまして、随時、利用者の疑問や不安を解消すべく、対応していきたいと考えております。  県民の皆様に安心して御利用いただける仕組みとしてしっかりお伝えすることで、多くの方にこの事業の御利用をいただき、県内の中小・小規模事業者のより一層の支援につなげてまいりたいと考えております。 ◆14番(田中松太郎議員) (登壇)今回のここクーポンの件で、やはり県のシステムは非常に危険であるというような、そういう印象が強く県民の方に持たれている部分もありますし、特にこの電子化ということに関して、さらに不安を抱いた方が増えてしまったような印象も受けております。ぜひ、今回の補正予算で提案いただくこのシステム、より多くの方に御利用いただきますとともに、加えて、マイナンバーカードの促進についても、これは以前に私も質問、取り上げさせていただきましたけども、こういったことも電子化ということでなかなか難色を示しておられる方がたくさんいらっしゃいますけれど、こちらも併せて県のほうでしっかりと啓発をしていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、14番田中松太郎議員の質問を終了いたします。  次に、13番杉本敏隆議員の発言を許します。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇、拍手)最初に、近江牛の処理、流通の諸問題に関わる県の対応について質問をいたします。  情報公開によって、昨年の11月2日から12月21日の約50日間の間に16回にわたって大野議員から知事、農水部長らに対して面談をされ、1つはJA全農しがと堀川食品との牛の副生物の処理に係る契約の解除の問題、もう1つは、食肉センターにおける、副生物を処理している副生物組合を排除する問題、この2つの問題がテーマとなっているように思います。  議員の政治倫理に関わる問題は審査会のほうで審査をされますので、今日、私はこの質問で、これらの問題に関わって県行政の対応が腑に落ちないというか、県民の厳粛な信託に基づいて行われるべき県の行政が原則を逸脱している、そういうふうに私は受け取りましたので、2つの問題について質問をしたいと思います。  まず1つ目は、JA全農しがの堀川食品との牛副生物取引に関わる契約の解除を県が要請した、このことについての今日までの事実経過の説明を農政水産部長に求めます。 ○議長(岩佐弘明) 13番杉本敏隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎農政水産部長(宇野良彦) (登壇)お答えいたします。  昨年11月9日、当部の当時の部長と理事等がJAグループ滋賀を訪問いたしまして、滋賀食肉センターでの副生物処理の適正化のため、滋賀食肉公社と滋賀県副生物協同組合との裁判の進捗状況に応じて、コンプライアンス上、問題のある事業者との取引関係を見直していただくよう協力を要請したところでございます。なお、その前日には、JAグループ滋賀からの求めに応じて作成いたしました面談趣旨を説明した資料とJAグループ滋賀に対する県の補助金一覧の資料をJAグループ滋賀にお届けをしているところでございます。その後、11月17日にJAグループ滋賀の役員が知事に面会に見えられ、県からの要請に対するJAグループ滋賀の受け止めについてお話をいただいたところでございます。さらに、令和4年1月11日と4月4日に、全国農業協同組合連合会および同滋賀県本部の代理人弁護士から知事宛てに、同連合会と同本部の食肉事業に関しまして議員からの問合せ等に関する照会がございまして、それぞれ2月1日と4月20日に農政水産部長名で回答文書を発出したところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)今日の時点で、2月1日と4月20日に全農のほうへ回答されたとあるんですけども、堀川食品と全農との取引の契約の解除の問題について、県はどういう回答をされているのか、お尋ねをいたします。農政水産部長にお願いします。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えをいたします。  個別の事業者との書面のやり取りですので、この場でつまびらかにお答えすることは差し控えさせていただきますけれど、今回の件に関する県の基本的なスタンスと文書作成の責任者等に関しましてお答えをしたところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)じゃ、今も県は全農と堀川食品との副生物取引に関わる契約について解除を求めているのかどうか、お尋ねします。農政水産部長にお願いします。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えをいたします。  食肉センターの運営に関しましては様々な課題がございますので、従来からセンターの在り方の見直しの中で、出荷者の大きな部分を占めておられます全農に対しても全体的な見直しをお願いしているという経過には変わりはございません。ただ、食肉センターにおきましては、食肉公社と副生物組合の訴訟関係が継続しておりますので、その進捗状況に応じて必要な見直しをお願いしたいということを引き続き申し上げているところでございます。(「答弁になってない、聞いてることに」) ○議長(岩佐弘明) 再度、丁寧に質問をしてあげてください。申し訳ないです。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)昨年の11月9日に要請されましたよね、あなたと西川部長が行って。その要請を今も全農に対して続けているのかどうか、答弁してください。 ◎農政水産部長(宇野良彦) 昨年の当時から、訴訟の進捗状況に応じて協力をお願いしますということを申し上げておりまして、そのスタンスは今も変わりはございません。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)昨年の11月9日にJAのほうへ部長と理事が、当時のですね、その問題を要請に行かれた。これについて知事はどのように関与されているのか。全て、知事の承認の下に行われたのかどうかお尋ねをいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)今お尋ねの、農政水産部長等がJAグループ滋賀に要請に行くことについては、事前に報告を受けておりましたので承知をしておりました。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)では、その際に、前日に主席参事からJAのほうに渡された要請の内容と、県がJAへの補助金の一覧表を渡されているんですけども、このことについても知事の了解の下に行われたのかどうかお尋ねします。知事にお願いします。 ◎知事(三日月大造) 農政水産部からは、先ほども部長が答弁しましたけど、滋賀食肉公社と滋賀県副生物協同組合との裁判の進捗状況に応じて取引関係を見直していただけるよう要請していく方針ということでしたので、そのように聞いておりました。  ただ、県の補助金一覧をJAグループ滋賀にお示ししたことを知ったのはその面談の後でございました。だから、そういうものを事前にお届けしていた、当日も持っていったということについては私は承知しておりませんでした。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)そこが非常に問題でね、県の補助金を示して民間同士の契約の解除を求めると。このことの是非、知事はどういうふうにお考えですか。 ◎知事(三日月大造) 県としては、補助金一覧を盾に取引関係の見直しを求めたものではないと考えておりますが、JAグループ滋賀との面談の際に補助金一覧表を渡したことについては、やはりそういったふうに受け取られる、また誤解を招くということもございまして、その点についてはJAグループ滋賀に対しておわびしたところでございます。  一方で、JA全農しがと事業者との間の契約等については、あくまでも民間同士の取引の問題でありまして、県として直接介入すべきものではないと認識しております。  現在、滋賀食肉センターにおける副生物処理業務をはじめセンター全体の在り方の見直しに取り組んでいるところでございまして、JA全農しがに対しても、センターの見直しに併せて、センターの適正な運営に御協力いただけるよう、引き続きお願いしてまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)要請に行くときに、JAに対してこれだけの補助金を出していますという一覧表を渡すということは、要請を受け入れなければ補助金を認めないということに素直につながるんじゃないですか。そういうことは、知事も知らなかったとおっしゃっていますけども、やることが県の行政の在り方として非常にまずい、やるべきでないというふうに私は思いますが、知事はどういうふうにお考えですか。 ◎知事(三日月大造) 私もやるべきではないと思います。と同時に、そういうものを盾に要請に行ったものではないと承知をしておりますし、当時、行った担当などもそのように、一定、申しておりますけれども、一緒に届ければそのように誤解を招くし、そのように受け取られるということも、これは十分承知しておかなければならない、承知して対応しなければならない事案であったというふうに思っておりますので、その点は、やはり県としての対応はまずかったと言わざるを得ないと存じます。  ただ、そういったものを結びつけたように対応すること自体も、別の目的で請求され、出した資料とはいえ、結果的に届けてしまったということについては、これから省みて、対応を改めていかなければならないと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)11月17日のJAとの面談の中で知事は、予算関係資料をつけて話に行ったのは圧力と取られても仕方がない、申し訳なく思う、やり方として率直に謝ると、率直に謝罪されています。私ね、県が補助金を出している団体って、JAだけでなしにいっぱいありますよね。その団体の契約の相手方がコンプライアンス違反をしたら、県は、それぞれの団体に対して補助金の一覧表を持っていって、そのコンプライアンス違反をした業者との契約を解除せよというふうな要請をするようなことはあってはならないし、そんなことをするはずありませんよね。ただ、こんなに常識外れなことをこの11月9日にやったということについては、単にJAに謝罪するだけでなしに、県民に対しても、県の行政の在り方として非常にまずかったということを率直に反省されるべきでないですか。そのことを示していただきたいと思います。 ○議長(岩佐弘明) 答弁者は。 ◆13番(杉本敏隆議員) 知事にお願いします。 ◎知事(三日月大造) まず、今おっしゃったことは事実として、結果、そのような誤解を招く要請の仕方、また、資料の出し方をしたことについては率直におわびを申し上げました。同時に、民間と民間の取引の関係のことに県が必要以上に介入するということについては、しっかりとわきまえて対応することも必要でございます。同時に、これは副生物処理の適正化をするために、訴訟中の案件でございますので、そういったことについても、一定、そういった時期や内容等についてしっかりと踏まえた対応を取るべきであったというふうに考えております。  ただ、同時に、コンプライアンスということを盾にしながら、それを目的としながら、どのような県の対応の仕方がいいのかということについては、その都度、悩みながらも、しかるべき対応を取っていかなければならない面もございますので、そういった対応の中で、結果、このような誤解を招く対応になってしまったということについては反省していかなければならないと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)時間の関係もありますので、一応、反省しているという表明をされたというふうに受け止めます。  もう1つの問題は、食肉センターにおける副生物処理・取引業務プロポーザル契約に関わる事実経過の説明を農政水産部長に求めます。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えいたします。  食肉センターにおけます牛を屠畜解体した後の内臓の処理業務につきましては、設置者の滋賀食肉公社と滋賀県副生物組合との当該業務に係る施設使用に関する契約に基づき、副生物組合がこれまで行ってまいりました。一方で、副生物組合は食肉公社に対しまして、多額の使用料等を長年にわたり滞納し、解消のめどが立っていない状況にございました。そうした中、令和元年9月に判明いたしました副生物組合の法令違反や幹部の不祥事などを踏まえまして、食肉公社におきましては、令和2年3月以降、副生物組合に対しまして体制の改善、新規契約の締結、債務の承認および返済計画の提出等の条件を提示して、その履行を求めて交渉、協議を進めてまいりました。しかしながら、公社が提示した条件が履行されなかったということのため、令和2年12月に食肉公社から副生物組合に対しまして契約の更新拒絶等の通知を行った上で、公募型プロポーザルによる事業者選定、契約締結交渉を進めてきたところでございます。その後、令和3年2月、副生物組合から訴訟の提起があったところでございます。  こういった状況から、食肉公社におきましては令和3年3月に、業務の継続と、混乱を回避するために、選定事業者との契約締結に向けた協議を一旦中断いたしまして、当面、副生物組合による副生物処理、取引業務を継続させることとしたところでございます。  なお、食肉公社におきましては、副生物組合の提起した訴訟に応訴することで、司法の場で副生物処理、取引の実態を明らかにして副生物処理業務の適正化を図るとともに、令和3年4月、長期未払金について速やかに全額支払うよう訴訟を提起されたところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)施設使用料の未払いについての金額は副生物組合よりも食肉市場のほうが2倍以上多いと。副生物組合だけ支払いをすぐ求める訴訟を起こすというところには1つ問題があるのではないかということだけ指摘しておきたいと思います。  そこで、副生物組合との契約を解除して、プロポーザルで新たな副生物の処理の業者を決めるというふうにされたわけですけども、それをされる前に、実際に公募で選定された兵庫県のS社に対して、2020年の10月22日と、それから2020年の12月3日に、当時の理事や主席参事が訪問をされ、面談をして情報交換を行っていると。12月21日に公募のプロポーザルを報告して、26日、年末押し迫ったときにプロポーザルに関する説明会をやって、21年の1月27日に公募で企画提案書等を提出したのはS社1社だけだった。  この問題に関して、県会議員のところとか、官製談合ではないかという、いわゆる怪文書と言われているものが送られてきています。私のところへも来ていますけども。あまりにも、県が行う公募に対して、初めにS社ありきで物事が短期間に進められていると。こういうふうなやり方を県の行政がやっていいのかどうかということが非常に問題なんだと思うんですけど、その面談に行かれている宇野部長はこのことをどのように考えておられるのか、答弁を求めます。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えいたします。  先ほど申しました、副生物処理に関する様々な経過がございましたことから、実際、業務をしておられます副生物組合に対していろんな条件を示して改善を求めたところですが、それが履行されなかったということで、やむなく事業者を交代すべく、公募型プロポーザルの手続を進めたところでございます。  この業務に関しましては県内にほかに代替事業者がございませんでしたことから、近隣の京都、兵庫で新しく屠場を運営されている法人に、調査を兼ねて状況を取材に行って、仕様書を作成する準備をしたところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)副生物組合を外して代わりの業者を選定するのに、行かれたのが京都市場と兵庫県のS社と。それ以外にどこか行ってるんですか。部長にお尋ねします。
    ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えします。  先ほども申しましたとおり、近隣で適切な市場を選定して、2社のみ調査に行きました。(「ほかは行ってないの」) ○議長(岩佐弘明) 2社のみということです。(「ほかは行ってないということやね」) ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)S社との面談の概要については、私も情報公開からの資料で見ましたけども、かなり突っ込んで、その販売価格をどうするかとかいうふうな、プロポーザルやる前にS社と親密に協議をされていると。こういうやり方というのは公平公正でないし、県行政の在り方としてはふさわしくないということを指摘しておきたいと思います。  そこで、今、食肉センターにおいて、副生物組合と公社が争訟状態になっていると。それから、プロポーザルで決定したS社と契約締結ができないと。これ、いずれも滋賀県が関わる施設において非常に異例なことが起こっているというふうに私は思うんですけど、こういうことに対して知事はどのように把握をされているのか、思っておられるのか、答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 私自身も随時、状況、情報等、報告を受けながら、把握しながら、対応を検討し、共有をさせていただいております。その意味で、異例で異様な状況にあるという、こういう認識は有しております。  現在、滋賀食肉公社と滋賀県副生物協同組合が裁判を行っているところです。滋賀食肉センターにおける屠畜と食肉の取引を止めないという観点から、引き続き、副生物組合が副生物処理業務を行っていただいていること、これはやむを得ないものと考えております。  県といたしましては、できるだけ早期に、この食肉センターにおいて副生物の公平かつ公正な取引を含めて適正な運営が行われることが必要だと認識しておりまして、その実現に向けて、関係者の御理解を得ながら取り組んでまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)非常に異例な異様なことがセンターで起こっていると。これについては、やっぱりしっかりと関係者との協議、それから地元の業者の育成、こういうことも非常に大事でありますし、やっぱり知事もリーダーシップを発揮して、しっかりとこれ、合理的に解決していくという努力が必要だと思います。  そこで、副生物処理に、センターへS社を入れるということに対して、近江八幡市の市長とか東近江の市長が、県外の大手業者が参入すれば近江牛のブランドはどうなるのかと非常に心配をされておられます。これまで、近江八幡に統合してから15年になりますけども、滋賀の近江牛のブランドを守り発展させていく、とりわけ地元の畜産業を発展させていくためには、やっぱりどうしても地元の業者、農業者、関係者の協力を仰ぐ必要があるというふうに思うんですけども、単に公社の経営や、やり方だけを念頭にして、経営的にうまくいけば県外大手業者を入れてもいいというふうな考えでは、地元近江牛の振興にはならないというふうに私は思うんですけども、知事はこの点についてどのようにお考えですか。 ◎知事(三日月大造) 令和2年度に実施した、先ほどもお尋ねいただいた副生物処理事業者の公募に当たって、県外事業者が選定されたことで、滋賀食肉センターの関係者の中には、議員と同様、地元の畜産業の振興への影響について懸念するお声があったことも私は承知をしております。  ただ、一方で、議員も御案内のとおり、この分野、県内の事業者だけでやろうとすると、いろんな関係が難しく絡み合っていて、例えば公平、公正、適正な運営や取引ができないというような面もあるのではないでしょうか。したがって、こういったことなどを総合的に勘案しながら、滋賀県が誇る特産物をしっかりと契約する、また屠畜をしていける環境をつくっていかなければならないということのために、こういった事業者の選定等にも対応してきたところでございまして、ぜひ、現在進めております食肉センターの在り方検討の中でも、この誇るべき産物、また、畜産業のさらなる振興につながるよう全力を注いでまいりたい、そのための検討を行っていきたいと考えているところです。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)今取り上げた2つの問題の出発点になっているのは、堀川食品の代表が2019年の9月25日に恐喝未遂で逮捕、そしてその後、起訴される、ここから堀川食品がコンプライアンス違反の事業者だということでやられて、そこから、このプロポーザルであるとか、あるいはJA全農しがは堀川食品との取引をやめさせろという話が出てきているんですよね。先ほど部長もこのコンプライアンス違反の問題を取り上げられました。  このことでこの問題についてちょっと指摘をしておきたいのは、私は今日、警察本部長には通告を出してないんで聞けませんけども、また後ほど聞きたいと思うんですけど、恐喝未遂で逮捕起訴されて、その後、脅迫罪に裁判の中で変更されて、そして、2年4か月後の今年の1月に無罪になったんですよ、裁判で。1月の下旬に無罪が確定しました。ということは、この堀川食品の代表が逮捕起訴されたコンプライアンス違反については裁判所が無罪だということを決定したんですよ。これでも、今でもコンプライアンス違反の業者だというふうに言えるかどうかという点があると思います。  それからもう1つ、その年、2019年の10月に同じ堀川食品の代表が詐欺罪でも逮捕起訴されています。この詐欺罪というのは長浜市における改良住宅の不正入居。これは、2010年に長浜市が1市6町と合併したときに、旧虎姫町における改良住宅の不正入居の問題が山ほどあった、山積しておりました。当時、私も市会議員をしておりまして、議会でも取り上げました。  その中で、借主とは違う人が入居していたり、それだけでなしに、二戸一の住宅、2つとも許可なく占用していたり、あるいは旧虎姫町の元幹部が、自分が借りている改良住宅を派遣労働者に貸し出して賃貸料を取っていたと。しかもそのとき、派遣労働者の雇用不安に対して国からの家賃補助が出ていまして、その補助された家賃まで、その改良住宅を持っていた旧虎姫町の幹部が懐に入れていたと。とんでもないことがいっぱい行われていました。しかし、この旧虎姫町における改良住宅の問題、詐欺罪で起訴されたのは1件もないんですよ。それが、この2019年9月の堀川眞智子氏の逮捕以降、10月16日になって初めて出てきたと。もう10年以上前からこれだけ問題になっていて、1回も詐欺罪で立件されていない。そのことをこの時期に出してきている。私は、推測でしか物は言えませんけども、堀川食品がコンプライアンス違反の業者だということを、レッテル貼りというか、そういうふうに広げるために、これ、作為的なものを感じます。結局、もともとの発端になった恐喝未遂が無罪になったと。恐喝された人にも会ってお話を聞いてきました。実際にどういう状況だったかというと、電話で堀川代表がその人を脅したと。かなりきつい言葉を言ったらしいですけども、電話による脅迫だったんですよ。ところが、9月25日ですか、逮捕するときには、県警の機動隊数名がジュラルミンケースを持って物々しく住宅を取り囲んで逮捕したという異例な状況だったいうことをその被害者が告白をされていました。  まさに今問題になっている、もともとの発端になったコンプライアンス違反の事象については、やっぱりもう一度、根本に立ち返ってしっかりと検証する必要があると。実際、堀川眞智子氏は先日死亡されましたが、その娘さんが国を相手取って損害賠償の裁判を起こされたというふうに聞いております。私は堀川食品や副生物組合を擁護するものではありませんけれども、やっぱり公正な立場から、どこに問題があったのかということを、今、原点に立ち返ってもう1回見直す必要があるということを指摘しておきたいと思います。  今後のJAの問題あるいは副生物処理のプロポーザルの問題についても、この原点については、もう一度、県としてもしっかりと検証する必要があるということを指摘しておきたいと思います。  最後に、この問題に関わって議員や圧力的な県民からのパワハラがあったときに、県の行政はどういうふうな対策、対応をするというマニュアルを持っているのか、どういう対策をするのか、このことについて知事にお尋ねしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 職員が職員以外の者からパワーハラスメントも含めた不当要求等を受けた場合の対応といたしまして、県では職務に関する働きかけについての対応要領を定めるとともに、不当要求行為等対策相談窓口を設け、警察をはじめとした関係機関とも連携した情報の共有化を図り、組織として適正な業務執行に努めているところでございます。  ハラスメントは職員の人権や働く権利を侵害するだけでなく、公平公正な職務遂行をゆがめる、これは許せない、許されない行為であるという認識の下、職員に対するハラスメントがあった場合は、引き続き、組織として毅然とした厳然たる対応を取ってまいりたいと考えているところです。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)昨年の11月2日から12月1日までの間に畜産課の主席参事は11回、それから今の部長、当時の理事は10回、面談に行って、いろんな暴言を受けていると。それでも足しげく通って、言うことを聞いていると。こういう状況が続いているということについては、やっぱり知事としても、どこかでけじめをつける、暴言を吐かれたらそれにはもう応対しない、そのぐらいの強い対応が必要だと思います。  かつて、私の小学校から高校までの同級生で、県職員にいて、40年以上前になりますけども、土木事務所にいて、河川の汚濁の問題で業者から圧力を受けて自殺をしました。そのときに関係者に話を聞いたら、本人任せにしておいて、組織として何の対応もしていなかったということで、貴い命が失われたという苦い経験もあります。  私は、職員が安心して県民のために働ける、そういう日常的な保障をしっかりつくる、議員や圧力的な県民のパワハラに対しては毅然と対応し、それにしっかりと対応できる部署もつくって、職員の働きをしっかり守るという強力な対策が、今、滋賀県には求められていると思いますが、知事の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 議員の御指摘はしっかりと受け止めたいと思います。公正かつ公平な職務を遂行するというのはもちろんのことでございますし、そういうものがゆがめられているのではないか、また、それに対応する職員が厳しい対応を繰り返し執拗に求められ、ハラスメントと言われるような対応に苦しんでいるのではないかという状況は、これは看過できるものではございませんので、個人、本人に委ねるだけではなくて、組織としてしっかりと対応すること、これは、これまでのことも教訓としながら対応を作ってまいりたいと考えております。  また、一方で、県民の皆様から同様に負託を受けられる議員各位からの様々な要望等に何とか対応していこうという職員の、ある意味では真面目な対応等もあるのだと思います。その辺の線引き、この辺りを議会、議員各位ともしっかりと共有しながら、どういうルールをつくり、どういう対応をしていかなければならないのかという、こういったコンセンサスを両者で得ていくということも必要なのかもしれません。そういったためのルールづくりも含めて、また議会の皆様方とも真摯に議論をしてまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)しっかりとした対応が、今、求められているというふうに私は強く思いますので、よろしくお願いします。  次に、南高北低の問題について、全て知事に質問いたします。  代表質問でも北部振興についての質問がありました。この後も、北部地域の問題について何人の方かが取り上げられると思うんですけども、この南高北低という問題について知事はどのように認識されているのか、お尋ねをいたします。 ◎知事(三日月大造) その言葉で尋ねられることが多いんですけど、私はその4文字の漢字というのはあまり使いませんというか、好んでおりません。  まず、県北部地域は美しい風景や産物、生態系を享受できる豊かな自然環境、また、様々な歴史資源、文化遺産を有しているということとともに、交通の要所でもありますことから、地方創生に向けて高い可能性を有した地域であると認識しております。一方で、県北部地域は、若い世代の転入等により人口増加が続く県南部地域とは異なって、本県において過疎地域を最も多く抱え、人口減少や高齢化に伴う課題が顕著に現れている地域であると認識しているところであります。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)過疎化とか、そういう問題も含めて、いろんな県の施策とかそういうのが北に低く、南に高いという状況があると思うんですけども、この北部地域の振興の質問の中ではなかったんですけど、なぜ北部地域が衰退をしているのか、その原因についてどのようにお考えか、お尋ねをいたします。 ◎知事(三日月大造) 将来にわたって安定した人口構造を持つとか、地域社会の活力が維持されるということのためには、若い世代、とりわけ子育て世代が安心して就労し、希望どおり結婚したり、妊娠、出産、子育てをすることができる社会環境が整うということが重要だと考えます。しかしながら、北部地域の人口移動の状況を見ますと、10歳から14歳が15歳から19歳になるとき、または15歳から19歳が20歳から24歳になるときに大幅な転出超過が生じているという、こういう状況がございます。その背景には、進学や就職の際、北部地域から通える大学や企業が少ないことでありますとか、希望する業種や職種の選択肢が少ないといった要因もあるのではないかと考えているところです。  若い世代の転出超過はその後の出生数減少につながります。それがさらなる人口減少を招き、やがて集落の維持や活性化にも影響を及ぼすなど、負のスパイラルを生じさせているものと考えているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)ちょっとやっぱり本質に触れる必要があると思うんですけど、働く場所がない、通える企業や大学が近くにないというお話があったんですけど、私は、一番の原因は、農業、林業、水産業、この地場産業で飯が食えなくなっている、だから、地元で生活できないから、大学へ行き、そして、都会で働くようになる、地元には戻ってこない、ここに一番大きな問題があると思うんですよ。第1次産業が大幅に衰退している。だから、これまで営々と地域を守ってきたそういう産業に従事できないから、それが一番の原因になっていると。  それから、最近では、何回も取り上げていますけど、普通科高校の全県一区制になって、高島や長浜市から成績上位の生徒が多数、南部へ流出してしまっていると。これが地元の活力の低下に非常に大きな原因になっている。  それから、最近の問題では、やっぱり市町村合併によって、長浜市の場合だと1市8町あったんですよね、それが一つの市になる。高島市の場合にも、何町かあったのに一つの市になってしまった。役場がなくなるということはその地域の経済波及とか効果とか雇用とか、こういうことにも非常に大きな影響をもたらした。結局、平成の大合併が北部地域の過疎化に拍車をかけたと、こういう問題もあると思うんです。  だから、今後、北部の振興を考える場合には、そういう原因に対してどういう手当てをするのかということを考えなければ振興はできないというふうに私は思うんですけども、知事、どうでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 今、議員が指摘された第1次産業の衰退でありますとか、高校選択全県一区制の問題、さらには市町村合併の問題、こういったものが地域の過疎化に拍車をかけてしまっているのではないかとの議員の御指摘は私も一部共有したいと思います。  ただ、一方で、それぞれこういう観点もあるのではないかという観点を持っていますが、それはちょっとここでは言及を控えるといたしましても、いずれにしても、こういった要因にも目を向けて、同時に、県として、例えば広域自治体として、基礎自治体と連携しながらどういった対応、対策を取っていくことが重要なのか、人口減少や過疎化を食い止めて、冒頭申し上げた、様々な魅力や可能性を伸ばしていくために、さらにどういう対策、手が打っていけるのか、こういったことを考えていくことが肝要ではないかと考えているところです。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)今、3期目を迎えられまして、後ればせながら御当選おめでとうございます。  この8年間、知事に就任されてから、県北部への数十億円規模の文化スポーツ施設の整備の投資はありますか。 ◎知事(三日月大造) これはいろんな見解の相違はあるのかもしれませんけど、私の就任した平成26年以降では、現在、彦根市で整備を進めております(仮称)彦根総合スポーツ公園以外は、今おっしゃった、数十億円規模の文化スポーツ施設の整備の投資というものはございません。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)ないんですよね。  県土の均衡ある発展というのは大事だと思うんですけど、これを日常的に検討する部署というのは県にあるんですか。 ◎知事(三日月大造) 答えとしては、全庁一丸で取り組んでいるということが答えでございます。例えば人口減少の緩和や、人口減少に対応した社会づくりに向けた基本政策を定めた、人口減少を見据えた未来へと幸せが続く滋賀総合戦略は総合企画部が所管しておりますし、過疎地域の持続発展を図る指針である滋賀県過疎地域持続的発展方針は総務部が所管させていただいております。こういった方針、戦略に基づいて、全庁一丸となって取組を進めているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)全庁一丸と言われますけども、それぞれの部署は、その施設をつくる場合に、どこがいいか、何がいいか、最善のものを造りたいということで努力されているわけですよ。  例えば草津市にプールが決定したときに、その要因の中に、人口集中地域だから利用客が多く見込まれるというふうなことも挙げてありました。結局、それぞれの部署はそれぞれいいところで造りたいというのがあるから、全県的に見回して、そういう整備の配置といいますか、そういうのを見ることができないと。  私、県会議員になって初めての質問のときにこの南高北低の問題を取り上げて、奥びわスポーツの森のプールの廃止の問題を取り上げました。そのときに知事は、今後の施設の配置とか運営についても意を用いてまいりたいと。全県的な視野での配慮をしたいみたいな答弁をされているんですけど、やっぱり知事が全県を見回して、公平なる投資というか、県土の均衡ある発展への投資というのをやる必要があると思うんですけど、いかがですか。 ◎知事(三日月大造) 知事が全県を見渡して、様々な投資の判断を責任を持って行っていくということが必要ではないかと、そういったことに意を用いることが重要ではないかということは私も同じ考えであります。  ただ、それぞれの持つ施設の特性なども踏まえて、どういった方々にどれぐらい利用していただけるのか、その持続性だとか発展可能性というものも同時に考え合わせていくこととなりますので、そういったことなどを総合的に勘案して判断していくということだと思います。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)この問題の最後に、高専の立地選定についてお伺いします。  高専については、節木議員が立ち止まって考えよみたいな一般質問をされると思うんですけど、この立地の問題について、今、米原市や長浜市が要望されています。  先日、長浜市長と面談した際には、岐阜や大垣、あるいは敦賀との連携強化を図って長浜市の経済的な振興を図っていきたいというふうにおっしゃっておられました。だから、この立地の選定に当たっても、そういう北部の振興を言うのなら、そこの自治体の市長の意見にも耳を傾けて取り組まれるべきだと思いますが、知事の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 高専──高等専門学校の立地につきましては、充実した5年間の学びができる立地を公平、公正に選定するため、あらかじめ本年5月に用地選定基準をお示ししたところでございます。この基準では、安全で豊かな教育環境、県内外からの良好なアクセス、大学や企業等との連携、交流といった基本的な考え方により用地を選定することとしており、現在、これに基づき選定作業を進めているところでございます。したがって、北部振興という観点から立地を選定するものではございませんが、どこに立地した場合でありましても、雇用の確保や次世代のものづくり人材の育成といった効果が県内全域に行き渡るよう、経済界や市町と連携して取り組むことが重要だと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)最後に、アユおよび水産試験場について質問をいたします。今シーズンのアユの生育状況について、農政水産部長にお尋ねをいたします。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えいたします。  今期のアユの生育につきましては、昨年秋には平年の約2倍の産卵量が認められましたが、これは、春先まで餌となる動物プランクトンが少なく、この間の成長が遅れていたためと分析をいたしております。なお、4月以降は動物プランクトンが増えたことで成長が早まり、6月には平年並みの大きさにまで回復したと報告を受けております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)漁獲状況はどうですか。農政水産部長にお願いします。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えいたします。  まず、エリ漁では、解禁当初の昨年12月には、成長の遅れから、産卵量が多かった割には漁獲量は少ない状況でございました。その後、シーズンを通して見ると例年並みに推移しております。春から川へ遡上するアユを取りますやなでは、遡上時期の遅れや少雨による渇水により5月まで不漁でございましたが、6月には例年並みに回復をしております。初夏から本格的な操業が始まっております刺し網漁では、天候不順のため例年より出漁日数が少ないものの、操業当たりの漁獲量は例年並みと報告を受けております。6月と7月が漁期のアユ沖すくい網漁では好調との情報をいただいているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)知事の代表質問での答弁の中で、春先までは不漁だったけども、その後回復した、よかったみたいな答弁があったんですけど、アユというのは、12月に取れた早期のアユは主に養殖用に出荷されるんですよ。その後の1月以降の活アユは主に放流用に使われると。それから、鮮魚はつくだ煮用にその時々に使われると。彦根の一番の大手の水産会社は春先のアユをしっかり炊いて全国に出荷されておられます。  だから、1年を通して回復してきたからいいんだということではなしに、その時期時期にしっかりと取れなければ需要を賄うことはできないという問題があるということを指摘しておきたいと思います。  そこで、アユの生育状況が非常に悪かったということが今年の前半の不漁につながっているということなんですけど、数年前に、10月に産卵が遅れて、大量に産卵したために生育が悪くて極端な不漁に陥った。今シーズンの場合には9月の早期に産卵が大量にあったんですよ。だから、早く大きくなるはずなのに生育がうまくいかなかったと。本年5月の魚探調査では小群換算値で226群です。これ、昔から比べると非常に少ない。1987年5月、1,295群あったんですよ。それでもアユは正常に生育して漁獲をされていたと。だから、アユの生育状況が以前と変わっている。この原因について農政水産部長にお尋ねをいたします。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えいたします。  御指摘のとおり、平成19年より前は、アユ資源が少ない年には春先までの成長量が大きく、逆に資源が多い年には成長量が小さくなる関係がございました。しかし、平成19年以降は、それまでとは異なりまして、アユ資源が少ないにもかかわらず成長量が小さくなる傾向にございまして、これは餌となる動物プランクトンが減少傾向にあることと関係している可能性がございます。こういったことから、アユの資源量や成長の変動と餌との関係を詳しく調査をしているところでございまして、アユの成長に適した環境を明らかにできるよう、研究を引き続き進めてまいります。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)12月のアユの早期は養殖用に使われるんですけど、今シーズンも極端に注文が減りました。それから、河川放流用のアユの需要も減っています。これらに対してどう流通を広げていくのか、対策を農政水産部長にお尋ねします。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えいたします。  琵琶湖産種苗を育てた養殖アユにつきましては、皮が軟らかくて食味に優れますことから、関係団体と連携して、この魅力をPRいたしまして普及を図ってまいりたいと考えております。  河川放流用のアユにつきましては、友釣りでよく釣れるという湖産アユの適性を漁場で発揮できるよう、健全な種苗の出荷を指導するとともに、遊漁者を増やす取組にも力を入れてまいります。  鮮魚や加工品原料としての流通を拡大するため、学校給食での活用を支援するなど県内消費を高めますとともに、首都圏をはじめとする県外への新たな販路拡大にも取り組んでまいることといたしております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)琵琶湖漁業の振興のためには、最も主力であるこのアユをしっかりと生育できるような状況をつくっていくというための調査や対策が必要だと。  そこで、水産試験場の、やっぱり予算と体制をもっと抜本的に強化する必要があると思うんですけども、知事の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) この水産試験場は、国の補助金や交付金も活用いたしまして、琵琶湖漁業の課題解決に向けた研究に取り組んでおります。また、現場の声を速やかに技術開発につなげられるよう、昨年度、水産技術相談窓口を開設したところでございます。限られた予算と人員で効率的に成果を出せるよう、引き続き、他の試験研究機関や大学等との連携を密にし、求められる試験研究に取り組んでまいりたいと存じます。  また、研究の基盤となる施設につきましては、県有施設更新・改修方針において更新の対象といたしまして、令和7年度までの事業着手に向けて課題整理や事業方針等の検討を行うこととしております。施設の更新に当たりましては、もうかる漁業につながる試験研究ができるよう、より機能的な施設整備を目指してまいりたいと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)以前の答弁で、水産試験場の改築の問題については2023年に基本計画を策定するという答弁をされているんですけど、今のとはちょっと違うんですが、いかがですか。 ◎知事(三日月大造) 先ほど申し上げたとおり、令和7年度までに事業着手をするために、来年度以降、検討を行っていくというふうに言っておりますので、議員、よろしければ。特に御異論ないですよね。しっかり進めていければと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)すぐ終わりますので止めないでください。  もともとは2019年から着手する予定が、数年遅れているんですよ、国体の影響とかで。だから、しっかりと前へ進めていただきたいと要望して、質問を終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、13番杉本敏隆議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後0時26分 休憩    ────────────────   午後1時30分 開議 ○議長(岩佐弘明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、6番重田剛議員の発言を許します。 ◆6番(重田剛議員) (登壇、拍手)それでは、まず初めに琵琶湖の漁業について伺います。  つい先日、7月19日、これ、私の誕生日なんですけど、どうでもよろしいですか、森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システムが国連食糧農業機関──FAOによって世界農業遺産に認定されました。同日には、琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業推進協議会の関係者であります県漁連やJA滋賀中央会、魚のゆりかご水田などの関係者の皆様がお集まりの中、三日月知事から認定の御報告があったところです。  このたびの認定は、こうした関係者の皆様の長きにわたる環境や水産資源に優しいお取組の一つ一つが大きなつながりとなって、琵琶湖環境を取り巻くシステムとして世界が認める価値をつくり出された結果だと、私も県民の一人として大変うれしく、誇りに感じております。認定、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げますとともに、深く敬意を表するものでございます。  水田では、農薬や化学肥料の使用を極力少なくする環境こだわり農業の取組や、ヨシ刈りやヨシ焼きなどが適切になされることで、生物に優しい生育環境や水質保全につながっています。  このような漁業と農業のつながりの恩恵を受けて、多くの生物や農産物の多様性を育んでいるのだと思います。私たちは、えてして農業、漁業を全く別のものと捉えてしまいがちですが、それぞれのつながりの中になりわいがあり、人々の営みがあることを改めて認識する必要があると感じております。  さて、今回、私はこのつながりの中で漁業の部分にスポットを当てて質問させていただきます。  琵琶湖には世界的にも非常に珍しい、淡水湖で人々が暮らす島、沖島がございます。ここは県内でも有数の漁業が盛んな地域で、かつて平成8年頃は138人の方が漁業に従事され、年間約600トンもの水揚げを誇っていた島です。しかし、近年、令和2年では漁業者は75人、水揚げ高は約280トンまで減少し、その多くは高齢者であります。こうした高齢化の現象は他の漁業者についても似たような状況にあるのではないでしょうか。私が心配しますのは、そう遠くない時期に一気に琵琶湖の漁業が衰退してしまうのではないかということです。せっかく世界農業遺産に認定されたのですから、この遺産を後世まで引き継ぐのが私たちの使命ではないでしょうか。  1つ明るい話題を御紹介しますと、最近、この沖島に若い方が漁業をしたいと移り住んでこられたという本当にうれしい出来事がございました。こうした動きがどんどんと加速して、漁業の後継者がしっかり育っていくことが非常に大事だと思います。しかし、こうしたことは当事者任せでは大きな動きにはならないと感じます。  そこで、お伺いします。県としては、現在の漁業者の状況についてどのような課題があると認識されておられるのか、農政水産部長に伺います。 ○議長(岩佐弘明) 6番重田剛議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎農政水産部長(宇野良彦) (登壇)お答えいたします。  琵琶湖の漁業者、いわゆる漁業経営体の数でございますが、かつては1,700余でございましたが、2018年の漁業センサスによりますと440まで減少しておりまして、このうち漁業を主とするものは約250となってございます。また、漁業従事者の年齢構成を見ますと、65歳以上が6割を超えるなど高齢化が進行しており、次代を担う漁業後継者の確保、育成が喫緊の課題となっております。  加えまして、漁業協同組合につきましても、多くの組合では、組合員数の減少や高齢化に伴い、経営が非常に厳しくなっており、漁業者を支える体制が脆弱であることも大きな課題と認識をしております。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)申し遅れました。今議会から6番に引っ越しをしまして、御近所の皆さん、よろしくお願い申し上げます。
     かつて1,700余あったのが、今、440で、漁業専属というと250ということでございますので、沖島より、全体的に見るとすごく減っているということですよね。その課題に対してどのような対策を講じていかれるのか、農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えいたします。  漁業者を確保するためには、経済活動としての漁業の競争力を高めて琵琶湖漁業を魅力ある産業としていく必要がございます。2030年をめどに、漁業者1人当たりの水揚げ高が1,000万円となるような、もうかる漁業の実現を目指して施策を進めているところでございます。  具体的には、漁業組織の再編や担い手、流通の充実に向けた取組への支援を行いますとともに、熟練した漁業者の漁労技術のマニュアル化等による操業技術の向上、効率化を進め、新たに開発いたしました漁獲報告アプリ、湖レコと申しておりますが、これを活用して琵琶湖の生産力を最大限活用する資源管理を推進してまいります。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)競争力を高めていくという中では付加価値を高めていく必要があると私は考えますが、水産物のブランド化について農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えいたします。  御指摘のとおり、湖魚の付加価値向上に向けまして、引き続き、琵琶湖八珍ブランドを活用いたしまして、唯一無二である琵琶湖の恵みの魅力を取扱店舗の情報とともに発信することで湖魚のブランド化と消費拡大を図ってまいります。  加えまして、先ほど御質問にもございましたように、世界農業遺産に認定されました琵琶湖漁業、現地調査でも、高島市でえりを見ていただいて、沖島に上陸をしていただいて、島民の皆さんの生活と併せて漁業の実態を見ていただきました。委員の皆様方にも非常に印象的な漁業だというふうに思っていただいたと思います。こういった琵琶湖漁業が世界農業遺産に認定されたことを絶好の契機といたしまして、世界に認められた滋賀ならではの湖魚のブランド力をさらに強化して、一層、付加価値を高める取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)かつてからございます近江八景とか、それから、琵琶湖国定公園に認定されたときに同時に発表された琵琶湖八景とか、これは結構、県民の皆さんも御存じやと思うんですけど、先ほど申された琵琶湖八珍はなかなか知られてないんじゃないかなと思うんですね。  ちなみに、部長、琵琶湖八珍、教えてください。 ◎農政水産部長(宇野良彦) すみません、8つ全部、正確に言えるか分かりませんけれど、アユ、ニゴロブナ、イサザ、ビワマス、すみません、次が出てきませんが、シジミは入っておりませんでした。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)ね、なかなかこれ言えないですよね、正確にはね。ちょっと意地悪いですね、ビワマス、ニゴロブナ、ホンモロコ、イサザ、ゴリ、コアユ、スジエビ、ハスの8つなんですよね。やっぱり琵琶湖八珍、おっしゃいますけど、もうちょっとPRせんと駄目かなと思います。  海の魚は世界中で取れますが、琵琶湖の魚は琵琶湖でしか取れない。特に固有種は世界で琵琶湖にしか生息しない。これらの魚は大変貴重で、もっとよい値段で取引されても私は全然おかしくないと思いますので、もっと県のほうでPR、広報、宣伝に力を入れていただきたいと思います。  湖魚などの販路拡大について農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えをいたします。  まず、県内に向けましては、私も言えなくて大変失礼いたしましたけれど、琵琶湖八珍ブランドを活用した取組や代表的な湖魚を子供たちに食べて知ってもらう、そのような学校給食の取組などを進めているところでございます。加えまして、首都圏や関西圏でのメニューフェアの開催や「ここ滋賀」の活用などによる県外への湖魚の魅力発信を行いますとともに、漁業組織が流通事業者と連携して行う新たな販路流通の確立に向けた取組に対して支援を行っているところでございます。こういった県内外での消費拡大や流通促進の取組の効果が相まって漁業者の収益性を高めて、もうかる琵琶湖漁業につながるよう、引き続き取り組んでまいります。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)先ほど2つ目の質問の答弁の中で漁業者の所得1,000万というお話が出ましたけど、私、沖島は地元でございますので、漁師さんとよくお出会いしてお話しする機会があるんですけど、沖島の漁師さんと話しておりますと、「私たちは子供の頃からお父さんの船に乗って魚を捕まえております。魚を捕ることにかけてはプロですから幾らでも捕ることは可能や。魚をたくさん捕っても買ってくれる人がおらんと意味がないねん。年収1,000万と言うならもっと魚が売れるように考えてくれんと」と漁師さんはおっしゃいます。やっぱり魚の需要が増えるようにも、また県のほうでもよろしくお願いしたい思います。  新たに漁業をされる方への支援について農政水産部長に伺います。 ◎農政水産部長(宇野良彦) お答えをいたします。  新たに漁業を目指される方に対しましては、平成28年から県の委託により滋賀県漁業協同組合連合会が滋賀の漁業技術研修センターを設置されまして、相談窓口や研修の機会を提供いただいております。この取組を通じまして、令和3年度末までに15名の方が新たに就業されたところでございます。また、就業に必要な漁船や漁具等の資材調達につきましては、県の低利の水産制度資金の利用を御案内さしあげ、相談もお受けをしております。  加えまして、就業後の支援策として、琵琶湖の先輩漁業者とつながって、市場ニーズなどを肌で学んで経営能力を高めていただく、そういった機会を創出する事業を展開しているところでございます。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)制度があるということらしいんですけど、農業に対しましては非常に手厚い支援がございますが、漁業はちょっと少ないと思うんですよね。  農業で調べますと、例えば新規就農者確保事業で、新たに農業を始めるために研修期間中の生活費を確保したいといいますと、年間最大150万円の交付を受けられたりとか、49歳以下の方が対象ですけど、新規就農者確保事業があったり、それから、農業経営の発展、改善のために、金融機関からの融資を活用して農業用機械などを導入したいときには、産地競争力の強化対策事業で、法人で最大1,500万、個人で1,000万という、農業に関しては国の支援で金額の大きいのがあるんですけど、漁業に関してはなかなか、少額なものしかないようでございまして、独立して親方になって漁業を始めようとしますと、先ほどおっしゃってくださったように船舶、船が必要であったり、網などの漁具、最低、要りますよね。それだけでも相当な初期投資が必要であります。もうかることが分かっていれば思い切った投資もできますが、不安定な状態での投資は二の足を踏まざるを得ないと思いますので、ここはしっかりと県から国に働きかけていただきたいと思いますし、また、知事、県の補助もぜひ検討してみていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、観光産業との関わりや、今注目されているゼロカーボンとの連携なども重要になると考えますが、知事の所見と今後の取組への決意を伺います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)私も先日、沖島に参りまして、ふなずしを漬けさせていただきました。改めて琵琶湖の産物に思いを致したところでございます。  シジミ漁やえり漁など、琵琶湖を五感で楽しむ漁業体験の取組が広がりつつございまして、こういった観光面での取組をさらに進めていくとともに、世界農業遺産の魅力を体感できるようなツアーの企画も応援したいと思います。また、CO2ネットゼロ社会の実現に向けて、漁船の航行速度の低減によりCO2の排出を抑制する取組や、ICTを活用した漁獲の効率化に向けた試験研究などに取り組んでいるところでございます。  将来的には、国が進めております漁船の電化、水素燃料電池化の研究開発の動向も踏まえまして、技術革新の活用等により琵琶湖漁業の将来を描くとともに、もうかる漁業につなげていきたいと考えているところです。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)せんだっては沖島、ありがとうございました。八幡堀も、また来たってください。  収入が見込め、いわゆるもうかる漁業で若者にとっても魅力的な漁業になりますようにお願い申し上げ、次の質問に移ります。  次に、部活動の地域移行について伺います。  少子高齢化時代や子供たちの多様なニーズの波を受けて、学校の部活動に様々な問題が出てきております。部員数の減少により、単独校でチームが組めずに合同チームで大会に出場する学校や、長年続いてきた部活動を廃部にしたり、顧問の先生が不足するなど様々です。教員の働き方改革も叫ばれ、負担軽減や生徒の休養などの措置として、休日を含む部活動の制限、部活動指導員の活用など、ここ数年で部活動は大きく変化しております。そこに追い打ちをかけるかのように新型コロナウイルスのまん延で思うように活動ができておりません。このような状況下で、このたびの中学校の部活動の地域移行が発表されました。地元の教育委員会や学校現場は、正直、混乱しております。  現行の学習指導要領では、部活動について、学校教育の中で果たす意義や役割を踏まえ、学校教育の一環として、教育課程との関連が果たせるように留意することについて明確に示しております。部活動指導員制度にあっても、学校の職員としての扱いで、学校長の教育方針の下、部活動が行われてきたと認識しております。  まず初めに、このたびの地域移行とはどのようなものなのか、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  部活動の地域移行につきましては、少子化の中でも、将来にわたり子供たちがスポーツに継続して親しむことができる機会を確保できるように、本年6月にスポーツ庁の有識者会議が目指す改革の内容や方向性などを提言として示されたところでございます。  まずは、中学校の休日の運動部活動を段階的に地域へ移行するとし、令和5年度から3年間が改革集中期間として位置づけられており、平日の運動部活動の地域移行につきましては、できるところから取り組むことが考えられるとされているところでございます。  また、地域におけるスポーツ機会の確保や生徒の多様なニーズに合った運動機会の充実、地域のスポーツ団体等と学校との連携、協働の推進などが改革の方向性として示されているところでございます。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)学校や地域に、私はかえって負担が増えるように思うのですが、教員の負担軽減になるのか、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  スポーツ庁が掲げます部活動改革におけます休日部活動の段階的な地域移行の趣旨は、先ほども申し上げましたが、子供たちのスポーツに親しむ機会を確保することでありますが、この実現は、一定、地域と学校との連携のための仕事が増えるという負担の増も考えられますが、教員の皆さんの休日の働き方の変化にもつながるものと考えており、このことは一定の負担軽減も期待できるものと考えております。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)スポーツ庁、私もちょっと抜粋しているんですけど、そのようなことを書いていますよね。  例えばスポーツ施設の確保方法で、学校体育館、学校体育施設の活用を促進するため、地方公共団体やスポーツ団体等が連絡調整するための協議会を設立し、利用ルールなどの策定や利用割当ての調整を行うとか、スポーツ庁は概要にはこんなことを書いているんですけど、例えば教育長がサッカー部の顧問で私が野球部の顧問でしたら、「今度の土曜日に練習試合するんやけど、先生、ちょっとだけ、午後2時間だけ、うちに使わせてもらえません」って職員室で済む話が、こんな割当てしてたら、かえって仕事が増えるんじゃないかなと思ったりとか、それから、教員の負担軽減には、一番、いろんな方とお話ししていると声が大きく上がるのが、教職員の数を増やして、遅番シフト、昼から出てきていただいて、午後の授業を持っていただいて部活動を組めるようにする案もあると思うんですね。現に、ある私立の中高でこれに近い事例もあるようでございますが、こういう点については教育長はどのようにお考えですか。 ◎教育長(福永忠克) 今、委員から御質問のありました懸念というのも様々なお声としてお聞きするところではございますが、どういった仕組みをつくっていくことがその地域にとっての地域移行で最も適当なのか、日本中全てが同じやり方でやることは、当然、無理がございますので、その点につきましては、誰がどういう役割を担ってやっていくのか、それが一部の先生方、教員の皆さんに偏らないように、しっかりとした仕組みを、行政と学校と、そして地域のスポーツクラブ等の皆さんが役割分担をしながらやっていくことで、一定、そういった問題は解決の方向が見いだせるものと私は考えております。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)我が会派の、さきの目片議員の代表質問に対する答弁の中で、市町教育委員会の担当部署を対象にした公立中学校の部活動に関する情報交換会を7月4日に大津で開催したとのことでしたが、そのときの市町の反応はいかがであったのか、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  当日の情報交換会では、まず、県のほうから中学校の部活動の加入状況やスポーツ庁への提言の概要などについて説明をさせていただいた後、各市町で現時点での取組状況等の紹介でありますとか、今後の具体的な取組や予定等について意見交換がなされたところでございます。その際には、受皿となる運営主体や指導者の確保が容易ではないこと、国からの具体的な支援策やガイドラインなどが示されておらず不透明な点に戸惑いがあることや移行期間の柔軟な取扱いなど、市町から率直な反応や御意見をいただいたところでございます。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)そうなんですよね。  ここに各市町の、ちょっと私、一覧を持っているんですけど、モデル校を指定していた彦根市、それから米原市を入れても、ほとんどが見通しなしとか、それから県の方針待ちというのが大半でございますので、県も国の方針待ちであろうかと思いますけど、市町は県の方針を待っているというのをしっかりと認識していただきたいと思います。  地域の受皿の問題、練習場所の確保や移動の問題、指導者の暴力や体罰、暴言などの問題、家庭の負担の高まりなど、不安や危惧することなど課題が非常に多いのですが、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  本県におきましても、休日の運動部活動の地域移行を進めるに当たりましては、スポーツ団体等の運営体制や指導者の確保のほか、多岐にわたります課題がありますことから、その対応には、やはり関係機関の連携、そして協力が不可欠でありますとともに、地域の実情に応じた取組が必要であると考えているところでございます。  県といたしましては、国のガイドラインや支援策等の状況等を踏まえまして、市町とともに具体的な取組やスケジュールを定めた計画を策定することとしておりまして、市町におけます進捗状況等を共有しながら、市町に対する指導、助言等の支援にも努めてまいる所存でございます。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)この質問をしようと思ったときに、ここが本当は一番伺いたいことがたくさんございまして、本来、一つ一つ聞きたいところなのですが、まだ国のスポーツ庁のほうからも詳しいことが通達されていないようでございますので、くれぐれも、お金がなくて部活動ができない子供が出ないように、よろしくお願いしたいと思います。  また、明後日、8月3日回収期限のアンケート調査の結果が十分に生かされるようにお願いしたいと思います。あさってが締切りですよね。  それと、北海道や新潟県など先進的に取り組まれているところへ研修に行かれるなどして、県が、先ほども申しましたように、しっかりリーダーシップを発揮して、市町としっかり連携をして取り組んでいただきたいと思いますので、その点につきましても、教育長、よろしくお願いいたします。  本県においても少子高齢化の波が押し寄せております。子供たちが部活動で運動やスポーツに取り組み、健やかに育つことは重要であります。知事の所信表明で取り上げておられた「子ども・子ども・子ども」という熱い思いを踏まえ、部活動の地域移行に対する知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) ここで取り上げていただいております運動部活動は、スポーツの楽しさを味わい、体力向上や健康増進につながるとともに、生徒同士の交流や人間関係の構築につながる意義ある教育活動だと考えております。一方、少子化の影響で、部員の不足により活動の縮小など持続可能性の面で厳しさを増していくことを踏まえ、国の部活動改革の方針を受け、有識者会議において提言が出されたものと認識しております。  部活動の地域移行において、多様なスポーツ団体等が実施主体となることにより、子供の多様なスポーツを経験する機会と環境の提供、地域での幅広い交流などが期待されるところであります。他方で、市町により状況は様々であり、地域の実情に応じて取組を進めることが重要だと考えております。  国に対しましては、円滑な地域移行が進むよう必要な方策を求めますとともに、滋賀の子供たちが身近な地域でスポーツに親しめるよう、教育委員会や関係機関と連携しながらしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 ◆6番(重田剛議員) (登壇)ありがとうございます。  部活動は、教室では学ぶことができない、異学年の仲間と豊かな人間関係を育む場所であり、仲間と部活動を行う中で新たな自分を発見したり、今、知事もおっしゃってくださったように、友情を築く大切な場所であります。現行の部活動のよいところを継承していただき、くれぐれも子供を中心に、子供が輝く部活動となることを祈念しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、6番重田剛議員の質問を終了いたします。  次に、33番川島隆二議員の発言を許します。 ◆33番(川島隆二議員) (登壇、拍手)知事選挙も終わりました。おめでとうございます。これから3期目に向けての主要課題として、知事は、折に触れ、北部振興について言及してまいりました。先日の代表質問でもお答えをいただいたのですが、滋賀県北部に住む人間としてはもう少し掘り下げていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  今回、選挙が終わってから北部振興を常に発信していただいていることは、知事任期のこの4年間で、相当力を入れてやっていくことの証左だというふうに感じております。知事は耕作放棄地や空き家問題など、北部における問題に言及いただいておりますが、その解決だけが北部振興につながるのかというと、それだけではありません。北部振興をうたうのなら力を入れるべきことはたくさんあります。  北部振興に必要なことは、私はまちづくり、教育の熟成、そして、多様な働く場をつくることだと考えております。こうした一つ一つにいかに予算づけをしながら進めていくのかが今後の振興の鍵になるというふうに思います。  滋賀県の北部ということは、イメージとしては長浜市、米原市、そして高島市だと感じておりますが、これら地域の振興を図っていくということの前提で、この質問を進めていきたいというふうに思います。  これら地域に共通することは何かと申しますと、人口減少のスピードが速いということであります。人口減少に伴い、田畑が荒れ、空き家が増え、学校に通う子供たちの数も少なくなり、複式学級になっていく。これは知事の考えていることと相違はありません。では、いかにこの地域に住む人々が、知事の言葉を借りれば、すばらしい地域に住んでいるんだな、今生きているんだなと思い、生活をしていくことに満足できていくのか。次の世代によりよい滋賀を引き継いでいくために、今、この北部地域に住んでいる我々の責任は重いというふうに感じます。  さきの代表質問でも、北部振興に腰を据えて取り組んでいくという答弁がありましたが、それをするならば、本当に腰を据えてやっていくためにも、北部振興をつかさどる拠点もつくっていかなければなりません。どこかの市役所と連携するだけでは不十分ですし、また、市役所に職員を派遣するということでも不十分であります。できれば、昔あった振興局のようなものをつくり、そのとき以上に権限を持たせながら、それぞれの市とチームをつくり、連携を図りながら問題点の解決に向けて体制強化をする方向がいいというふうに考えます。そのときには、例えば副知事をその本部長としながら、部長級を常駐させ、予算も人員も強化することが必要になるかと思います。  代表質問での答弁でも言及されておりましたが、地元自治体や地域住民との連携も必要ですし、即応性も求められることから、体制についてはまだ検討段階であると思いますが、ただ、知事が言うように腰を据えて取り組むということであれば、それ相応の体制と拠点が必要であると考えますが、どのような形で臨もうとされるんでしょうか、知事にお伺いをいたします。  次に、まちづくりです。  北陸新幹線が敦賀に開業するのがいよいよ2024年に迫ってまいりました。敦賀と連携することでいろいろとビジネスチャンスも生まれてくるという意味では大いに期待するところでありますが、一方で、北陸との経済的なつながりが首都圏に移ってしまうのではないかという危惧もあります。もともと長浜市や米原市、高島市は、福井の嶺南地方と交流もあり、経済的結びつきや観光でも協力体制をしいているのですが、敦賀を含む嶺南地方が、北陸新幹線が来ることで首都圏の方向だけに向かないようにすることと、それから、首都圏からの観光客を敦賀だけではなく滋賀のほうにも来てもらうような仕掛けが必要になります。そのための魅力発信を、北部地域連携の下、県としてどのような工夫ができるのでしょうか、知事にお伺いをいたします。  また、今回のコロナ禍で商工会や商工会議所に加盟する事業所が増えました。今までは会員の減少傾向に歯止めがかからなかったのですが、コロナでの給付金対応やきめ細やかな相談体制などで、その存在感は高くなりました。特に旧郡部では、商工会が地域に根差した経済活動を下支えする上で重要な役割を果たしたことがうかがえます。地場の事業所の振興という意味では、商工会のような組織と連携し、地域経済の基礎を守る上でも商工会などのさらなる強化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか、商工観光労働部長にお伺いいたします。  それと、先日、地域通貨ビワコの運用が始められました。初めはこの取組に懐疑的でありましたが、内容をよく見てみると可能性を感じます。関係人口の創出やコミュニケーションとしての役割、また地域経済の活性化など、使い方によっては広がりが期待できます。初年度は長浜市、近江八幡市、それと日野町でのモデル地域運用ですが、使い方に幅を持たせることで面白いものになっていくというふうに思います。特に子供たちがこれを使うことによって、自分たちの地域の文化や特性を学び、理解することで愛着を持てるようにするなど、町を理解するツールとして使うことも可能であります。  知事は、今回、この地域通貨を導入することで、まちづくりという意味でどのような効果を期待しているのでしょうか、お伺いをいたします。  また、知事は常日頃、人づくりについて話をされていますが、その根本は教育であります。先日も、全国学力学習調査の結果が公表されましたが、滋賀県は残念ながら8回連続で全国平均を下回りました。また、特に残念だったのが、夢や目標を持っているという項目で前回より下がったことであります。  知事は、滋賀の教育に必要なことは愛だとおっしゃい、また、愛をもって子供一人一人の個性を大切にし、夢と生きる力を育む教育をしたいと代表質問でお答えいただきましたが、まだまだ道半ばであります。  一方で、お隣の福井県は今回も全国トップクラスを維持しております。先ほど紹介したように、福井県の嶺南地方と北部地域は前から交流があります。すぐ隣の県が全国トップクラスにあるのなら、そこから学ぶことは多いと思います。以前にも職員を派遣し、そのフィードバックをされていますが、一過性のものに終わっていないでしょうか。常に教職員交流を図るなど、相互に学べるところ、学べる環境をつくるなど、北部地域だからできることもあると思います。学ぶところは謙虚に学ぶことは何も恥ずかしいことではありません。また、そこから新たな発想も生まれ、自分たちに合った滋賀らしい教育の在り方も形成されていくのだと思います。  さらに言えば、高校においても、今、高校の魅力化を推進する滋賀県にとって、北部地域は人口が減っているのなら、県外からも生徒が学びたいと思うようなカリキュラムをこれからも組んで、また受け入れることで新たな効果を県内の生徒にもたらすことを考えれば、それは大いに推進すべきことであろうかというふうに考えます。  小学校、中学校の学びの在り方を福井県に学び、また、高校では越境入学を認めることで新たな相乗効果を生み出していくことで、生徒へのより強い刺激になり、お互いに高みを目指すこともできます。ここは滋賀県として、北部地域の教育をより充実したものにするためにも、市とも連携しながら、福井県に学び、また、高校でも越境入学を認めるなどをする必要があると考えますが、いかがでしょうか。滋賀県の教育に危機を持っているからこそ、ここは知事にお伺いをいたします。  また、若い人が帰ってくるような働く場所を確保することも大きな課題です。先ほど述べましたように、商工会を中心に地域経済を、地場の企業を強化することで推し進めていくことも大事ではありますが、一方で、新たなニーズに合った雇用を創出するような産業の集積も必要になってきます。特に、これから人材が不足するような産業の企業を誘致することで、長くこの地域で雇用が生まれ、それに見合う人材を育成していくことも併せて可能になってまいります。  そうしたことを踏まえ、北部地域に戦略的に企業誘致を進めていくことは北部振興を語る上では欠かせないことだと考えます。特に高等専門学校の立地選考の過程で、県有地では長浜北高校の跡地であるとか木之本町千田の旧農技センターなど、湖北地域でも2か所ありましたが、せっかく検討された土地なので、企業誘致を進めるか、または地域にとって有意義な施設を造るか、何か考える必要があると思いますが、いかがでしょうか、商工観光労働部長にお伺いいたします。  また、これは北部振興だけではないのですが、県有地とは別に、各市町からも高専の候補地としていろいろな土地が上がってきました。せっかくこういう形でそれぞれが出してきた土地ですので、ここも戦略的に企業誘致や研究所などの高等教育施設、また、データセンターも含めた波及効果の高い施設などを仕掛けていくべきだと考えますが、知事はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。  知事が、今回、北部振興を事あるごとにおっしゃっていただいていることは長浜でも相当話題になっております。さきの長浜市議会議員選挙でも言及される候補者は多かったであります。その分、期待値が高いこともあるので、このままでは中途半端なことはできないと思います。知事があれだけ言及する以上は、今までとは違う形で政策をつくっていかなければならないし、また、その結果も出していかなければなりません。当然、北部の選挙区から選出されている私としても、一緒になってその責任を負い、頑張っていきたいというふうに思います。  最後に、知事の北部振興にかける決意と覚悟をお伺いいたします。 ○議長(岩佐弘明) 33番川島隆二議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)北部振興につきまして8点御質問いただき、うち私には6点賜りました。順次、お答えいたします。  まず1点目の、体制についてでございますが、現在、関係所属によるワーキングチームを立ち上げて、県北部における課題の整理とともに、県として取り組むべき施策や体制等について検討を始めております。施策や体制の具体化に当たりましては、議員御指摘のとおり、地元自治体や地域住民の皆様との連携、協働、そして、共に創る、共創ということを土台といたしまして、その上で、1つは地域の特色、特性、魅力、ポテンシャルを生かす視点、2つ目は関係する施策、事業全体として相乗効果を高める視点、3つ目は現地性や近接性の視点などを大切にしたいと考えております。特に体制面につきまして、他県では特定地域に関する総合出先機関を設けている愛知県や福井県の事例、本庁に特定地域の振興、活性化に関する組織を設けていらっしゃる茨城県や三重県の事例、地域と県庁とのパイプ役になって地域の実情やニーズに応じた支援を行うため、県職員が市町村役場など地域に駐在している高知県の事例などがございまして、取り組む施策や地域の実情に応じたふさわしい体制が構築されているものと認識しております。  北部振興のための新たな体制につきましては、まずは先ほど申し上げた3つの視点を重視しながら、効果的な施策の立案をした上で、その施策を強力に推進できる、本県にふさわしい体制をしっかり構築してまいりたいと存じます。  2点目の、魅力発信についてでございますが、北陸新幹線の敦賀駅開業を契機といたしまして、より多くの人々を滋賀に呼び込むためには、市町や鉄道事業者等との連携はもちろんのこと、福井県との連携した取組も重要になると考えております。令和2年に開催された福井県知事との懇談会におきましては、両県にまたがる鉄道遺産を生かした周遊観光の促進や、三方五湖を自転車で周遊するゴコイチとの連携などを通して広域観光を促進していくことで合意し、順次、取組を進めているところでございます。  本県といたしましては、こうした取組を着実に進めるとともに、敦賀駅の開業に合わせて、敦賀駅等において、福井県民の皆様だけでなく、首都圏から来訪された観光客に対しましても滋賀の魅力を直接お伝えできるような取組により、滋賀への誘客を図ってまいりたいと存じます。  また、長浜市や米原市等で構成されているまいばら駅広域観光圏コンソーシアムにおきましては、EX−MaaSを活用した観光コンテンツづくりなどに取り組まれており、こうした取組に対してしっかりと支援を行うことで広域周遊観光の促進を図ってまいりたいと存じます。  私に賜りました3点目、地域通貨の効果についてでございますが、去る7月25日のリリース以降、多くの企業や団体の方々からお問合せや御相談をいただいており、大きな手応えを感じているところでございます。コミュニティ通貨ビワコの利用は、アプリ上での簡単な「もらう、使う」のやり取りでございますが、様々な分野で取組をされている地域の方々が集まり、自由な発想で、デジタル技術を活用して地域を盛り上げる方法を議論し、全国に発信し続けることで地域を成長させていく可能性があると考えております。  例えばモデル地域の長浜におきましては、地元経営者を対象とした、地域と共に歩む成長戦略を目的とする親睦イベントや、地域づくりに参画する市民を対象とした、まちづくりのアイデアの生み出し方を目的とするワークショップ等の開催を通じて、まちづくりのアイデアを出し合う場が生まれているところです。  今後、多くの方々にビワコの取組に御参画いただくことで、教育や環境、文化スポーツ、産業などあらゆる分野において県内外の人が継続的に地域に関わるきっかけが生まれ、地域のにぎわいが創出されることで地域経済にも大きく貢献することも期待しているところでございます。ぜひ、お力添えをお願いしたいと存じます。  4点目、滋賀の教育について、とりわけ高校での越境入学等を認めることなどについてでございますが、これまでより福井県や秋田県への教員派遣、視察等により、両県の特色ある取組や強みから学んできたところでございます。今後は、全国の先進的な取組など、学ぶべきところは本県の教育にしっかりと生かしてまいりたいと存じます。  また、県立高校において県外からの生徒募集を行うことにつきましては、現在、全国募集を行っております信楽高校の場合のように、県外の生徒が興味関心を抱く地域の教育資源を活用した滋賀ならではの特徴ある学びや、地元自治体や地域住民による県外生徒への支援や幅広い連携が必要不可欠であると考えます。今後、県立高校の魅力化を進める中で、各県立高校や地域の御意見などを踏まえ、教育委員会と一緒に考えてまいりたいと存じます。  5点目、戦略的な企業誘致等の可能性についてでございますが、本県では、自動車、電子部品、医薬品等の多様な分野の企業が立地し、御操業いただいておりますが、今後とも本県の豊かさを維持していくためには、デジタル化の加速、カーボンニュートラルに向けた取組の中で生み出されている省エネや再エネ等に関する新しい産業を戦略的に誘致していくことが重要であると考えております。  なお、企業誘致等に当たりましては用地の確保が肝要であり、このたび、高専候補地として市町から御提案のあった用地、県有地につきましても、県関係機関、関係市町と協議を行い、産業用地や研究施設用地としての活用の可能性についてしっかり検討を行ってまいりたいと存じます。  最後、6点目、北部振興にかける決意、覚悟についてでございますが、県北部は美しい風景や産物、豊かな自然環境や様々な歴史資源、文化遺産などの様々な魅力を有し、近畿圏、北陸圏、中部圏の結節点として高い可能性を有している地域であります。一方で、人口増加が続く県南部と異なり、本県において過疎地域を最も多く抱え、人口減少や高齢化を伴う課題が顕著に現れてきております。これまで地方創生や人口減少対策に取り組んでまいりましたものの、今般の選挙を通じて、空き家や耕作放棄地が増加する現状を認識し、様々な思いやお声、希望や切望をお伺いした中で、北部地域の振興に腰を据えて取り組んでいく決意を新たにしたところでございます。
     今後の政策の具体化、その実現のためにふさわしい体制づくりに向けましては、議員の御提案も参考にさせていただきながら、地域の皆様との連携や協働、共創を土台に、魅力や可能性を生かして様々な相乗効果を高めていく視点を持ってつくり、また進めてまいりたいと思いますので、どうか一緒に頑張りましょう。 ◎商工観光労働部長(浅見裕見子) (登壇)北部振興について、私に対する2点の御質問にお答えをいたします。  まず1点目の、商工会のさらなる体制強化についてでございますが、商工会の強みは、経営指導員による地域の事業者に寄り添った支援や会員間の結びつきが新たな事業の展開につながるところなどにあると認識をしております。長引くコロナ禍において地域の事業者が影響を受ける中、こうした商工会の存在はさらに重要となっております。  これまでから、中小企業活性化推進基金などを活用し、経営指導員の人材育成を図るとともに、昨年度からは、国の地方創生臨時交付金を活用し、事務補助員を臨時に設置することによりまして体制強化を進めているところでございます。引き続き、きめ細やかな事業者支援が行われますよう、商工会と連携をし、体制強化に努めてまいりたいと存じます。  次に、2点目の、北部地域の高専候補地における企業誘致の推進についてでございますが、北部地域の用地活用、特に企業誘致の推進は北部地域の振興につながるものと認識をしております。先ほど知事が答弁したとおり、企業誘致等に当たりましては用地の確保が重要と考えておりまして、高専候補地選定の過程で検討されました2か所の県有地につきましても、企業誘致等の可能性について、北部振興の方向性を踏まえながら、県関係機関や関係市としっかり協議し、検討してまいりたいと存じます。 ◆33番(川島隆二議員) (登壇)ありがとうございます。  拠点づくり、3つパターンを知事のほうからおっしゃっていただきましたけども、やっぱり腰を据えてというところがポイントだろうというふうに思います。副知事も長浜出身でありますし、北部のことはようよう知っていますので、やっぱり副知事を使わない手はないだろうなというふうに思っていますんで、どういう拠点かというところは腰を据えてというところだろうと思いますんで、そこら辺の意味合いを、いま一度、知事のほうにお伺いをいたします。  それから商工会の話、浅見部長、ありがとうございます。マスクしながら、ありがとうございました。  商工会に関しては、4年前、商工会が合併して人員削減があったりということもあって、コロナがあったからそういう臨時職員の話があったんやけども、コロナがなかったら、やっぱりそこはなかなか大変だっただろうなというふうに思います。若い経営者も頑張ってやっていらっしゃるし、さっき杉本さんの質問にもあったけど、一次産業だけじゃなくて、地場の企業がどう元気になるかということも北部振興に大事なところでありますんで、これは高島も米原も長浜も一緒ですけど、そういった意味では、商工会の機能強化も含めて、やる気が出るような予算づけをしていただくというのが大事なのかなというふうに思いますけども、もう一度、商工労働部長、お願いします。  それから、ビワコ、いろいろ、知事、言うていただきました。ここで地域のいろんなアイデアが出ているのもそうなんですけど、ただ、これは換金性がほとんどないんで、子供たちがすごい使いやすいと思います。子供たちが地域を歩いたりするときに、このビワコをうまく使うと、スタンプラリーみたいな感じで上手に地域に愛着を持てる、要は郷土愛をどう育むかという使い方もあるのかなと思いますんで、そういった使い方、何か、子供たちにアイデアを出してもらって、「こういうのを使ったらどう」というのをやっていくのも必要かなと思いますんで、ちょっとその辺のアイデア、もし知事、あったらよろしくお願いいたします。 ◎知事(三日月大造) 2つ目に賜りましたビワコ、子供たちのアイデアもというのは、私もなるほどそうだなと思って聞かせていただきました。  昨日任命いたしました子ども県議会議員の皆様方にも少し御相談もしながら、優秀な議員の皆様がたくさん入っていただいておりますので、御相談もしながら、いろんなアイデアなんかも集めて、やっぱりもらうことと使うことの相乗効果をうまく発揮していければというふうに考えているところです。  また、1つ目におっしゃった、腰を据えてやるための体制ということについてでございますが、北部振興をやらねば、やるべきだ、やろうとしたときにも、隣にいる江島副知事とも再三にわたり相談もしながら、どういう課題があり、どういう可能性があるのかというのをずっと議論をしてきているところです。私よりも湖北のことはよく御存じですし、いろんな思い入れも持っていらっしゃいますので、江島副知事はじめ、そういった北部振興、湖北振興に思いのある県職員や、また、議員の皆様方も相当ないろんな御関心もおありでしょうから、しっかり議論しながら体制をつくっていければというふうに思っております。  ただ、地元の人じゃないほうが見える部分もあるのかもしれません。私、三日月は甲賀の出、育ったのは大津、そして、国会議員時代の選挙区は湖南地域、しかし、最近、やはり湖北、北部に引かれるところがとても多くございますので、やはりそういう視点も持ちながら北部振興というのが形づくれると、よりよい形も見えてくるのかなということを思いながら、希望を持って、志を持って取組を進めていきたいと存じます。 ◎商工観光労働部長(浅見裕見子) 失礼いたしました。  商工会の機能強化について御質問いただきましたが、商工会との今後の進め方につきましては商工会との調整を図っているところでございまして、組織体制には影響しないように考えてまいりたいと思っております。  あわせまして、経営指導員の人材育成の取組等につきまして、商工会との協議を重ねてしっかり検討してまいりたいと考えております。 ◆33番(川島隆二議員) (登壇)検討よりさらに検討をやっていただきたいと思いますんで、検討で終わるのが一番よくない。よろしくお願いします。  それと、さっきちょっと言わなかったんですけども、教育のところで、子供を真ん中に置く、「子ども・子ども・子ども」という話があって、さっきも部活の話がありましたけど、やっぱり現場でどういうふうにするのかといったところが一番大事だなと思います。学力学習テストはああいう結果でしたけども、少しずつ全国との平均点の差は縮まっているとはいえ、ずっと8回連続で全国平均を下回ると。それから、夢と生きる力を育む教育ということを言ってはいる割には、そこまで夢と希望が育まれていないという状況。やっぱりこれ、知事就任2期、今度3期目になりますけど、教育というものをどうするのか、「子ども・子ども・子ども」と言うのであれば、やっぱり教育に関しては何でもやるんだという意気込みが大事だろうなというふうに思いますんで、さっき高校の越境入学の話がありましたけど、特に虎高なんかはバカロレアをやっているし、伊香高も今いろいろ、柴田さんが中心にやっていただいていますけども、そういった意味では、生徒の数が少なくなるならほかからでも入れていって、刺激をうまくやりながらというのは必要だろうし、高島高校もそうだし、そういった意味では、もっとやれることはやっていこうと。検討するんじゃなくて、その次の段階へ進むべき話だろうなというふうに思いますんで、子供の未来という意味では、こういったところの意気込みをもうちょっと見せてほしいなと思いますけど、知事、どうでしょう。  それから、企業誘致なんですけど、今、商工会の話もありましたけど、企業誘致に関しては商工観光労働は非常に遅いです。もっと僕は頑張ってほしいなと思っています。  県有地2か所、長浜は2か所あるし、これ、全体でいえば市町からもっと、今回、高専に絡んでいろんな土地が出てきたと。これもこれから、踏まえて検討すると言うけど、僕は、高専の場所が決まった時点で次のビジョンをつくって、こういったところにはこういう企業集積を図りますよぐらいのことはやらないと駄目だと思う。スピード感がこれも大事ですんで、浅見部長にはもっと頑張ってほしいなと思います。そういった意味では、もう少し意気込みを下さい。  最後に、知事のほうですけど、今度の北部振興に関しての、先ほど話がありましたけど、決意と覚悟なんですけど、さっきお話がありました。ただ、やっぱり北部振興って、本来であれば、県土の均衡ある発展という言い方をすれば、北部振興をこうやって殊さら取り上げていただいたというのは非常にありがたいというふうに思ってます。当然、それは甲賀のほうもそうだし、湖西もそうだし、湖南のほうでもいろんな課題がある中で、北部振興を言っていただいているということ。やっぱりここを何とかすると。可能性があると言うのであれば、その可能性をどう具体化していくかというところ。だから、これはちょこちょこっとやるんじゃなくて、やっぱり腰を据えてなんで、どういうふうな北部振興を図っていくのかということを、やっぱり期限、何年までにこういったことができるというぐらいの意気込みを持って、ぜひやっていただきたいなというふうに思いますんで、もうちょい、そこら辺、具体的に、最後、お願いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 私には2点賜ったと思います。  まず、子供たちの教育の問題ですね。これは教育長ともしっかりと連携しながら、課題は克服し、可能性は伸ばすというのが基本になると思います。そして、一人一人に寄り添うということだと思います。その意味で、もちろんテストの点数も大事です。学力というのも大事だと思うんですけども、教育に向かう基礎、家庭の問題であったり学習習慣であったり意欲の問題であったり、こういったところをしっかりと引き出して、寄り添って伸ばしてあげるということが重要だと思いますし、いろんな困難を抱える子供たちにいかに支援を行っていくのかという視点も大事にしたいと思います。  また、ICTの教育、GIGAスクールもおかげさまで進んできているところもございますので、こういったものを有効活用しながら、どこまで分かっているのか、分かっていないのか、こういうことが以前よりもできる環境が整いつつありますので、こういったことに、教職員の教える力も高めながら取組を充実させていきたいと思っております。  また、学力学習状況調査の中身を、学校や児童生徒に対する質問などもずっとこの週末も見ながら分析しておりますと、今もおっしゃった、夢や目標を持てるかということと併せて、それぞれの学科が好きか、分かるかといった項目でありますとか、あと、学校内でそういった取組等を共有できているのか、課題克服に向けた話合いができているのかといったようなところですとか、さらには、そういったことを家庭にフィードバックするとか地域と協議をするとか、そういったところで全国平均よりもやや低い状況、取組がまだまだできるんじゃないかなという状況が県内の学習状況調査に見られたと思いますので、そういった視点はこれから改善の余地のある取組項目かなと思いました。専門は教育長はじめ教育委員会に委ねたいと思いますが、ぜひ、県当局としても、知事としても、しっかりと関心を持って取組を強化していきたいと思います。  そして、2点目におっしゃった北部振興、腰を据えてというところがございました。とはいえ、当該、北部だと考えていらっしゃる基礎自治体ともよく話をしたいと思います。広域自治体が何かよかれと思ってやることがかえって地域の振興を阻害するようなことがあってはなりませんので、この辺り、それぞれの地域のまちづくり、よく踏まえて、相談をしながら取組を進めていくということが重要だと思いますし、あとは、それぞれの特徴、特性を生かした、何か北部が他の地域と同じような北部、湖北になったのでは意味がありませんので、そういった特徴を生かした取組がこの北部振興の中で表現することができるように、かつ、言ったんだから、やったんだから何かこういうことが変わってきたねということが地域の方々にも感じていただけるようにするというのはとても重要なことだと思いますので、そういう意味での覚悟はしっかりと持って、取組は進めてまいりたいというふうに思います。 ◎商工観光労働部長(浅見裕見子) ありがとうございます。商工観光労働部、大変遅いということで厳しいお言葉をいただきましたけれども、土地につきましてはいろいろな規制があったり、なかなか難しいということも聞いておりますので、まずは産業用地等としての可能性を協議、検討することが必要というふうに考えております。その上で、先ほど知事からも新しい産業の戦略的な誘致というふうな答弁もございましたけれども、そういった可能性も含めまして、関係市とも協議をしながら、できるだけ前に進められるように取り組んでまいりたいと存じますので、どうぞ御支援のほう、よろしくお願いいたします。 ◆33番(川島隆二議員) (登壇)すみません、もうやめようかと思ったけど、それが遅いのよ。だから、そうじゃなくて、今は都市間競争をやってんだから、各県、市、県もそうやけど、みんな競争しているんですよ。これから検討しますとか、これから市と話しますというんじゃ遅い。だから、もっと早くやったほうええと言うてるんですよね。これはもうずっと言っている。去年もこれ、同じことを言ってました、企業誘致。ずっとこれですわ。これではやっぱり駄目だなということで、もうちょっと頑張ってください。  知事ね、別に僕は南のほうと同じようにしてくれということじゃなくて、さっき南高北低と言っていたけど、ああいう話じゃないんやね。やっぱり北は北らしさがあるんで、これはこれで生かしていきながら、じゃ、そこに住む人たちが、ここっていいよねと思えるような町、それから、よその人が、北に住んでるっていいよねと思えるような町をどうつくっていくかということだろうというふうに思っているんで、人口を爆発的に増やせとか経済的にこうなれとか、そういうことじゃないし、南と同じようにやってくれとかそういうことでもないと。別にそこで文化スポーツ施設を造るのはどうやということでもないんでね。そういった意味でいうと、北部らしさというのをどう出すかというところが一番大事だと思うんで、そうすると、自然と人が寄ってくるし、自然と人はそこに住むようになると思いますんで、そういった視点というのは、ぜひ、お願いをしたいなというふうに思いまして、私の質問は終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、33番川島隆二議員の質問を終了いたします。  次に、7番清水ひとみ議員の発言を許します。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇、拍手)知事の3期目のスタートに当たり、様々な決意をお聞きしました。中でも、今日も出ておりましたが、「子ども・子ども・子ども」、子供を全ての施策の中心にとの決意には、これからの滋賀県の全ての方々の幸福を考える上でも大切だと大きく共感するところです。  国においてもこども家庭庁の創設が決まり、子供を中心に置いて、少子高齢化社会の安心の未来を築いていきたいと考え、今定例会では教育をテーマに2項目の質問をさせていただきます。  1項目めに、学校に行きづらい子供たちへのサポートについてお伺いします。  ようやく新型コロナ感染症が落ち着いてきたかと思いきや、第7波の到来によりさらに長期化、また、ウクライナ侵略による社会情勢の不安定さや物価高による生活不安などが子供たちや子育て家庭にも大きなしわ寄せを及ぼし、生活面や心理面に深刻な影響を与えています。特に卒業式や入学式、修学旅行等の節目の行事が中止となった子供たちへの心身の影響は大きく、大人が思う以上にストレスを抱えているのではないか。子供たちの中に息づく希望を傷つけることなく、未来へ伸ばすことは大人の責任だと考えます。長期間のマスク着用で表情の見えない生活の長期化を危惧する声も高まり、熱中症対策とも併せて、マスクの着用について、身体的距離が確保できる場合や距離が近くても会話が行われない場面では着用の必要なしとの見直しも進められています。  そこで、新型コロナ感染症発生から2年以上が経過した現在、コロナ禍による本県児童生徒への影響について教育長の所見をお伺いします。 ○議長(岩佐弘明) 7番清水ひとみ議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  令和2年度の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査によりますと、新型コロナウイルス感染回避のため、本人または保護者の意思で30日以上欠席した本県公立学校の児童生徒は、小学校で143人、中学校で78人、高等学校で15人でございました。また、令和3年度の調査は、現在、集計中ではございますが、どの校種においても増加傾向にございます。  また、スクールカウンセラー等活用事業の実績報告でスクールカウンセラーから御報告のありました、コロナ禍の影響があると思われる相談人数は、令和2年度は小中高合わせて388人であったのに対しまして、令和3年度は1,455人となっているところでございます。スクールカウンセラーからは、保護者の収入が不安定になったことで不安を感じたり、仲間との活動が減って、ストレスがたまった子供の相談を受けているとの報告があり、コロナ禍により子供たちの心に心理的なストレスが蓄積され、影響が現れているとの報告を受けているところでございます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。これから質問する問いに対してのお答えのような気がしたんですけれども、ちょっと進めさせていただきます。  令和4年版子供・若者白書によると、小学生、中学生の不登校児童生徒数は、平成25年度から令和2年度にかけて8年続けて前年を上回っています。また、文部科学省調査では令和2年度で23万9,178人と報告されています。小学校では6万3,350人、100人に1人が不登校、中学校では13万2,777人、24人に1人、高等学校においては4万3,051人、72人に1人が不登校という状況であり、何とかしていかなければと苦しむ子供や家族、現場の先生たちの声を聞いています。令和3年度集計は秋まで待たなくてはなりませんが、本県における不登校の実態について教育長の所見をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  本県におけます公立小学校、中学校の不登校児童生徒数は、全国と同様に、平成25年度から令和2年度にかけて8年連続、前年を上回っている状況でございます。校種別に見ますと、令和2年度調査におきましては、公立小学校では851人、これは95人に1人が不登校、公立中学校では1,358人、これは29人に1人が不登校、全日制公立高等学校では692人、これは43人に1人が不登校という状況でございます。特に小学校と高等学校での在籍率が全国と比較して高く、これは大変憂慮される状況であると捉えているところでございます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)本県においても、学校に行きづらい児童生徒に対して学校の先生方もスクールカウンセラーの方々も頑張ってくださっており、教育と福祉の連携も進められてきています。様々な対策をしてきているにもかかわらず不登校児童生徒が増え続けることについて検証が必要だと考えますが、教育長の見解をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  不登校は、学校での学習の機会や社会性を身につける場を失う深刻な課題でありまして、様々な対策を取っておりますが、不登校児童生徒数の増加は大変憂慮されるところでございます。  今年度、大学教授、医療や心理、福祉の専門家、不登校等に関わる民間団体の代表の方などに集まっていただき、これまでの対策について検証を進めることとしておりまして、第1回の会議を8月下旬に開催する予定をしております。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。検証の際には、この次で述べます教育機会確保法の考え方を踏まえて、しっかりよろしくお願いをしたいと思います。  国においてフリースクール等に関する検討会議が平成27年1月に設置され、平成29年2月に報告書が出されています。その間、平成28年2月に義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律──以下、教育機会確保法といいます──が公布され、翌年には基本指針が出されています。これらの中で、魅力ある学校づくり、不登校児童生徒個々の状況に応じた支援、社会的自立に向けた支援などが示されました。教育機会確保法は平成29年2月に施行され、5年が経過しています。教育機会確保法および基本方針の学校現場への周知、浸透が進んでいないとの有識者会議での報告がありますが、本県においては教育機会確保法施行後、学校現場へどのように周知をされてきたのか、教育長にお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  県教育委員会では、教育機会確保法および基本方針について、各市町教育委員会および各県立学校に通知をいたしました。その後、生徒指導担当研修者や管理職研修会などの場で、教育機会確保法の趣旨について説明を行ってきたところでございます。しかし、まだ理解が十分でない学校、また教員も見受けられますために、学校訪問や各研修会で教育の機会確保について丁寧に説明をし、教員の皆さんの理解を一層深めてまいりたいと存じます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。自分自身の教員時代を振り返ってみても、やはりホームルームで教室に生徒がいないというのは胸が痛むことで、その辺りの教員の固定概念というか、やはり「全員が来て、みんなが元気で」じゃなくて、今はここには来れないけれども、その子の輝くところで頑張れるんだという、そこを意識改革をしないといけないので、なかなかその辺が難しいと思いますので、また継続的に、よろしくお願いをしたいと思います。  本年6月には不登校に関する調査研究協力者会議の報告書が出されています。その中で、フリースクール等民間団体との連携や不登校特例校設置の推進が明記されています。また、政府の経済財政運営と改革の基本方針2022、いわゆる骨太の方針にも、全都道府県などへ不登校特例校設置の努力義務が初めて明記されました。  そこで、本県におきまして、不登校特例校設置について、現在、滋賀県夜間中学および多様な学びに関する協議会が設置されていますので、その中で検討ができるのか、今後新たに検討をしていくことになるのか、現時点での教育長の見解をお伺いしたいと思います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  本県では平成28年度から夜間中学の設置の方向性について検討を進めてきたところでございます。  夜間中学の対象者は、学齢を超えている人で中学校課程の学び直しを希望する人でございまして、不登校特例校の対象者とは異なりますことから、夜間中学の検討の中で不登校特例校を一緒に検討することは難しいと考えております。しかしながら、不登校児童生徒への適切な支援の在り方について考えることは大切であると認識をいたしておりますので、今後、不登校特例校についても検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)検討を進めていただけるということで非常にうれしく思っております。  都道府県に対しては、現在、努力義務という形なんですけれども、私は、本来、すぐにでもやっぱり必要ではないかというふうに考えております。今回、夜間中学の検討も非常に長い期間がかかっていますので、この不登校の特例校に関してはスピード感を持っての検討をお願いをしておきます。  フリースクール等、民間団体との連携については、県内市町において、学校に行きづらい子供たちのための育ちと学びのサポートブックが作成されています。県北部では5つのエリアでまとめて作成されたものもあり、フリースクールの紹介など、それぞれ内容も充実していてすばらしいと思います。  福岡県においては令和3年12月に福岡県児童生徒支援グランドデザインを作成されています。この冊子には「多様で適切な教育機会の確保による社会的な自立を目指して」とあり、これまでの不登校児童生徒に対する支援の評価は1,000人当たりの不登校児童生徒数や不登校から継続して登校できるようになったことなどを指標としてきたことを、教育機会確保法を踏まえて、相談指導等を受けていない児童生徒の割合に注目していくと書かれています。  また、兵庫県においては不登校児童生徒を支援する民間施設に関するガイドラインが令和4年1月に更新されていますし、他の府県においてもこういったガイドラインの発行が進んでいます。これら県内のサポートブックや他県の不登校についてのガイドラインなどについて教育長の見解をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  大津市や県北部、この場合の県北部は長浜市、米原市、彦根市、犬上郡、愛知郡の5つの地域でございますが、大津市や県北部の2つのエリアにおきまして、それぞれの支援団体からサポートブックが作成されていることは承知をしておりまして、こういった取組をされておられる方が滋賀におられることに対して、教育長として感謝を申し上げる次第でございます。  県教育委員会では令和2年に、各市町教育委員会が把握しているフリースクール等の状況を取りまとめまして、各学校に情報提供を行ったところでございます。また、県教育委員会の教育と福祉が連携した支援体制整備事業を各市で実施していただいておりますが、草津市ではフリースクール等の実態を整理したパンフレットを作成し、市内の各学校に配付をしていただいております。  御質問にございました他府県の事例等も参考にしながら、一番大切なのは、何の相談も支援も受けていない子供さんがおられるということだと認識をしておりますので、本県におけます情報提供の在り方につきまして、各市町とともにしっかりと考えてまいる所存でございます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。今、教育長が言っていただいた、何の相談、支援もできていないというのが、調査の報告を見たところ、たしか3割ほどいらっしゃったと思います。こういったところにどういうふうにアプローチしていくのか、その点を重点的に、今後の検討、よろしくお願いをしたいと思います。  それでは、次ですけれども、本年5月に、滋賀県内の不登校や行き渋りのある児童生徒が多様な学びの選択肢からおのおのに適した学びを得て健やかに育つことをより多くの力で支援することを目的として、保護者の方や専門家の方が中心になって、28団体で滋賀県フリースクール等連絡協議会を立ち上げられました。  本県において、不登校児童生徒の相談指導を行っている民間団体、民間施設は令和2年2月の調査で37団体と聞いています。その時点で、小学生で37名、中学生で46名が通っていたとお聞きしています。国の通知によれば、これらに通う児童生徒については、相談指導が社会的な自立を目指すもので、適切な支援を実施していると評価できる場合には学校の出席扱いとできるとされています。また、滋賀県フリースクール等連絡協議会が知事選前に不登校支援や夜間中学校の設置について公開質問もされ、SNS上で公表されましたので、県民の方も御覧になった方もいらっしゃると思います。  学校に行きづらい子供たちへのサポートは、一人一人違うので一斉授業のようにはいきません。一人一人の子供たちに応じた関わり方が非常にありがたいとの声をお聞きしています。8月には滋賀県フリースクール等連絡協議会でフォーラムも開催されるとお聞きしています。滋賀県フリースクール等連絡協議会について教育長の見解をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  本年5月に県内のフリースクール関係団体の方がお集まりになられ、滋賀県フリースクール等連絡協議会が発足し、活動を進めておられることは承知をいたしております。発足後に協議会のメンバーと県教育委員会の担当者が意見交換の場も持ったところでございます。8月末には当協議会が主催されるフォーラムに県教育委員会の担当者が講師として参加をさせていただくことになっているところでございます。今後も当協議会と意見交換をする場を持つなど、適切に連携してまいる必要があると考えております。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。今、意見交換をしていくというふうに教育長から言っていただいたんですけれども、たしか東京都が、かなり前から連絡協議会という形でフリースクールと意見交換を持って、ほんで、また次のステップに進んでおられるので、私は、できれば定期的に意見交換を持っていただきたいと思うんですけれども、ちょっとその点について、もう一度、答弁いただきたいと思います。 ◎教育長(福永忠克) いわゆる不登校の子供にとってフリースクールというのも教育の場を確保する一つの有効な手法だと認識をしております。そのフリースクールを運営しておられる団体の皆様との意見交換というのも非常に大切だと思っております。  定期的にやることがお互いにとって一番いいのかどうか、その点についてはフリースクールの関係の皆様としっかり意見交換をしながら方策を決めてまいりたいと思っておりますし、不登校の問題につきましては、ただ、私としては、フリースクールだけに頼るのではなくして、公として、我々の公立学校を運営する者として、学校になかなか行きづらい子供たちにどういう教育の場を提供していけばいいのか、公としての役割というのもしっかりと考えていく必要があると思いますので、その点につきましても、関係の皆様としっかりと意見交換しながら考えてまいりたいと存じます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。今、公としてという御意見でしたけれども、学校に行きづらい子供たちにとって居場所となっているフリースクールは、もはや学校教育を補う公的な性格があるというふうに私は思っております。その点も踏まえて、今後また、意見交換を充実させていただきたいというふうに思います。  それでは、次に行きます。  本県における総合教育会議は、私も時間の許す限り傍聴させていただいています。そのときにかなったテーマを中心に、毎回、充実した内容だと評価しております。本年5月に開催された総合教育会議では、困難な環境にある子供たちの学びの支援について取り上げられました。子供の夕刻サポートの実例も紹介されていました。今後も、これらサポートの取組が県内で継続できるよう、県としても広報に努めていただき、支援の輪が広がることを願っています。  これからの子供たちの教育を考えると、地域連携は欠くことができないと考えますので、フリースクール団体との意見交換は大切だと考えます。知事はこのたびの知事選において地域の声を聞くことに努められましたが、知事と話すことができた県民の方からは、聞いてもらえてよかった、声を届けることができてよかったとの喜びの声と、今後の県政への大きな期待の声をいただいています。  不登校の子供たちの教育に果たすフリースクールの役割は今後ますます重要だと考えますので、総合教育会議の場など、さきの滋賀県フリースクール等連絡協議会をはじめ、フリースクール団体との意見交換をしていくことについて知事の見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)学校に行きづらい子供たちを含め、未来を担う子供への支援は社会総がかりで行うことが大切であると考えます。先ほども一部答弁がありましたけれども、県教育委員会が滋賀県フリースクール等連絡協議会と意見交換の場を持ったり、フォーラムに参加するということを聞いているところです。県教育委員会とこの協議会との連携は、今年度、始まったばかりと承知しておりますが、その様子を県教育委員会から確認しながら、どういう場を持つことがよいのかということを考えていきたいと存じます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。どういう場を持つことがいいのかということなので、意見交換をしていただけるというふうに捉えておいてよろしいでしょうか、もう一度、確認ですけれども、知事、お願いします。 ◎知事(三日月大造) 議員はどういう場を意見交換と考えていらっしゃるのか、例えば総合教育会議の場というのも重要な場ですし、ただ、今年度は議題が決まっておりますので、来年度以降、どのような形で持つのかという、そういう意味で、このテーマも可能性の一つだと思います。また、それ以外に、知事として、そういった方々と意見交換をするという可能性をどのように探るのかということだと思います。ただ、限りある時間の中でどのような形がいいのか、また、定期的ということであれば、またこれ、いろんな労力も伴ってきますので、まずは教育委員会をして御対応いただけるということですので、その中で出てきた課題なども少し整理、また共有をいたしまして、県当局として、知事としてどのような関わり方が必要なのか、重要なのかということを模索、追求してまいりたいと考えております。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)それでは、この項目の最後の質問ですけれども、学校に行きづらい子供たちがフリースクールに出会い、笑顔でまた頑張れるようになったとお聞きすることは何よりうれしいことです。ただ、フリースクールはボランティアで継続できるものではなく、保護者の負担が大きいのが現状です。  少し前ですが、2015年の文部科学省の調査では、フリースクールの授業料は全国平均月額3.3万円でした。そこで、県内市町において、保護者へのフリースクールの授業料支援を草津市が令和3年9月に開始したのをはじめ、彦根市、米原市、甲賀市が支援を開始しています。県としても支援をしてほしいとの声をお聞きしていますし、例えば同じフリースクールに通っていても、こちらの市の子供は半額で、こちらの市の子供は全額といったことも起きています。保護者の方からも、子供が望んでいるのでもっと通わせたいが、経済的に難しいとの切実な声をお聞きしています。フリースクール運営の方からも、安心して継続したいので支援をしてほしいとの強い要望をお聞きしています。他県においても鳥取県、福岡県、茨城県において、フリースクール連携推進事業としてフリースクールへの支援や通所への支援をされています。本県においても、学校に行きづらい子供たちが安心してフリースクールを学びの場として選択できるように、フリースクール連携推進事業について、ぜひとも検討していただきたいと考えます。知事の見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 先ほども一部お答えいたしましたけれども、学校に行きづらい子供たちが増加する中、一人一人の子供の状況を適切に把握した上で、多様な教育機会を確保し、社会的自立を目指した中長期的な支援を社会総がかりで、全体で行うことが必要だと考えております。誰一人取り残されない支援体制の構築に向けて、教育支援センターの充実や不登校特例校の検討、フリースクールなどの民間団体との連携などについて、滋賀の取組としてどのように進めていくのがよいのか、教育委員会とともに議論し、検討してまいりたいと存じます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)御答弁いただきましてありがとうございます。  先ほど川島先生が質問の中で、教育において何でもやるんだという心意気でと言ってくださったのが私もすごく自分の心にも響いたんですけれども、今、学校に行きづらい子供たちを支えることは大切な子供の未来を、今、支える、20年、30年後の、またそれは滋賀県の未来を考えることでもあると思いますし、本人のつらさや、また、何より家族のつらさにも寄り添う滋賀県であってほしいですし、こども基金なども滋賀県で取り組まれておりますし、こういった支援についても、もう少し前向きに滋賀県として取り組んでいただきたいなというふうに思いますし、この団体の皆さん、また、ここに通っておられる皆さんからも知事の3期目に対して大きく期待をされているところですし、そこにも具体的な施策として応えてほしいなという思いでいっぱいです。もう少し前向きなお返事をいただきたいと思いますが、もう一度お願いできますか、知事、よろしくお願いします。 ◎知事(三日月大造) 思い切って前向きに答えたつもりだったんですけど、まだまだ不十分という御認識を持たれたのかもしれません。  議員おっしゃっていただいたように、一人一人の子供の置かれている状況、そして、一日一日、一年一年成長していきますので、やはりその待ったなしの状況、そういったことに、例えば学びの保障や大切な居場所を確保していらっしゃる方々にどのように寄り添っていくのか、こういう視点はとても重要であると思います。ただ、私、先ほどの教育長とのやり取りを聞いておりまして、教育長が公の責任としてどのようなことをしなければならないのかと言ったことは私は尊重すべきだと思っておりまして、やはり大切な教育であるがゆえに、一度決めればそのことがずっと流れてしまう、走ってしまう。そのことにきちっとした責任を持っていくという視点も一方で重要だと思いますので、こういったことを考え合わせながら、まずは当事者として御参画いただいている方々としっかりと話をしながら、どういうことに困っていらっしゃって、どういうことに課題や可能性があるのか、よく共有させていただいた上で、滋賀県としての、こういった学びの保障というものの在り方を探っていきたいと思いますので、ぜひ、現場をよく御存じの先生方から様々な御示唆や御指導をいただければと存じます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)それでは、次の質問に移ります。  2項目めは防災教育についてお伺いします。  本県において取り組んでくださっている防災カフェも7月で71回目でした。本年の4月18日に開催された第68回の防災カフェのテーマは、心のケアと一体的に進める防災教育でした。長期のコロナ禍でもあり、感染症対策も踏まえた防災・減災対策も必要です。この大変な時代の中で生きる子供たちが防災についても前向きに捉え、生きる力を伸ばしていってほしいと願っています。  自然災害が激甚化、頻発化する中で、災害の教訓を踏まえ、令和2年4月から実施の新学習指導要領においては防災教育に関する内容が重視されています。子供たちの生きる力を育てる中で、社会の変化や課題に対応する力を育む教育の一つとして防災・安全教育の充実が図られています。そこで、令和2年度以降の本県における防災教育で重点的に取り組んでいることについて教育長にお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  本県の防災教育は、児童生徒の発達段階に応じ、自らの命を守り抜くための主体的に行動する態度等を身につけさせることを重視し、関係の教科や特別活動など教育活動全体を通じて行っております。  発達段階に応じて取り組んでおりますので、少し校種別に申し上げますと、幼稚園では、絵本や紙芝居の活用や地元消防署の協力を得るなどの工夫をした学びの中で、緊急時に教職員や保護者の指示に従って適切に行動ができるよう取り組んでおります。  次に、小学校では、緊急地震速報受信システムを活用した避難訓練を行うなど、自然災害を想定した、より実践的な訓練を行いますとともに、みんなと助け合い、地域の一員として安全な行動ができるようにしているところでございます。
     中学校では、心肺蘇生のシミュレーション訓練など災害時の応急手当技能を身につけさせるとともに、的確な避難行動やボランティア活動の意識を高めるよう取り組んでおります。  高等学校では、消防署と連携し、火災を想定した避難訓練では、訓練用消火器を使用し、実際の消火活動を学ぶなど、今後の地域活動にも生かせる訓練も取り入れているところでございます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)学校における防災教育の中でも、配慮や支援を必要とする児童生徒が通う特別支援学校においての防災教育の取組については、児童生徒のみならず、先生方にとっても、いざというときに近隣の方々の協力を得ることをはじめ事前防災の観点が非常に重要だと考えます。地域への連携をはじめ、特別支援学校において重点的に取り組んでおられることについて教育長にお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  特別支援学校では、児童生徒の障害の状況や特性および発達程度に応じまして、防災に関する資質、能力を身につけることを重点に考えております。  障害の状況に応じて、よりきめ細かな指導を行うために、地震や浸水害、土砂災害など様々な災害を想定した避難訓練を全ての特別支援学校で年3回実施しているところでございます。また、今年度は、教職員だけでは避難誘導や救助が難しい状況の児童生徒を想定して、隣接する施設との連携した避難訓練を予定している学校もあるところでございます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。今、最後に言ってくださった、隣接した施設と一緒にというのが非常に心強く感じました。  養護学校、県内、行かしていただくとやっぱり住宅地から離れている学校も多いですし、いざというときに孤立しないように、また、学校の見学会なども行かしていただくと、地元の民生委員さんなどに来ていただいて学校を見ていただいたりとか、そういった後援会の方が中心になって進めてくださったりもありますので、今後は地域の、近隣に大きな会社があるところもありますし、そういったところとの連携なども増やしていただきたいなというふうに思っておりますので、また、よろしくお願いいたします。  それでは、本件における防災教育において現状をどのように評価されているのか、教育長にお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  本県では、発達段階に応じ、教科横断的に防災教育に取り組んでいるところであり、例えば小学校では総合的な学習の時間で、地域の協力を得て、防災マップづくりを行い、自然災害から身を守る判断力や地理的技能が身についてきたと伺っております。  彦根地方気象台の出前授業や防災危機管理局によるしがマイタイムライン作成講座など、防災に関する専門的な知識、経験を有する機関や消防署、地域住民に御協力をいただき、より学びを高めることができており、関係者の皆様に改めて感謝を申し上げる次第でございます。  一方で、近年では記録的な大雨による河川の氾濫や土砂災害の発生など災害の激甚化が指摘される状況でございまして、こうした災害リスクも踏まえ、今後は地域の多様な主体と連携した学びや実践的な防災教育について、より一層、取り組んでいく必要があると考えているところでございます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。実践的なとおっしゃってくださいましたので、よろしくお願いいたします。  子供たちというのは非常に繰り返し言っていかないといけないところがあると思うので、大人は、その節目は1.17とか3.11とか9.1の防災の日ですけれども、子供の生活の節目の、例えば始業式であるとか終業式であるとか、そういったときに校長先生から一言を加えていただくとか、そういった繰り返しをぜひともお願いをしたいと思います。  それでは、それぞれの発達段階に応じた防災教育は、県が平成24年に作成した滋賀県学校防災の手引きに基づいているとお聞きしましたが、手引の作成後10年が経過しています。  本年5月に公明党滋賀県議団で、防災教育について宮城県教育庁の取組をお聞きしてきました。宮城県では、令和元年10月に大川小学校事故訴訟の確定判決において、教育委員会や学校に対し、事前防災の重要性とその責務が明示されました。それを受けて、学校防災体制在り方検討会議を設置され、「子供たちの命を守る新たな学校防災体制の構築に向けて」と題された報告書には、学校防災に係る取組を進化し続けていくことを期待され、示された提言から、地域ぐるみの防災の取組や、学校防災相談窓口の設置と学校防災アドバイザー派遣を始められました。  また、本県においても、令和2年3月に知事に出された、滋賀県における女性の参画による防災力向上のための提言の中で「人材育成の面では子供の頃からの防災教育が大切です。学校以外にも育児サークルや放課後児童クラブ、子ども会、子ども食堂等様々な場所で防災や人権擁護、まちづくりについて学べる環境を整備する一方、教職員ら教える側に過度の負担がかからないツールや手法を開発する必要があります」と記載されています。その提言を受けて、このたび、ツールの一つとして、防災対策において見落としがちな課題とその対応策について学び、これからの防災対策を考える啓発カード集「しが防災プラスワン〜女性の視点と多様性〜」Ver.1が作成されたところです。このような、学校でも活用できる新たなツールも出来、学習指導要領も新しくなっていますので、平成24年作成の滋賀県学校防災の手引きについて、本年3月に閣議決定した第3次学校安全の推進に関する計画なども参考に見直しを提案しますが、教育長の見解をお伺いします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  本県では、学校の防災マニュアルの作成と防災教育の充実に資するため、滋賀県学校防災の手引きを作成した後、防災教育授業事例集を発行したところでございます。ホームページには参考資料のリンク設定など最新の情報提供に努めており、昨年度より、文部科学省の学校の危機管理マニュアル見直しガイドラインに基づき、各学校で必要な修正を行っていただいているところでございます。  また、御質問にもありました、国において示された第3次学校安全の推進に関する計画につきましては、研修会を開催するなどし、今年度、提出されました各学校の防災マニュアルでは最新情報を基に改定いただいていることを確認をしているところでございます。  今後は、学校現場でICTの活用が進んでいるというこの現状を踏まえまして、ホームページ上での公開など、手引の見直しを含めまして、工夫や充実を行い、非常に多くの情報がございますので、先生方にどうしたら分かっていただけるか、子供たちにとっても分かりやすいものは何なのかというのを、特にICTを活用して取り組むことが大切だと考えております。より効果的な防災教育が図られるよう、県教育委員会としてもしっかりと取り組んでまいります。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。ホームページ上で付け加えなどもしていただけると思いますので、本来、他府県で自然災害が起こったときにそこから学ぶ点であるとか、常にバージョンアップしていかなくてはならないものだと思いますので、今後、どうぞよろしくお願いいたします。  宮城県教育庁にお伺いするとともに、宮城県立多賀城高校を視察させていただきました。多賀城高校には、全国において2校目に防災に特化した学科である災害科学科を設立されています。宮城県として、東日本大震災後、防災教育推進のための体制整備の必要性から防災系学科設置の基本構想が出来、津波被災地の近隣地であること、全県から交通の利便性が高い、新学科の開設による学校活性化などがポイントとなり、多賀城高校が開設校としてふさわしいとの結論に至ったとのことでした。多賀城高校は学年に普通科7クラスでしたが、そのうち1クラスを災害科学科にし、全校生徒共通で人の命と暮らしを守る人材育成に取り組まれた点が特にすばらしいと思いました。  本県においても、八日市南高校の地域支援活動部が、防災についても東日本大震災を風化させない取組をはじめ、東北との交流も続けて防災への啓発活動をされていると聞いています。このような部活動もそうですし、防災教育をもっと高校教育の様々な場面に取り入れ、将来の担い手育成にもつなげていけないかと考えますが、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  先ほど議員から御紹介をいただきました八日市南高校の地域支援活動部では、東北ボランティア活動、募金活動、そして、防災啓発活動で子ども食堂や幼稚園での活動など、幅広い活動が実施をされているところでございます。これらの活動の結果として、災害時には積極的に地域の活動に参加したいと考える生徒が増えたり、生徒が防災リーダー養成講座を受講し、防災士の資格を取得することにもつながっているところでございます。  高等学校におきましては、地理総合の授業で各地域のハザードマップを持ち寄り、地形の違いによる特徴を読み取る技能を学び、また、家庭科では住環境の耐震性について学ぶなど、各教科や特別活動における防災教育が実施されております。今後、地域の安全を支え、防災を担う人材の育成にもつなげてまいりたいと考えております。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)ありがとうございます。  今回、この質問をするに当たって、高校の教科書もかなり拝見させていただきまして、時代はこんなに変わったんだなというのを教科書を見ながら実感をしたところでございます。これからもまた、高校の先生はじめ地域の皆様の御協力を得て、頑張っていただきたいと思います。  それでは、最後でございますが、7月15日に総務・企画・公室常任委員会で聖泉大学の学生さんとの県民参画委員会があり、私も委員として参加しました。看護学部の学生さんが機能別消防団のメンバーとして活動されている様子をうかがい、前向きなその姿勢に大変感動しました。  皆さん、防災士として近隣大学の防災士さんとは連携を取られているとのことで、今後、県内の全大学と連携を取り、仮称ですが、例えば滋賀県学生防災士会のようなものを結成したいとお聞きし、私も、ぜひ早期に発足できたらと思いました。  以前、大分県臼杵市で、全国で初めて女性防災士連絡協議会を立ち上げられたと聞き、視察に伺い、女性の視点という共通点を持って連携することで大きく防災・減災の取組が進むことを学ばせていただきました。何より県内大学生の取組が県内の高校生をはじめ児童生徒の皆さんへの生きた防災教育につながると考えます。そこで、仮称ですけれども、滋賀県学生防災士会が一日も早く立ち上げられるよう、県内大学連携の伴走支援になるのか、背中を押す役割になるのか、いい形で、県としても早期の結成に向けて応援をしていただきたいと考えますが、知事の見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  今も御紹介いただきました聖泉大学をはじめ県東北部の5つの大学等で構成されるびわ湖東北部地域連携協議会におきましては、これまでから防災士養成講座の開催などに取り組んでいただいており、この6月には、防災士の資格を有する学生による、びわ湖の大学生がつなげる防災活動の会議を立ち上げられたと聞いております。県内では、ほかにも龍谷大学やびわこ成蹊スポーツ大学の学生による機能別消防団や、成安造形大学の防災をテーマとしたソーシャルデザインプロジェクトなど、県内の学生による防災活動が進められているところです。  地域防災力の向上には、若者も含め幅広い世代の参画が重要であり、こうした県内学生による防災活動も、頼もしく思うとともに、期待しているところでございます。今後、例えば県が主催する防災カフェや講座などにおける発表の機会を設定するなどし、学生の防災士をはじめ若者の自主的な取組がつながり、例えば滋賀県学生防災士会のような、より幅広い活動となるよう、これは先生もおっしゃったように、伴走型がいいのか、背中を押す、そういった支援がいいのか、そういったものはよく当事者の御意見等も伺いながら考えて、積極的に応援をしてまいりたいと存じます。 ◆7番(清水ひとみ議員) (登壇)大変ありがとうございます。  以前、龍谷大学のボランティア部というのかな、ちょっと正式名は忘れましたけれども、非常に熱心に瀬田川の愛護活動というか、それに関わっていただいて、でも、その一生懸命やってくださった方が卒業されて、なかなかその後の活動につながらなかったのが残念だなという思いをしていて、学生さんの防災士の活動などはその後に必ずつながっていくものだと思いますので、今の知事の、応援していくという言葉、私もしっかり、共に頑張らせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、7番清水ひとみ議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後3時32分 休憩    ────────────────   午後3時51分 開議 ○議長(岩佐弘明) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、4番本田秀樹議員の発言を許します。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、質問をさせていただきたいと思います。  管理者不明橋について、全て土木交通部長にお伺いをいたします。  滋賀県は周囲を山々に囲まれており、県内に降った雨のほとんどは多くの河川を通して琵琶湖に流入し、唯一の流出河川である瀬田川を経て、最終的には淀川から大阪湾に注ぎます。  なお、瀬田川、琵琶湖に注ぐ多くの河川は一級河川淀川と同一水系であることから、いずれも一級河川となっております。滋賀県が管理する一級河川は504本あり、総延長は2,254キロメートルに及んでおります。県の中心にある琵琶湖に流れる川も、琵琶湖から流れる川もありますが、生活の近くに必ず川があっても過言ではありません。また、川が多いことに加え、農業県のため、用水路が多いことも施設の橋が造られやすい要因だと考えます。  本県において、2021年度末時点で県が管理する一級河川に架かる橋梁はどれだけあるのか、お伺いをいたします。 ○議長(岩佐弘明) 4番本田秀樹議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎土木交通部長(門間俊幸) (登壇)お答えいたします。  2021年度──令和3年度末時点で県が管理する一級河川に架かる橋梁は8,688橋でございます。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)このうち河川占用許可を受けているものの用途はどういったものがあるのか、お伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  河川占用許可を受けている橋梁の多くは、国道、県道などの道路橋や、JR、京阪電鉄、近江鉄道等の鉄道橋など交通の用途に利用されております。そのほか、個人宅や店舗等への進入路橋などがございます。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)それでは、その用途別の橋の数をお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  河川占用許可を受けている橋梁は、道路橋が3,949橋、鉄道橋が290橋、農道橋や林道橋などが337橋、個人宅や店舗等への進入路橋が559橋でございまして、合計5,135橋でございます。そのほか、県が管理する河川管理用の通路橋が48橋ございます。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)今、用途別の数をお聞きしましたけども、結構あるなという感じをしております。  そこで、河川に架かる橋梁には、河川管理者施設ではなく、河川法未許可、不法占用物件である管理者不明橋と呼ばれる橋が多数あるとのことですが、どれだけあるのか、お伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  河川占用許可を受けていない橋梁は3,505橋ございます。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)今の答弁、3,505橋ですか、かなりあるのではないのかなと思いますけども。  そこで、管理者不明橋の中には設置からかなりの年数が経過し、管理者の特定が困難となっているものが多くあると聞いておりますが、そういった管理者不明橋が生じた原因についてどのように把握をされているのか、お伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  いわゆる管理者不明橋が生じた原因といたしまして、昭和30年代から40年代にかけまして、一級河川の指定が一気に増えたことから、一級河川指定以前から設置されている橋が指定後も許可申請されていなかった場合、あるいは許可が必要と知らず設置された小規模な橋が多かったためと認識しております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)昭和30年代から40年代に架けた橋が多くあると。そして、小規模な橋があるという答弁でございましたが、設置者が分からず、誰が管理するのか決まっていない管理者不明橋は全国でも多く見つかっております。老朽化や災害時によるものも多いと聞きますが、滋賀県は全国的に見て管理者不明橋が多いのか少ないのか、全国での順位についてお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  全国で取りまとめたデータはございませんので順位は判明しておりません。  なお、令和3年11月22日付読売新聞の記事に、一部の都道府県について管理者不明橋の状況が掲載され、それによりますれば、近隣府県では大阪府424橋、奈良県70橋等に対しまして、現在、本県では3,505橋でありますことから、多い状況にあると認識しております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)全国では順位が分からないということでありましたが、今ほど大阪、奈良のお話を聞きますと、滋賀県では結構多いのではないのかなと思いますが、なぜ滋賀県において管理者不明橋が多いのか、その理由をお伺いをしたいと思います。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  県が管理します一級河川数は504本と多いと。また、そのうち管理区間延長が10キロに満たないという小規模な河川がそのうち約9割を占めております。こうした河川は流域も小さく、川幅が狭いことから、容易に橋を架けることができ、それが要因の一つであると考えております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)今、部長の答弁でもありましたけども、504本と。10キロの小規模の管理が多いということであります。  そこで、次の質疑なんですけども、橋の維持管理は橋の管理者に義務づけられております。管理者不明橋の管理者の特定作業は難航しているのではないかと思いますが、現状についてお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  管理者の特定には橋が設置された当時の利用状況を確認する必要がございますが、周辺土地の利用や近隣住民の転出入などの変化がある中で、それらの土地利用の変遷に係る資料の収集、さらに、市町や近隣住民からの聞き取りなど、丁寧な調査の必要がございまして、多くの時間と労力を要しているという状況でございます。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)市町の聞き取りが大変だということも理解いたしますが、そこで、管理者不明橋の対策が進まない理由の一つが、私は人材不足と考えます。総務省が各自治体の職員数や配置を調べた結果、2021年4月時点で、土木技術と建築技師を合わせた技術系職員は全国の市区町村で約7万人、5年前から1,529人増えましたが、技術系職員が1人もいない市町村も430あり、全体の4分の1に及びます。また、公益財団法人都市センターが2019年、全国815市区を対象に行った調査では、回答のあった186市区のうち7割超の134市区で技術系職員の定数を確保できなかった状況でありました。うち8割以上が、応募者が少ないことを理由に挙げました。  県においても、技術職、事務職とも人員体制が厳しい中で、適切な河川管理を担う人材の育成が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  日常の河川管理業務において、施設の老朽化や災害への対応、このような新たに生じる様々な課題に対しまして、現場事務所の知識の蓄積やノウハウにより対応していくことが求められております。  限られた人員で対応するためには、担当者の個々のスキルアップを行い、組織力を向上させる人材育成は必要であるというふうに考えておるところでございます。そのため、現場経験者の知識や経験を伝承するOJTによる育成のほか、国や県建設技術センター等の研修を活用し、業務に当たる県および市町職員の知識や現場での対応能力向上を図るなど、人材育成に努めていきたいと思っております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)ありがとうございます。人材育成についてはしっかりと取組をしていただきたいと思います。  それでは、管理者不明橋の中には住民が買物などで利用し、毎日多くの人が徒歩や自転車等で利用されているものがありますが、管理者が不明のため、修繕されずに放置されております。管理不十分で事故が起きたケースがあるとのことですが、どういったものだったのか、内容についてお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  議員お尋ねの事案につきましては、平成25年に草津市内を流れる一級河川、北川に架かる管理者不明橋において発生した物損事故がございます。この橋は長さ約4メートルのコンクリートパネルを渡しただけの簡易なものでございまして、物損事故の内容は、パネルの隙間に自転車の前輪が落ちて破損したものでございます。  なお、この橋は、その後、草津市が管理することとなり、安全対策が実施されているという状況でございます。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)その事故では、事故に遭った方が川を管理する県に損害賠償を求める民事調停を申し立てる事態となりました。県が、今後、より管理に努めると説明して調停は取り下げられましたが、これを機に、県が全域を調査したところ、先ほど答弁がありましたとおり、3,000を超える管理者不明橋が発見されました。  県は、順次、管理者不明橋の撤去や地元市町への引継ぎを進めていると聞いております。令和3年度も、コロナ禍の中で100か所余りを解消したと聞きますが、これまでの対応状況をお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  平成29年度および30年度に全数調査後、利用者の多い道路橋等を優先して解消に取り組みまして、平成30年度に120橋、令和元年度に186橋、令和2年度に37橋、令和3年度に112橋と、4年間で455橋の管理者を特定し、占用許可の手続を終えております。また、危険な2橋につきましては撤去を実施しております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)コロナ禍の中で、4年間という中で調査した結果、455橋ですか。大変御苦労さまでございます。もっと対応をしっかりしていただければ、またどうかなと思いますけれども。  そこで、平成25年度の事故は管理者不明橋での事故でありましたが、全国的に見ても、河川管理者用通路等の河川管理施設が一般的に利用されている状況があります。河川管理者の管理瑕疵を問われるリスクもさらに高まると考えます。河川管理においても、道路管理と同様に損害賠償責任保険制度へ加入することが考えられますが、見解をお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  道路は人工公物、公のものでございまして、利用目的や管理責任の範囲が明確でございますので、賠償責任保険制度を適用して管理が行われております。一方、河川につきましては自然公物であり、管理責任の範囲が必ずしも明確でない場合がございまして、賠償の制度設計が困難であると伺っており、道路のように賠償責任保険制度の適用には議論が必要と認識しております。今後は、他府県の動向等を注視しながらやっていきたいと考えております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)部長の今の答弁では、河川のほうは自然公物であるという答弁だったと思います。他府県を見ながらということですんで、しっかりまた検討をしていただければありがたいなと思っている次第でございます。  それでは、長年にわたる河川整備によって、河川管理者による管理の対象となる河川および河川管理施設は、設置後、長時間を経過しているものも多く、今後さらに老朽化していく施設の増加が見込まれ、これまでよりも巡視点検等の内容を実現させる必要があると考えます。一方、厳しい財源状況の中で、現在の維持管理水準を確保するための様々な課題に直面をしております。実際に講ずることができる対策にも限界があると考えますが、効果的な管理の在り方についての考え方をお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。
     近年の豪雨の激甚化、多頻度化や河川管理施設の老朽化などに伴いまして、河川管理における点検業務にはさらなる詳細なデータの把握等の工夫が必要となっております。そのため、例えば水中ドローンやタブレット端末などの新技術を活用した点検、また、取得したデータの蓄積とそれに基づく診断、診断結果から効率的に対策を講じる仕組みの構築に取り組んでおります。あわせて、日常的な巡視点検のアウトソーシング、ボランティアの河川巡視員の活用を図り、より効果的な河川管理の推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)管理者不明橋については、今後、河川を適正に管理していく上で解消していくことが必要であります。具体的には、管理者不明橋の管理者を特定し、占用許可を受けるよう指導をより一層強化することが必要と考えますが、見解についてお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  管理者不明橋のうち、まずは崩落等により河川の通水に支障を及ぼすおそれのある橋につきまして、最優先で撤去等の対策に取り組んできました。その上で、管理者不明橋を解消していくには、管理者を特定し、許可を受けるように指導していくことが基本でございます。  管理者が特定できた管理者不明橋につきましては、不法占用状態を早期に解消するため、例えば期限を設定して許可申請を行うよう指示するなど、指導の強化に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)しっかりと期限内に指導をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、管理者が特定できなかった管理者不明橋も地元要望や利用状況を考慮した対応が必要と考えますが、どのように対応されるのかお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  管理者が特定できなかった管理者不明橋は、その安全性に問題がありましたら、必要に応じて、県が簡易代執行などの手法で撤去し、また、住民にとって重要度が高い橋につきましては、地元市町に管理および存廃の検討を委ねるなどの対応が必要と考えております。そのため、地元関係者や市町を交え、管理者の決定やその後の管理の方法等について検討、協議をしてまいりたいと。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)管理者が特定できない管理者不明橋については、通行止めや立入防止の措置も必要と考えますが、現在、管理者不明橋で通行止めや立入防止の措置をされている橋はどれだけあるのかお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  現在、通行止めをしている橋は2橋でございます。ほかに、崩落等により河川の通水に支障のおそれがあったため撤去した橋は2橋ございます。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)立入禁止の措置をされている橋は2橋、そしてまた、撤去した橋が2橋ということでしたけども、今後、調査していく上で増える可能性があると思いますので、しっかり対応のほうをお願いしたいと思います。  管理者不明橋のうち、これまで、地元要望等に基づき、県で修繕をされた不明橋があったのか、お伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  管理者不明橋は県の管理物ではないため、県で修繕することはございません。そういった要望があった場合は、まず、地元の関係者や市町を交えて管理者を特定し、管理者において修繕を行っていただくものと考えております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)地元としっかりと協議しながら進めていただけたらなと思いますので、よろしくお願いをいたします。  最後になりますけど、管理者不明橋については県全体としての課題であり、実態調査を基に解消に向けた取組を進めてきたことは成果の一つであります。  河川が適正に利用されるための管理についても、改めて在り方を考え、必要な対策を実施していかなければならない時期と考えますが、最後に、今後の管理者不明橋の解消に向けた取組方針についてお伺いをいたします。 ◎土木交通部長(門間俊幸) お答えいたします。  これまで、崩落等により河川の通水に支障を及ぼすおそれのある橋や道路橋の対応を優先し、管理者不明橋の解消に努めてまいりました。今年度は、過去5年間に蓄積された事例を参考に、処理フローや対応マニュアルの改訂、充実を行います。さらに、老朽化により危険性の高くなった橋につきましては、撤去も視野に入れ、市町との連携を強化しつつ、管理者不明橋の解消を加速したいと考えております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)いろいろと部長の答弁をいただいたわけでありますが、財源が厳しいということと、限られた人材の中で今日までいろんな調査をされていたということは、私は評価をいたします。しかしながら、今後、市町との連携、もっと迅速にしてもらわなければ、この数字も、例えば100、200という管理者不明橋が多い中で、数年、数十年かかると思いますので、しっかりと市町との連携を取りながら取組もしていただきたいと思い、この項の質問を終わりたいと思います。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  投開票事務の効率化による適正な選挙事務の執行について、知事ならびに選挙管理委員会委員長にお伺いをいたします。  去る7月10日は滋賀県知事選挙、参議院通常選挙の投開票日でした。加えて、大津市、湖南市では滋賀県議会議員の補欠選挙も執行されたところであります。いずれの選挙におきましても、三日月知事をはじめ、私たち自由民主党が支援する候補者が見事当選されたところであり、参議院で改選議席の過半数の議席をいただいたことと併せて、責任政党として県民の皆様や国民の皆様の御期待の大きさとその責任の重さを痛感しているところであります。  さて、今回の選挙の投票率については、知事選挙が55.28%で、前回、4年前の40.62%から14.66ポイントの上昇、参議院議員の選挙区選挙は54.59%と、前回、3年前の51.96%から2.63ポイントの上昇でありました。知事選挙における上昇は大変大きいところでございますが、今回の投票率の上昇について、選挙管理委員会委員長はその理由をどのように分析しておられるのか、お伺いをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) (登壇)お答えいたします。  投票率は、選挙の争点や候補者の顔ぶれなど様々な要因が影響すると考えられますが、今回は、滋賀県知事選挙と参議院議員通常選挙が同日執行であり、注目を集めたことが投票率上昇の一つの要因であったと推測されます。引き続き、啓発活動を積極的に行うとともに、より投票しやすい環境が整備されるよう、市町選挙管理委員会と協力して取り組み、投票率の向上を図ってまいります。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)今回の投票率の上昇については、私は期日前投票制度が県民の皆様に浸透してきたことが、その大きな要因の一つではないかと考えております。今回の知事選挙におきましても、投票者数の約4割の方が期日前投票をされておりますし、私の地元、愛荘町においては投票者数の実に6割の方が期日前投票による方になっております。  このように期日前投票による投票者数が増加していることについて、選挙管理委員会の委員長はどのように受け止められておられるのか、お伺いをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  期日前投票者の数の増加については、期日前投票制度が有権者の皆様の間で定着をし、活用が広まってきていることが大きな要因の一つであると考えております。また、今回は期日前投票期間が、通常17日間に比べ、1日長い18日間であったことや、一部のショッピングセンターにも期日前投票所が設置されたことも影響しているのではないかと推測をしております。  引き続き、より多くの有権者が投票できるよう、市町選挙管理委員会に対して期日前投票制度の積極的な運用に取り組むよう助言をしてまいります。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)ただいま委員長からお触れいただいたとおり、期日前投票制度は、投票日当日に投票に行けない方にとって有効な制度であり、今後も各市町選挙管理委員会において積極的に活用いただくことを私も期待するところであります。  さて、このように期日前投票者数が増加してまいりますと、当日の投票時間について、現在のままでよいのだろうかと考えるところであります。  平成9年の公職選挙法の改正により、投票時間は終了時刻が2時間延長され、午前7時から午後8時までとなりました。当時は期日前投票制度はなく、投票環境向上策の一つとして実施されたと承知をしております。その後、平成15年の改正により、期日前投票制度が創設され、今年で19年目となります。先ほども触れたとおり、期日前投票制度が県民の皆様にこのように浸透してきたことを考えると、投票終了時間を現在より繰り上げて、開票時刻の開始も繰り上げてはどうかと考えます。また、私が身近な方に聞いた範囲では、夜の6時から8時に投票に行かれる方はほとんどありませんでしたが、今回の選挙において、時間帯ごとの投票者数の割合はどうであったか、特に夜の6時から8時の時間帯に投票された方の割合はどうであったのか、選挙管理委員会委員長にお伺いをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  今回の知事選挙において、選挙当日の7月10日に投票所で投票された方の数は総数で39万5,344人であり、このうち夜6時から8時の時間帯に投票された方の数は4万7,278人で、当日投票者の約12%となっておるところであります。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)ただいま答弁があったように、夜の6時から8時の時間帯に投票された方は全体の12%ということでありましたが、特に町等においては少ないのではないのかなと私は痛感をしております。  その一方で、今回の選挙での各市町の開票作業については深夜遅くや翌日の朝までかかったところがほとんどであると聞いております。参議院比例区の県選挙管理委員会の確定が発表されたのは翌朝の7時45分でありました。早朝から投票所での事務に関わり、その後、深夜にわたって開票作業を行う市町職員の事務負担は大変大きいものと察します。夜を通しての開票作業は非効率で、誤りの発生も懸念されるところであります。市町の職員だけではなく、各市町の選挙管理委員の皆さんや、各投票所や開票所の立会いの方の負担も大変大きいという声をお聞きしております。また、少しでも早く結果が確定されることについては、それを報道するマスコミ関係者の方も望んでおられるのではないでしょうか。働き方改革が強く叫ばれる昨今、選挙事務においても例外ではないと考えます。  公職選挙法では、投票終了時刻の繰上げが認められており、総務省の調べによりますと、今回の参議院選挙では、全国の投票所の37%が投票終了時間を繰り上げたとのことでありましたが、本県においてはどのような状況であったのか、選挙管理委員会委員長にお伺いをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  今回の選挙において、山間部に位置し、開票所から遠い距離にあることや、沖島では、悪天候の場合に投票箱の送致が遅れるおそれがあることから、投票終了時刻を繰り上げた投票所は県内で45か所あり、うち1時間繰り上げて午後7時閉鎖とした投票所が35か所、2時間繰り上げて午後6時閉鎖とした投票所が10か所でございました。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)ありがとうございます。今、御答弁がありましたように、45か所の投票所で繰上げをされていると。また、35か所というような御答弁だったと思います。山間部や離島など、開投票場所から遠く離れている場所がその対象であるとのことでありますが、公職選挙法の規定では、投票に支障を来さない特別の事情があれば、市町村選管の判断で4時間まで繰り上げることが可能とされております。期日前投票が進んでいることのみで投票終了時刻を繰上げすることは難しいのかと思いますが、このほかにも、投票率アップの取組を行うことで実現の可能性が高まるのではないかと考えます。  現在、選挙管理委員会や市町の選挙管理委員会で行われている投票率アップの取組はどのようなものがあり、その効果をどう見ておられるのか、選挙管理委員会委員長にお伺いをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  選挙管理委員会では、常時啓発として、特に若年層の投票率向上の観点から、県内の高校2年生全員を対象とした選挙に関するアンケート調査や小中高等学校等の児童生徒を対象に模擬投票を行う明るい選挙出前講座を実施をし、選挙の仕組みや重要性について啓発に力を入れているところであります。特に明るい選挙出前講座は、市町選挙管理委員会において独自に実施されているところもあり、今後も市町選挙管理委員会と協力して実施校を拡大していくつもりであります。  また、選挙時啓発として、県選挙管理委員会では、従来行ってきたテレビ、ラジオ、新聞広告、ポスター、インターネットなどの各種媒体の活用に加えて、今回は特に若年層への訴求力を高めるため、滋賀県出身の女優、高橋ひかるさんを起用し、新たにLINE上で広告を掲載するなどして投票日の周知や投票参加のメッセージを発信したところであります。ユーチューブの動画再生回数は20万回を超えるなど、投票率の向上に一定効果があったものと認識をしております。  さらに、市町選挙管理委員会においても、啓発資材の配布や広報車の巡回、広報誌およびホームページの活用など様々な取組があったと承知しており、地域の実情に応じた効果的な啓発がなされたものと考えております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)ありがとうございます。いろいろな投票率アップの取組に御尽力いただき、本当にありがとうございます。しばらくは選挙はないものでありますけども、4月には私どもの統一選挙がございます。また投票率アップのほうにもよろしくお願いしたいと思います。  小さなきっかけを与えて人々の行動を変える行動経済学のナッジ理論というものがあります。この考え方を取り入れて、住民の皆さんにお知らせをするチラシを工夫することで住民税の期限内申告率をアップさせた自治体があると聞いております。選挙においても投票行動を促すために、このナッジ理論をうまく活用できないものでしょうか。さらに言えば、投票に行くと抽せんで豪華な景品が当たるとか割引券がもらえるといった大胆な案もあってもよいのではないかと思いますが、こうしたアイデアを実施し、投票率の向上につなげることについて選挙管理委員会委員長の御所見をお伺いをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(世古正) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、全国各地の商店街等において、主として地域の活性化等の観点から、いわゆる投票済証の提示により割引サービスを実施するなどの様々なアイデアを活用した取組が行われていることは承知をいたしております。一方で、県選挙管理委員会としては、選挙や政治への関心を高めることが重要であり、その結果として投票率向上につなげるような啓発活動に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆4番(本田秀樹議員) (登壇)これまで申し上げてまいりましたように、期日前投票制度の推進をはじめとする投票率向上の取組を行い、有権者の投票機会をしっかりと確保した上で、投票終了時刻と開票開始時刻を全県的に繰り上げて、開票事務を正確かつ迅速に行い、適正な選挙事務の執行を図ること、これも知事が掲げる健康しがに寄与する取組の一つではないかと思いますが、この選挙戦を通じてお感じになった点を含め、最後に、知事に見解をお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  今回、参議院選挙と同日選挙であったということもあるんでしょうけれども、知事選挙の投票率も約15%上昇しております。また、選挙期間中、もう投票に行ってきたからと、期間中におっしゃる方の数が、皮膚感覚、肌感覚として非常に増えた。結果としても約10万票、10万人の方が期日前で、以前よりも、2回目よりも今回の3回目、多く投票されているという、こういう状況があるんだと思います。  議員御指摘の投票終了時刻および開票開始時刻の繰上げにつきましては、選挙期日の投票時間も含めて、有権者が投票しやすい環境を整備し、投票機会を確保することも重要であると認識しております。また、選挙期日における開票事務は、選挙の結果を有権者に対して速やかに知らせる必要があり、職員の事務負担に配慮しつつ、効率的かつ適正に行うことが必要だと思います。したがいまして、いずれか一方ということではなく、共に重要な課題であり、同時に実現していくことが人の健康や社会の健康、ひいては健康しがにつながっていくものであると考えているところでございます。 ◆4番(本田秀樹議員) 終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、4番本田秀樹議員の質問を終了いたします。  最後に、8番、河井昭成議員の発言を許します。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇、拍手)最後の登壇になります。いましばらくお付き合いをいただきますように、お願いいたします。  それでは、通告に従いまして、分割方式で県職員の定年の引上げについて質問をいたします。  令和3年6月4日、地方公務員法の一部を改正する法律が成立をいたしました。内容は、国家公務員の定年が令和5年度から令和13年度にかけて段階的に65歳まで引き上げられることに伴って、地方公務員の定年についても国家公務員と同様に段階的に65歳に引き上げられるというものです。  平均寿命の伸長や少子高齢化の進展による労働力人口の減少という社会状況の中で、社会の活力を維持し、行政サービスの充実など公務のさらなる発展のために、豊富な知識、技術、経験などを持つ高齢層職員の能力、経験を活用することなどを目的としていると理解をしています。  定年の引上げに伴う主な措置としては、1つ目、役職定年制の導入、2つ目、給与に関する措置、3つ目、定年前再任用短時間勤務制の導入、4つ目、当分の間、職員が60歳になる前の年度に60歳となった以降の任用、給与、退職手当に関する情報を提供し、60歳以降の勤務の意思を確認する情報提供・意思確認制度の新設となっています。令和5年4月1日から施行される法律であるため、今年度中に関係する条例や規則が整備される必要があり、その準備が進められている段階にあると認識をしています。  これを踏まえて、以下、総務部長、教育長にお伺いをいたします。  給与に関する措置について、国の示した内容は、国家公務員の改定内容を踏まえて、当分の間、給与月額は7割水準とするのが適当とされています。同一価値労働同一賃金が言われる状況において、7割の根拠についてどのように考えているのか、これは総務部長と教育長それぞれにお伺いをいたします。  導入完了後は、定年の引上げになった分、60歳から65歳までの人員が現状よりも大きく増えることになります。職員数については定員があるため、新規採用の数に影響があるのではと推測をいたします。段階的に導入する際には2年に1歳ずつ引き上げていくので、退職者の数も、多い年、少ない年が交互に発生することになります。この点にも十分な配慮が必要です。新規の採用が減る、極端に少ない年があるという状況は好ましくないと言え、定員と新規採用数のバランスを取る必要があると考えます。対応について、総務部長と教育長にお伺いをいたします。  定年前再任用短時間勤務制について、学校現場では使える制度にはならないのではないかと言われています。根拠は、現状の再任用制度でも短時間勤務の制度はあるが、使われていないということにあります。その原因の一つは、週3日の短時間勤務者でも定数上は1人とカウントされているからというのがあるそうです。フルタイムを1人とするならば、週3日勤務は0.6になるはずですので、これを足し算していって、2人だったら1.2、3人だったら1.8とするなど、この際、定年前再任用短時間勤務制を制度として使いやすいように対応が必要であると考えますが、教育長の見解をお伺いいたします。  この項目の最後に、労働条件の変更となりますので、働く人の納得、これが以降の仕事の質を左右することになります。よりよい制度となるように丁寧に議論を行うことが求められると考えます。丁寧な労使交渉と、その結果としての労使合意を前提とした制度導入であるべきと考えますが、総務部長の見解をお伺いいたします。 ○議長(岩佐弘明) 8番河井昭成議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎総務部長(河瀬隆雄) (登壇)県職員の定年引上げについての、私に対する3点の御質問にお答えをいたします。  まず1点目の、給与水準の根拠についてでありますが、国家公務員においては、民間企業における高齢期雇用の実情を踏まえた人事院の申出に沿って、当分の間の措置として、60歳に達した日の後の最初の4月1日以降、職員の給与を60歳前の7割水準とするものと承知をいたしております。  地方公務員の給与につきましては、国および他の地方公共団体の職員、民間事業の従事者の給与などを考慮して条例で定めなければならないと地方公務員法に規定をされているところであり、法の趣旨にのっとって適切に対応してまいりたいと考えております。  なお、国におきましては、60歳前後の給与水準が連続的なものになるよう、定年の段階的引上げが完成をいたします令和13年3月31日までに、人事院の検討を踏まえて、所要の措置を講じることとされておりますので、注視をしてまいりたいというふうに考えております。  2点目の、新規採用に係る対応でございますが、県が担う様々な行政分野で、将来にわたって質の高い行政サービスを安定的に提供できる体制を確保していくためには継続的に新たな人材を確保していくことが必要かつ重要であると認識をいたしております。  総務省からも、定年引上げに伴い、毎年の退職者の補充を行うことを基本とした従来の採用では、職員の経験年数や年齢構成に偏りが生じ、専門的な知見の世代間の継承や計画的な人事配置、人材育成等が困難になるおそれがある旨、留意事項として示されているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、本県といたしましても、職種ごとに年齢構成や採用の困難性などの現状や課題を十分把握をいたしまして、今後の退職者数の見通しをしっかりと立てた上で、複数年度間での採用の平準化などによりまして、計画的に新規採用職員の確保を図ってまいりたいというふうに考えております。  3点目の、職員団体との話合いについてでありますが、現在は適切な時期に議会へ関係条例案をお諮りできるよう、国家公務員の制度を基礎としながら検討を進めているところでございますが、職員にとっては大きな制度変更でありますことから、例年は開催をしていない時期にも職員団体との話合いの場を持つなど、丁寧な説明に努めているところでございます。  引き続き、運用面も含めまして、職員団体からも御意見をお伺いし、定年引上げ後も職員がこれまで培った経験を生かして安心して働くことができる制度とすることで、県民の皆様に質の高い行政サービスを安定的に提供できるよう努めてまいりたいというふうに考えております。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)県職員の定年引上げについての御質問のうち、私に対する3点の御質問にお答えをいたします。  まず1点目の、7割の根拠についてでございますが、先ほどの総務部長の答弁と重なりますが、国家公務員におきましては、民間企業における高齢期雇用の実情を踏まえた人事院の申出に沿って、当分の間の措置として、60歳に達した日の後の最初の4月1日以降、職員の給料を60歳前の7割水準とするものと承知をいたしております。  地方公務員の給与につきましては、国および他の地方公共団体の職員、民間事業の従事者の給料などを考慮して条例で定めなければならないと地方公務員法に規定されているところでございまして、県教育委員会として、法の趣旨にのっとって適切に対応をしてまいります。  なお、国におきましては、60歳前後の給与水準が連続的なものになるよう、定年の段階的引上げが完成いたします令和13年3月31日までに、人事院の検討を踏まえて、所要の措置を講ずることとなっており、この点を注視してまいります。  次に、2点目の、定年の段階的引上げ期間中のバランスの取れた採用への対応についてでございますが、将来にわたって安定した本県教育体制を確保していくためには、継続的な新たな人材を確保し、そして育成していくことが必要かつ重要と認識をいたしております。また、総務省および文部科学省から、定年引上げに伴い、毎年の退職者の補充を行うことを基本とした従来の採用では教職員の経験年数や年齢構成に偏りが生じ、計画的な人事配置、人材育成等が困難になるおそれがある旨の留意事項が示されているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、本県といたしましても、校種や教科、科目、また、職種ごとに年齢構成や採用の困難性などの現状や課題を十分把握し、今後の退職者数の見通しをしっかりと立てた上で、複数年度間での採用数の平準化などにより計画的な新規採用職員の確保を図っていく考えでございます。  3点目の、定年前再任用短時間勤務制への対応についてでございますが、現行の教職員の再任用制度につきましては、フルタイム勤務とともに週3日勤務、週4日勤務、週5日で半日勤務という3つの短時間勤務がございまして、短時間勤務を選択した方もおられるところでございます。  再任用短時間勤務につきましては、短時間希望者の配置希望の地域、また教科等、考慮すべきことが多く、短時間勤務の希望者を同一校に複数配置することが難しいのが現状でございます。また、フルタイム勤務を希望しない方に対して非常勤講師という働き口が多くございまして、定年退職以降の多様な働き方の一つの選択肢となっているところでもございます。  しかしながら、今回の定年引上げに当たって、本県におきましても、60歳を超えた教員の皆さんが、多様な働き方を通じ、その経験や知識を発揮していただけるよう、法改正の趣旨を踏まえまして、定年前再任用短時間制につきましてもしっかりと考えてまいる所存でございます。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)幾つか再質問をさせていただきたいと思います。  まず1つ目の、7割水準とするのが適当と国から示されたわけでして、ほかの地方自治体もそうですし、民間の状況も鑑みてということなんだというのは理解をいたしますが、一方で、同一価値労働同一賃金が言われる状況において率先してやらなきゃいけないところが、これができないのはなぜかというのがちょっと疑問に思うところでもあります。特に学校の先生において言うならば、60歳から61歳になって、担任を持つ先生も多分たくさんいらっしゃると思うんですけど、担任として仕事をした後に出てくる成果物としては何も変わらないですし、ただ1歳年を取ったからといって能力が下がるわけでもありません。そういうことを鑑みても、なかなか合理的に説明ができないんだろうなと、いつもこれ、考えるところであります。  滋賀県だけでどうだこうだと言っても仕方がないということなんですけども、この制度の導入が完了する令和13年度までに、その間、検討されるということなんですけども、注視するだけじゃなくて、こちらから、滋賀県からも積極的に、こういう制度にしたほうがいいんじゃないかとか、こういうことが懸念点であるぞということを発信されるべきだと思いますので、これは総務部長、教育長それぞれにお伺いをしたいと思います。  採用のばらつきが出るんじゃないかということについてなんですけども、こちらはバランスを取ってほしいということなんですが、教育長、特に学校現場ではなかなか人員が不足しているような側面があって苦労されているということをよく聞きます。この制度が導入されるとき、実はタイミングとしてはここを改善するチャンスなんではないかという見方もできると思いますので、積極的にここを、うまく活用すると言ったら変ですけども、上手にこの制度変更のタイミングを使って、学校現場の多忙感だったり人手不足の感じを改善できないか、積極的に取り組まれる姿勢が要るんじゃないかと思いますので、ここについても見解をお伺いをしたいと思います。  あと、定年前再任用短時間勤務制度なんですけども、現場のニーズがあるのかというのは大事ですが、制度として設定されるならば、法の趣旨を踏まえてとおっしゃいましたけど、多様な働き方の一助となるはずですので、ぜひとも上手に活用されるようにお願いをしたいなと。これはお願いをしたいと思います。  最後です。これはこの次の4月から制度を導入するということで、少し急ぎぎみに検討が進められているのではないかとちょっと思うところがあります。ただ、この法改正、冒頭に申し上げましたが、令和3年6月4日、結構、時間があったのになとも思わなくもありません。ぜひとも、丁寧に議論していただくと答弁いただきましたけども、時間がないことを理由にここはちょっととかいうことがないようにしていただきたいと思うんです。これは総務部長に、もう一度お伺いをしたいと思います。 ◎総務部長(河瀬隆雄) 私には2点、御質問いただいたというふうに思います。  まず、7割水準でございますけれども、職務内容が変わらない中で、一定年齢、60歳に達したことのみをもって給与を引き下げるものでありますことから、平等取扱いの原則や同一労働同一賃金の観点からも、その水準は慎重に検討する必要があるということにつきましては理解をしているところでございます。ただ、その一方で、今回、この7割の根拠になっておりますのは、民間では定年年齢を60歳以降に引き上げている事業所は全体で2割弱にとどまっておりまして、一旦退職した後に再雇用することとしている事業所のほうが多い現状がございます。このような民間事業者の実情を踏まえたものとして、国家公務員においては7割の給与水準とされたというふうに認識をいたしておりますので、国に対する要望等々につきましては、これにつきましてもしっかりと検討はしてまいりたいと思いますが、こういったことが根拠にあるということもしっかり踏まえてまいりたいというふうに考えてございます。  それから、時間もない中で急ぎぎみでやっているのではないかという御指摘でございますが、しっかりとそこは、これまでも丁寧に労使関係を構築してきたところでございますし、職員団体の皆さんの合意もしっかり取ってまいりたいというふうに考えておりますので、繰り返しになりますが、ここは丁寧にお話を聞き、しっかりと議論をし、その結論を得てまいりたいというふうに考えております。 ◎教育長(福永忠克) 私にいただきました2点の再質問についてお答えをいたします。  まず1点目の、7割という点についてでございますけれども、議員も先ほどおっしゃられましたように、教員につきましては、児童生徒に向き合い、教育を行うのが職務でございますので、定年引上げ前後でその果たすべき役割、また求められる職務内容について大きな差は生じない面があるものと考えているところでございます。
     国におきましても、60歳を超えても引き続き同一の職務を担う者であれば本来は給与水準が維持されることが望ましいという意見もあって、そのような意見も出ているというふうに聞いておるところでもございます。しかしながら、国家公務員の給与につきましては社会一般の情勢に適応するように変更することとされております。定年引上げ後の60歳を超える職員の給与水準につきましては、民間企業における60歳代前半の給与水準が50歳代後半層の7割程度となっていることを踏まえて、当分の間の措置といたしまして、先ほども御答弁申し上げましたように給与水準を7割に設定するとされたところでございます。  教員を含めまして、地方公務員の給与につきましては、地方公務員法におきまして国家公務員の取扱いを考慮して決定するということが求められているという、そういう法体系の中でございますので、そうした点も踏まえて、私としては検討を続けてまいりたいと考えております。  もう1点の、採用の問題についてでございますが、私も教育長として、毎年度、それぞれの校種の採用選考の事務に携わっております。そういった中で、やはりある特定の教科とか、なかなか採用が難しい教科があるという実態も十分、日々、感じているところでございます。今回の定年延長に伴ってどのような採用計画をもって対応していくのかは、校種別、そして教科別によって実情が異なりますので、この点をしっかり見据えながら取り組むことが必要だと思っております。  あわせまして、大学の教育学部等でそれぞれの専門分野を学んで、例えば国語の先生になりたい、社会の先生になりたいという若者がいらっしゃることも十分承知をしておりますので、そういった子供たちの受験の機会というか、採用試験を受ける機会をしっかりと確保することも大切だと認識をしておりますので、一定、制限はあるとは思いますけれども、その中でできる限りの工夫をしながら、優秀な若者が滋賀県の教育現場で働いていただけるように、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)では、次の項目に移ります。  次の質問は交通税の検討について、一問一答方式で全て知事に質問をいたします。  知事選挙の中で三日月知事が取り上げた、地域公共交通の維持に関する財源の確保について検討を進めるとあり、一つの形が交通税の導入の検討でした。人口減少社会において存続が危ぶまれる地方の公共交通を新たな税制で支えようという考え方で、実現すれば全国で初となるものです。これまでに県の税制審議会に諮問し、約2年にわたって税制審議会で議論がなされ、この4月に、導入へ向けた挑戦をすべきものという答申がされたところです。この先、丁寧に謙虚に、でも、着実に前に進むように議論を行うということですので、これを踏まえて質問を行います。  三日月知事の3期目任期中に方向性を見いだすとされていて、これから検討が進められるものと理解をしていますが、2023年秋頃をめどに策定を進めるとされる交通ビジョンの策定と両輪であるとされていることから、この策定の進捗が目安となるとも推測をされます。一定の結論が見いだせる時期など、改めて、交通税の検討のスケジュールについて最初にお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) (登壇)滋賀県税制審議会から得られた答申を踏まえまして、現在、進めております(仮称)滋賀地域交通ビジョンの策定と並行しつつ、議論、検討を行ってまいりたいと存じます。そして、この任期中に、新たなビジョンを実現するための財源として新たな税制の方向性を示してまいりたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)かなりばっくりとしたスケジュール感ではございましたが、ちょっとこれを踏まえながら。  冒頭でも触れましたが、地域公共交通を支える税制については県の税制審議会で、2020年の夏以降、議論が行われておりまして、この4月にも答申が行われたところです。議事録に目を通しましたが、審議会では非常に丁寧に議論が行われていて、論点整理はされているように感じます。このような状況で、今後、交通税の検討をどのように進めていくのか、見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) (仮称)滋賀地域交通ビジョンの策定に際し、目指す地域公共交通の姿を検討していく中で、その受益と負担の在り方についても、懇話会や県民との対話を通じて幅広く御意見を賜りたいと考えております。そして、新たなビジョンを実現するための財源を、例えば交通税という形でつくることができないか、受益と負担の在り方を明確にしながら、納得感を持っていただけるよう、県議会、県民の皆様と丁寧に議論を積み重ねてまいりたいと存じます。  税制審議会の答申でも、参加型税制でありますとか県民参加を促す工夫、税の議論に併せて行うことの意味などについて答申に触れていただいておりますので、まさに目指すべき地域公共交通の姿と財源をめぐる議論は同時並行で、あたかもキャッチボールをするかのように進めていく必要があるとの、そういった御趣旨にも沿う形で進めていきたいと思います。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)地域公共交通を支えるとする交通税の検討について打ち出されているので、どうしてもこれが話題として先行してしまいまして、新しい税、これに目が行きがちになります。特に一般の県民の皆さんはそうではないのかなと思います。  しかし、この話題の重要な点は、滋賀県、滋賀県民にとって地域公共交通とは何かを定義することにあるのではないかと思います。何を今さらとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここが一番大事なんじゃないかと私は考えてまして、改めて、地域公共交通とは何か、滋賀県民にとっての地域公共交通の位置づけを伺います。 ◎知事(三日月大造) 地域交通ビジョンの中でも改めて整理をして、形づくっていく必要もあると思っておりますが、地域公共交通は、そのニーズに応じた移動サービスを提供することで、人と人の交わりやつながり、さらには県域、市町域など様々なコミュニティーや経済圏における活発な活動を生み出しております。  また、教育や健康、福祉、文化、観光など様々な行政施策の土台でもありますことから、県民はもちろんのこと、行き交う全ての人々にとって欠かすことのできない重要な社会インフラと位置づけられるのではないかと考えているところです。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)この点の合意形成が物すごく大事なのかなと思っています。私も、福祉政策、教育政策としての取組があってもいいんではないかと、かねてからいろんなところで主張したりするんですけども、そうなってないなというところもあります。何か公共交通の話、交通の政策ですよねというふうになっているのかなと思います。この位置づけを皆さんと共有するに当たって、例えば政策の効果を皆さんにお伝えするときに、交通の面ばっかりのPRになっているような側面があるなと思っているんですけども、そこを、例えば福祉だったりとか教育にどんな効果があっているのか、例えば国道維持、県道維持にどのぐらいの効果があるのかみたいなことも本当は表現しなければいけないんではないかなと、常々ちょっと思っていたところですが、この件に関して知事の見解をお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 後の御質問にも絡んでくるのかもしれませんけれども、地域の公共交通が持つ意味や意義、これは、確かに対価を払う人を出発点から目的地点まで移動するという、この主たる目的もあると同時に、そういった機能が社会、地域の中で維持されている、より便利に利用しやすくなっているということがもたらす、例えば健康や福祉に与える面、文化や観光に与える面、はたまた教育に与える面、そして、そういったものがきちんと機能することが道路や、その道路の渋滞というものを緩和する効果として持ち得る面、これらをクロスセクター効果として有しているという見解が昨今のこういった分野の議論の中でも広く取り入れられておりますので、そういったことも改めて整理しながら、県民の皆様方の合意、納得の形成に資することができるよう努めていくことが重要だと思います。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)この滋賀県において、交通税という新たな税で対応するという検討が進められています。改めて、税、公の予算で取り組むことの意味について伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今、お答えしたことにも関連いたしますが、地域公共交通は、利用者の移動を担うのみならず、広く地域住民の暮らし全般を支える重要な社会資本であります。単なる営利事業にとどまらず、公共サービスの供給の基盤となるものでありますことから、公的資金を投入し、これを維持、活性化することは県の責務であり、税や公の予算で取り組むことの意味とも言えるのではないでしょうか。  税制審議会の答申の中にも、滋賀県基本構想等が描く将来像との関係において、移動の機会を提供することにより人々の幸せと地域の健康を支え、文化を育むものであるとの御指摘でありますとか、滋賀県都市計画基本方針、これは今年の3月に策定いたしましたけれども、各種拠点や主要施策を公共交通軸や公共交通網で結ぶ拠点連携型都市構造を目指すことがうたわれておりますので、こういった面からも地域公共交通の維持、充実、これは欠くことのできないものであるという視点でありますとか、CO2ネットゼロ社会をつくる、目指すという本県の取組とも関連させながら、公共交通の維持、充実は自動車に過度に依存しない生活にもつながるといった指摘もございます。また、様々な環境の変化に伴う地域公共交通の危機を転機とする対応というものも必要であろうということから、現下の緊迫化する世界情勢が交通事業者に与える影響はもとより、地方自治体の税財政そのものに与える影響も看過できないということから、地域の自主財源を安定的に得るためにも新たな税負担を求めることが必要だといったようなことも指摘をされておられます。また、交通に対する基本的な需要を適切に充足するための財源の必要性といったようなことも指摘されておりまして、誰もが行きたいときに行きたいところに移動できる地域公共交通を構築するための取組はもとより、その地域公共交通をしっかりとした財源に裏打ちされたものとしていこうとする取組については、ただ国の動きを待つのではなく、地方自治体としても、その地域特性に応じて積極的な努力と試行錯誤が求められているといったようなことも指摘され、滋賀県は歴史的にも交通の要衝とされてきた、しかし、県政世論調査で地域公共交通に関する項目が11年連続で不満度ナンバーワンであるということなども指摘の上、税や公の予算で取り組むことの意味について補強していただいているのではないかと理解をしているところです。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)地域公共交通の位置づけや重要性を考えると、また、どの地方でも課題になっていることを考えると、先ほど知事の答弁の最後のほうにもありましたけども、本来は国で財源を確保して、全国で対応できるようにする必要があると思います。今、議論していること、これは何も滋賀県だけのことではないということです。  今回、検討が進められている交通税を導入するとなれば、滋賀県の地域公共交通を支える事業を滋賀県民が負担している財源で賄うことになりますが、この地域公共交通は他府県の方も、当たり前ですが、利用するものです。滋賀県民が負担する財源で、県で取り組むことの意味について見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) まだ、税の仕組みをどのような形でつくっていくのかというのは今後の議論です。したがって、滋賀県民が負担した財源でという言及がございましたけれども、必ずしもそう決めているわけではございません。ただ、その多くの部分を滋賀県民が負担した財源で取り組むとした場合、県民以外の方が御利用されるということについてどのように考えるのかという御質問だと理解するとするならば、地域公共交通は利用者負担ですとか事業者の経営努力によって支えられてもいます。他府県の方をはじめ多くの方が利用されるとするならば、産業や観光の振興、また文化の進展、関係人口の創出等にもつながり、運賃収入の増加をもたらすことから、地域公共交通の維持、活性化に対してはプラスの効果が働くというふうに理解をしております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)現状、滋賀県の一般会計予算の中で地域公共交通に関する予算は年間約8億円となっていると認識をしています。滋賀県の地域公共交通を支えるための税制で考える税収の規模はどのくらいになると考えておられるのか、見解をお伺いします。 ◎知事(三日月大造) 現時点で具体的な税収規模は持ち合わせておりません。今後、仮称でございますけれども、滋賀地域交通ビジョンの策定を進める中で、その実現に向けた負担や分担の在り方について検討する中で例示していくことができればと考えているところでございます。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)あえて現状の予算規模を出したんですけども、このぐらいの金額をと考えるのが、乱暴な議論をしますけども、県民1人当たり1,000円頂戴するとしたら14億円ぐらいの財源が生まれます。例えばこのぐらいの金額を集めるのか、それともその10倍ぐらいの金額を集めるのか、これ、イメージができることが大分変わってくるような気がします。ちょっとイメージを持つために、持ちやすくするためにあえて数字を出しましたけども、例えば年間8億とか16億、この近辺の金額を準備するならば、今の予算の中でも対応できるんじゃないかという議論は当然起こると思っています。なので、予算の規模、どの程度なのかなということをお伺いをいたしました。これを踏まえて、もう少し何か見解があればお伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 特段、見解はないんですけれども、ただ、おっしゃったようにイメージを持てば、何というんでしょうか、財源の規模、税収の規模というものと直結していくというのはあると思います。ただ、今やってる施策、今の予算を投入して、もちろん国費もあります、利用者負担もありますが、そういったものの中でやっていることと、県民の皆様方が地域の公共交通のありようとして求められていることとの差というものをどのように見いだしていくのか、そういうものを含んでいくのかという議論もあると思いますので、そのセットで議論をしていくべきことではないかと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)課税の方式も候補が幾つかあるようですが、どの方法にもメリット、デメリットがあると考えます。特にこの先、少子化による人口減少と高齢化が社会状況の前提であることを考える必要があります。どのような課税の方式が候補であると考えているのか、メリット、デメリットを併せてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 税制審議会からの答申では、課税方式について、既存税目に対する超過課税方式から検討することが考えられるとの御意見をいただいているところです。  超過課税方式は、地域公共交通の維持、充実による受益が単にその利用者だけでなく幅広い関係者に及ぶ観点とも合致しており、メリットの一つではないかと認識しております。  答申の内容も踏まえ、具体的な課税方式に関しても、(仮称)滋賀地域交通ビジョンの策定と並行しながら、県民の皆様と合意形成を図りながら決めていくことになると認識しております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)この地域公共交通を支える税制を進めた場合の収入で地域公共交通に関する事業を行うということですが、現在の一般会計の中での事業費が置き換えになることはないのでしょうか。現状、一般会計で実施されている地域公共交通の事業については、その費用は少なくとも確保、必要ならばそれに合わせて増額されるべきと考えます。新たな財源は新たな事業にというのが筋ではないかと考えますが、ここについての見解を問います。 ◎知事(三日月大造) 税制審議会の答申では、将来の地域公共交通の姿をどのように描くのかについて県民との合意形成を図ることが先決であって、その目的が共有されるのであれば、それに応じて、そのために必要な手段となる施策が決まるのであり、新たな税収はその施策に充当されることとなるとの御意見をいただいているところであります。そのため、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、まず、ビジョンをしっかりとつくっていくということと並行して、この税の在り方、また負担、分担の在り方、こういうことについて県議会、県民の皆様と丁寧に議論する中で、その使途などについても検討を進め、また深めてまいりたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)この財源を使ってどのような事業を行いたいのか、どのような事業ができるのか、少し具体的に言えば、例えば交通空白地が改善されるという事例が実現可能なのか。交通税を導入する場合には、導入することによって何ができるのか、交通税の使途を具体的に示すことが重要だと考えます。検討されるということだったんですが、これについて見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 基本的には、まず、令和4年度、5年度の2か年かけて公論熟議を重ねながら新たなビジョンを策定していく。その際には県民の皆さん、利用者の御意見をしっかりと酌み取って、県が目指す地域交通の姿を示していきたいと考えております。  この姿の実現に向けた施策の財源として、例えば交通税という形でつくることができないか議論をしていきたいと考えておりますが、税審の答申の中でも、この使途について考える際にはということで3点に留意することが必要だと記載をしていただいております。1つは地域交通の変化への対応、2つ目は地域間の格差への対応、そして3つ目は本来の目的に見合った税収規模と使途への限定という、こういった留意点も示していただいておりますので、こういった点は踏まえて検討していくことが必要だと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)冒頭にスケジュールについて問いましたが、議論は丁寧に行うと知事は再三おっしゃっておられますので、一定の時間がかかると考えます。  一方で、この議論の間にも地域公共交通の状況は変わっていくと推測をされます。現状、減便や廃止の議論がある路線も当然あります。財源の議論をしている間に支えるべき地域公共交通がなくなっているという状況は避けなければならないと考えます。事業の担い手がなくなるのが何よりも痛手になると考えます。今ある地域公共交通は維持をする必要があると考えますが、対応について見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 今ある地域公共交通は維持する必要があると議員の見解を述べられましたけど、今ある地域公共交通も、維持する必要があるものは維持する必要があると思いますが、誰も乗らないのに公共交通として維持する必要はないと思います。その辺りの見極めを住民の皆様方や基礎自治体の皆様方としっかりと行う必要もあると思っております。  ただ、人口減少に伴う利用者の減少ですとか運転手不足に加えまして、目下、コロナ禍により交通事業者の経営環境は厳しい状況にあると認識しております。このため、鉄道やバスの運行に対する恒久的な支援に加え、コロナ対策や燃料高騰対策といった緊急的な支援にも、議会の御理解をいただきながら取り組みながら、交通事業者の事業継続を支えているところもございます。今後も国や市町、事業者等と連携し、しっかりと維持すべきものを維持してまいりたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)地域公共交通の利用の促進、現状の車社会から少しでも公共交通を利用する社会へと転換するような取組が必要ではないかと考えます。利便性の向上はもちろんですが、交通税の導入のタイミングならば、自動車税への超過課税など賦課の方法で誘導することも考えられます。また、県内事業者の、地域公共交通に乗ることができる地域公共交通の共通利用券を配布してみると面白いのではないかとも思います。地域公共交通の利用促進をすることも重要ですが、これについての見解をお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) この点は大変重要だと思います。ぜひ、県だけではなくて市町、また住民の様々な自発的な取組、さらには事業者の積極的な取組なども促しながら、取組を広げていくということが必要だと思います。例えば県でも、JRと協働でのプロジェクトチームや線区ごとの協議会での取組を行っておりますし、近江鉄道沿線の法定協議会による活性化策もございます。「スカーレット」や陶器まつりと連携した信楽高原鐵道の観光誘客というものもございますし、御地元の大津市では京阪電車、京阪バス等と連携した観光MaaSの取組がございます。新たなデマンド型交通に取り組む竜王町のチョイソコりゅうおうの取組もございますし、バスによる通勤利用を促進する日野町のわたむきプロジェクトですとか、各市町で路線バスの運行情報のウェブ上での見える化、さらには各種割引キャンペーンやパーク・アンド・ライドの取組、キャッシュレス決済の導入、観光地や中心市街地を巡るバス路線の新設や既存路線の再編など、県、市町においても様々な取組を実施しておりますので、こういった取組の効果なども見極めて、今後もさらによりよい方策を検討していきたい、また実施をしていきたいというふうに考えております。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)最後の項目にしますが、分かりやすい例を挙げるならば、湖岸緑地のキャンプやバーベキューでの利用、県内外から多くの人で大にぎわいです。よいことだと思いますが、一方、ごみの放置などルールを守らないマナーの悪い利用者など、困り事やトラブルなどもあります。現状、駐車場を含めて無料で利用できますが、駐車場、水回りやトイレなどの維持管理、ごみの処理などには費用がかかっていて、県の予算で対応しています。また、適切に管理されたトイレや水回り、緑地の維持管理の費用、適正に利用してもらうための指導も含めた管理者を配置するなど、今よりも利便性や魅力向上をする必要があるのではないかという声もあります。利用者に一定負担をしてもらうことを考えたらという声をよく聞きます。  今回、新たな負担を考えるに当たり、新たな負担を提案する前に、まだできることがあるのではないか、やるべきことがあるのではないかという問いかけは多くの県民の皆さんが思っていることだと思います。  さきに述べたのはほんの一例です。県の事業で負担の見直しが必要なものがあるのではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 今おっしゃったことは、不断に、かつ継続的に実施をしていくことが必要だと思います。  行政経営方針におきましては、受益者負担の適正化の観点から、例えば行政財産の利用に係る使用料等については、社会経済情勢の変化を踏まえ、定期的に見直すとともに、現在、負担をお願いしていない事務等についても点検し、必要があれば追加するよう位置づけ、取組を進めているところです。引き続き、歳入面においては受益者負担の適正化等に着実に取り組み、歳入確保につながる工夫や改善について見直すとともに、歳出面におきましては一層の効率化、合理化等を図るなど、歳入歳出の両面からの意識をしっかりと持ちながら、適切な負担の在り方について検証、また検討を行ってまいりたいと存じます。 ◆8番(河井昭成議員) (登壇)新たな負担をという話が前面に出てしまうんですけども、この議論は、結局、私たちがどういうサービスを基本として求めているのかというところの議論になるのかなと思っています。  また、これ、私の身の回りでこの質問をする前に問いかけたんですけども、いろいろ意見いただいたんですけど、1つ面白かったのは、家族でこれで1日議論したという近所の方がいらっしゃいました。ということは、このテーマ、結構、興味があって、入り口として、議論するのにいいタイミングなのかもしれないなと思っています。ぜひとも、この後、この議論を進めるに当たって、新たな負担を求める提案が今回はなされるわけですけども、今まで負担しているものについても、これ、どうなんだろうというのを不断に問いかけていって、それを、今ちょっと見えてないですよね、県民の皆さんに。なので、私たちもこの議論をするときには、こういうことをちゃんと見えるようにということなんですけども、こういう議論、不断に取り組んでいますよという結果、また、こういうふうに変わりましたよということをしっかりと県民の皆さんにお見せするというか、見ていただく、ちゃんと発信をしていくということも重要なんではないかと思いますので、この点について知事の見解を、再度、お伺いをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 先ほども答弁させていただいたとおり、今あるサービス、その負担の在り方も含めて、よりよい方法がないのか不断に見直していく、また、よりよい方法を追求していくということが必要だと思います。  また、今回のこの提起によってそれぞれの御家庭やそれぞれの事業所等でも御議論いただく機会が増えているとするならば、それは一つの、このテーマの議論が深められる、広げられる、私はチャンスにもなるのかもしれないと思っております。私たち、そうです、行政側ですので、慎重にやるべき、丁寧にやるべきことは前提としつつ、やはりタックスペイヤーになれば、払ったものに対する対価やサービスをどのように充実させるべきなのか、何が必要で何が不必要なのかということを議論する、こういうきっかけにもなろうかと思いますので、公共交通の議論が、いい意味で、よりよくするための議論を喚起するものであるならば、それをしっかりと生かし、進めてまいりたいと考えております。 ◆8番(河井昭成議員) 終わります。(拍手) ○議長(岩佐弘明) 以上で、8番河井昭成議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。  明2日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後5時33分 散会    ────────────────...